4.13 棚とキッチンの設営

ガス、電気、水道工事が終わった。

あああああ、これですべて終わっ...........

てなーい。全然終わってなーい。まだまだいっぱい作業があーる。

デスクも本棚もキッチンの作業台、キヤビネットも、備え付けクローゼットも、全然できてなーい。大工さんの作業が全部残ってるもんねーっ。

まず、私たちが作って色を塗った板に、IKEAの伸縮可能な脚をつける。

OLOV オーロヴ

これ、そんなに高くないんだけど、長さを変えられるので応用範囲が広い。我が家の場合、デスクの高さは71cm、キッチン作業台の高さは90cmと違うのだが、同じ脚を必要数だけ買っておいて、その場で長さを調節すれば良い。

デスク2個、キッチン台の1個。4x3=12本について、それぞれこの脚をつけていく。これも大工のイチローさんにお願いした。こういうのは簡単簡単。自分たちでつけてもいいのだが、不安だったカナメが大工さんにお願いしたらしい。彼らの仕事ぶりを真剣に覚え込もうとするカナメ。

次に、カナメが泣きそうになりながら組み立てた(私も、時々カナメに「そこ持っといて」と言われて持ったりはしたが、基本声援送っていただけw)KALLAXを壁に固定していく。

私も、カナメのこのアイデアには度肝抜かれたんだけど。

4x4のKALLAXに、2x4のKALLAXを重ねて、6x4の本棚をつくる。同じように、4x2に2x2のKALLAXを重ねて、6x2の本棚をつくる。それをデスクの両端に設置して、その間に板を設置して、作り付けの棚をつくる、らしい。

何もわかっていない私であるが、欲求だけは一人前。

この棚に本だけを置くのならいいんだけど、私としてはMUJIのアロマディフューザーやプリンターを置きたいわけよ。で、無邪気に言った。

「ねー、これってさー、このまま壁にくっつけちゃったら、電気製品つけられなくない?ディフューザーとか置けないよね......。」

と言った。あくまでも無邪気に、そして無責任にポロッと言ったのだが......

カナメが突然、大声を出した。

「ああああああああああ、そっかー!!!!そうだよおおおお!壁につけたらアウトやん。いやー、危なかった。せやねん。オレも、ここにライトとか置こうと思ってたのに、ふぅ。セーフやった。バンリ、いやぁ、良く言ってくれたよ。あぶねー、あぶねー。」

らしい。少しは貢献したのか?私。

ということで、すべての棚とKALLAXは、壁から1センチほど離して固定することになった。これでどこにでもケーブルを縦横無尽に這わせられる。ぐっと棚の利用価値が上がる。

KALLAXとKALLAXの接合には、イチローさんがダボと呼ばれる木の板のようなものを噛ませて、ぐらつかないようにした上で、製品の付属品として同梱されていた固定金具を使って、コンクリート壁にそれぞれ固定してくださった。

ご存知の方ならわかってくださると思うのだが、このKALLAX、見かけよりも相当重い。日本のカラーボックスと同等に見えるのだが、強度と重さは全く違う。つまり、倒れて来たら死ぬレベルの重量がある。それを天井近くまで積み上げるだけなら怖くて仕方がないのだが、完全に固定されているので、全く怖くない。実に安定感がある。

次に、デスクをその間に配置する。見事にハマる。デスクの調子を確認して、一旦、デスクを別の場所に退避させる。

次に、メインイベントの棚をつける。

棚は、机の長さと同じ、145cmのものが6枚ある。それを3段の棚になるように設置していく。設置するための「棚受け」というものを事前に購入して、それを大工さんに伝えておかないといけない。なぜかというと、それに合わせてコンクリートに打ち込むネジの大きさが決まり、それを準備しないといけないそうだ。

作業一つ一つに必要な工具と、必要な素材がある。

大工のイチローさんの次男さん(米津玄師似)が、棚の位置を確認しながら、棚受けの位置を決め、インパクトドライバーで、コンクリートにネジを打ち込んでいく。

カナメも自ら、インパクトドライバーを購入していたので、当初は棚も自分でつける予定だったそうだ。が、やはり木に打ち込むのとは異なり、コンクリートは難しいだろうと、まずはプロ妙技を拝んでから、テクを盗もうと作戦を変更したらしい。

私だったら、まずやってみちゃうんだけど(汗)。

しかし、カナメはいい勘をしている。実は、このコンクリートに棚をつけるのが本当に難しかったのだ。

詳しいことはわからないのだが、コンクリートも年月が経つと硬くなってくるらしく、大工さんが持ってこられたネジと工具では、うまく打ち込めないということだった。と同時に、ネジを打ち込む場所によっては、内部に小石が入っていて、それに当たると打ち進められなくなるそうで、次男さんが、何度も当たりをつけて、少しだけ打ち込んで様子を見るなど、本当に苦戦されていた。

というのも、棚は3段で、それを二つ横つなぎにする形なので、計6枚の板、それぞれ2個の棚受けを設置する位置が揃っている必要があるのだ。バラバラに設置すると見栄えが悪い。

しかも。

カナメは、横につながるKALLAXの棚の位置とミリ単位で揃えようとしていて、それを見ていると、大工さんが気の毒に見えてしまって、思わず口を挟んでしまう私。

「え、そんなのどこについててもええけどね。横に揃える必要ある?」

と言ってはみたが。大工さんさんもプロフェッショナルなので、カナメのリクエストに愚痴一つ言わずに慎重にクギを打ち込んでみては、場所が悪くて抜く、というようなことを繰り返していた。

ちなみに、大工さんの作業コストは、作業の難易度とは関係なく、日数(時間)で計算される。ということで、一日で終わる予定の作業が、最終的には3日ほどかかりそうな様相になってきたので、そこも懸念ではあった。

カナメは言う。

「こんな作業はオレ一人でできるわけないやん。しかも一度つけてしまったら、簡単に直せない。納得いかないままずっと住むことに比べれば、作業が伸びることとか、コストがかかることとか、そこ、迷うとこじゃない。」

だそうで。

翌日になって、棚がキレイに設置されたのを見て初めて、カナメが言っていたことが理解できたと言うか。横のラインをキレイに揃えているだけで、目線は棚とKALLAXをつながった一直線のラインと認識するので、確かに実際よりも奥行き感が出て広く見える。

次にキッチンの作業カウンターを作る。これは、固定するのではなく、キッチン横の作業台(ヘルシオ置き場)を一つ、KALLAXハック(*8)でカウンターを作る。

IKEAのSUNNERSTAキッチンと同じ高さで。

と同時に、ウォールキャビネットも設置して頂く。

当初は、キッチンにもオフィスエリアと同じような棚を設置しようと思っていたのだが、地震が来たときに全部落ちて割れそうなのと、無精な私がお皿をテキトーに突っ込んでも、それなりに目隠しできると思ったからだ。

これは、モノ自体はカナメが選んでくれて、最後に扉の色を私が指定しただけ。


METOD メトード
ウォールキャビネット 棚板/ガラス扉2枚付き, ホワイト, ユーティス スモークガラス, 60x37x60 cm

IKEAからの配送を受け取って、カナメが涙目になりながら(割と面倒だったらしい)組み立ててくれていたのを、大工のイチローさんにコンクリート壁に設置していただく。これだけはカナメ一人では無理だと、私も思う。

これに加えてて、IKEAの有孔ボードを4つ、マグネットナイフラックを2つ、コンクリートに設置して頂いた。

SKÅDIS スコーディス

KUNGSFORS クングスフォルス
マグネットナイフラック, ステンレススチール

このマグネットシリーズは、全力でおすすめしたい。包丁の置き場所がこれで即解決!なのである。

そして、以下の丸い小物入れは、本当に色々と使い道がある。私はここに、顆粒状の調味料や、サプリメント、お茶などを入れているが、実に使い勝手が良い。(*9)

GRUNDTAL グルンドタール

さて、KALLAXハックの詳細をば。

カナメと私は、当初、キッチンと同じ高さのテーブルを2個作って、それをL字型に並べて作業台にしようと思っていた。そして、そのテーブルの一部をカフェスペースにして、私がキッチンで食事の準備をしながら、チョコチョコとラップトップで仕事ができるようにしようと考えていた。
テーブルの下に、テキトーにカラーボックスを配置すれば、キッチンツールや食材のストックなども置けるだろうと考えていたのだが、カナメは勝手に色々と考えていたのだ。
彼は、主に英語圏のKALLAXハック動画を大量に見ているうちに思いついたらしい。

KALLAXを横長に置いて、その上にカウンタートップ(WATOCOオイルを塗った板)を乗せれば、脚は必要ないのでは?と考え、毎日毎日色々と考え続けていた。そして大工のイチローさんに色々と相談したところ、KALLAXとカウンタートップの間にブリッジ板をかませて、それぞれをダボでつなぐことにしたそうだ。

これが........... めっちゃくちゃハマった。完璧に仕上がっていて、私が一番驚いたのだ。

私は、キッチンは小さくていいけど、作業台だけは大きくしたい。IKEAのワゴンを入れたいし、ゴミ箱を置く場所も取りたい。コーヒー飲みながら作業もしたい。

などなど、わがまま度MAXで言いたい放題だったのだが、それがすべて叶ってしまって不覚にも狼狽するほどだった。

自分が思った通りに仕上がることは想像できても、期待以上の、しかも脳裏にさえ浮かんだことはないが、「絶対に私が気に入りそうなキッチン」が出来上がるなんて、数ヶ月前には想像すらできなかった。

実は、カナメもここまで完璧にうまくいくとは思っていなかったらしく、やはり大工さんが、カナメの考えていることを正確に理解して、完璧に具現化してくださったお陰なのだと思うと、色々なものに感謝せねば、と思ったりもした。

何度も書いているが、自分にとって最高に使いやすいキッチンは、自分にしかわからない。お料理好きな方なら、もっとシンクが広くてコンロも複数あるシステムキッチンがいいだろう。しかし、ヘルシオとホットクックに調理を丸投げする気満々な私にとっては、シンクよりも多用途に使える作業台を広く取りたいというニーズがあった。ヘルシオとホットクック、エスプレッソマシンと電気ケトルを置いても、作業するスペースが残っている広さは必要だったし、包丁や調味料にすぐにアクセスできて、大容量のゴミ箱を置く場所も確保したかった。

必要十分にして不足なし!!

というキッチンができ上がった。あれほど苦しんだキッチン設計も、最後の最後にカナメが隠れた才能を発揮させてくれたお陰で、なんとかでき上がった。
やっとここまできた。

ということで、プロの作業はひとまずこれで完了した。

あとは、自分たちで引越し荷物を配置していく作業が残っている。あと一息だっ!


(*8)IKEAの汎用性の高いKALLAXという整理棚があるのだが、それを素材として利用してカスタマイズするテクニックのことを「KALLAX hack」と呼び、世界中の人がアイデアを出して作成して、それを公開している。

(*9)かなり経ってからニトリでも似たようなものが販売されていたので、プラスチック製の白い小ぶりのものを買ってみた。そこには鷹の爪などを入れて、冷蔵庫にくっつけてみた。が、数日後、下に落ちていたのを発見。マグネット部分は、冷蔵庫側に張り付いたまま。なんとマグネットと容器の間は両面テープのようなもので貼られているだけで、本体が落ちてしまったのだ。ニトリ、もう買わない(涙)。似て非なるものだったわ..........orz
ちなみにIKEAのGRUNDTALは、ツッコミ入れたくなるほどの強力磁石で、一度も落ちたことがない。


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