悲しいコインランドリー

 時々、自転車に乗って遠出をするのだが、昨日はちょっと気をつけて見ていたものがあった。

 コインランドリーである。

 いつもは「あ、こんなところにコインランドリーがあるのね。車があったら使えるのになぁ」と思う程度なのだが、今回はコインランドリーの中のマシンが回っているのかどうかもチェックしてみた。

 コインランドリーを新規に設置する場合の初期費用をチラッと調べると、2,500万円から3,500万円程度の様だ。

 そして、「1時間に1人の利用でも利益を上げることはできる」という文を見つけた。

 確かに一回コインランドリーで洗濯と乾燥を利用すると、600円から800円位かかる。

 1時間に700円とすると、24時間で16,800円

 これを30日間で換算すると、504,000円になる。年間で6,048,000円、3,000万円の初期投資は5年間でペイする、という様な計算をしているみたいだが。

ここに、水道光熱費、フランチャイジーに払うロイヤリティ人件費などがかかる。マシンだから当然メンテナンス費もかかる。

 都会の一等地や、学生街のど真ん中に設置されているならまだしも、

 田舎だよ?

 ということで、その稼働率を調べて参りました。

 日曜日の午後でごわす。

 稼働率は1割以下だった...........。

 うちの田舎で、自転車でアクセス可能な範囲内に、コインランドリーを10個見つけた(汗)。今Google Mapsで確認したら、そんなもんじゃなかった........。ざっくり20個以上ある。コンビニかよ。

 そのうち私が稼働中(外から見て洗濯物がグルグル回っている)であることを確認できたのが3店舗だけで(他の7店舗は稼働しているマシンが一台もなし)、しかも稼働台数はそれぞれ1台だった。規模は、一店舗につきマシンが10台くらいのものから20台くらいあるものまで。どれも駐車場が大きい。しかもなぜか24時間営業ではない方が多い。深夜から朝にかけては閉まっているみたい。要するに毎日開閉して、そこで集金もしているんだろうと想像。意外と面倒だな。

 素人の感覚的な意見を言うと、休日の午後は混んでいて当然だと思うのだが。特に田舎は共働きが多いから、一週間の洗濯をまとめて処理するために、週末にコインランドリーを使おうとするはずだ。

 なのになぜ。

 私自身が旅先でコインランドリーを利用することも多いし、子供たちのアパートに行くと、都会の学生街だけあって、コインランドリーを多数見つけることができる。が、いつ見ても半分以上〜フル回転である。私自身も東京に住んでいた時に、子供の布団を丸洗いする必要がある時は多々あったのでせっせと通ったものだが、いつも待たされた。それほどコインランドリーを利用する人は多かった。

 コインランドリー投資は、人口が多い街なら十分にペイするのかも知れないが、田舎なら絶対にペイしない。人口が少ない上に個々の家は大きい。乾燥機を自宅に設置するのに物理的な障害などない。なのに何故、人はコインランドリーを設置すれば、そこに顧客が殺到すると想像してしまうのか。

 きっと、遊ばせている土地があって、売っても二束三文なら収益物件に変えたいと思う気持ちは分かる。駐車場(コインパーキング)に変えるのが手っ取り早いと思うが、それもロケーションによる。

田舎の人が、長期間のローンを組んでコインランドリーを建てたりするものなのかと考えてみた。田舎の人は、意外と現金を貯め込んでいたりするから、無借金で投資したのかも知れない。そんなに懐は痛まないのかな?

と、ちょっとカナメの意見を聞いてみた。

カナメ「お前、ほんまに傷まないと思う?現金持っていても、そんなのドブに捨てたも同然。だいたい売上予測が甘いんだよ。こういうのって〇〇〇〇〇(某アパート経営の会社)と一緒で売り込みに来るんだよ。何年でペイしますからって言われて。昔もあったよなー、ソーラーパネル。今でも畑の端っこにあるやん。当時も同じように売り込まれて、何年でペイするとか言われて。騙されてるんだよ。その時に米国株買っといたら、今頃いくらになってたかとか考えへん?」

確かに。

人はなぜ、簡単に計算すれば分かるようなことでも、騙されてしまうのだらうか。

うまい話が簡単に向こうから歩いてやって来ると思ってしまうのだらうか。

動いていないコインランドリーを見る度に、心が痛むよ。

 


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