3.10 スケルトンにしてみないとわからないこと

 久しぶりにミズキさんが我が家の状況を見に来てくださった。どうやら解体業者さんのリスケが決まって、リノベ案の最終確認に来られたのだ。

 カナメとは少々バトったのだが、寝室の天井は抜かないことにした。私としては寝室の天井こそ高くして欲しいと思ったのだが、二重窓にしているとは言え、冬場は寒くなりそうだということが決め手だった。部屋の容積が大きくなればエアコンの効きも悪くなるし、光熱費も上がるだろうねと言われれば断念せざるを得ない。カナメは、天井の壁紙の状態も良いのでそのままにすると言っていて、私としては、天井を残すことは譲ったのだから、壁紙くらい張り替えさせてくれい、と思っていた。しかもエアコンと照明もそのまま残すらしい。照明はまだしも、エアコンは新しいものほど節電効果が高いことが分かっているし、実は今あるエアコンは動いていない。リモコンの電源すら入らない。カナメはガスを補充すれば大丈夫だろう、などと呑気に言うのだが、修理にコストがかかるなら、もう20年近く前のエアコンなど交換してしまいたいのだが!

 実に。細かい部分で毎日いろいろと言い合いになる。狭い部屋のリノベでこれなら、新築する際に家族内でコンセンサスを得るのは至難の技だなと思ったりもした。

いや、こんなにバトルのは、うちだけだったりして.......orz

 とりあえず。業者さんの作業が始まるまでに、できるだけ自分でできることは自分でやると決めた私は、電気のブレーカーを落として、固定されている照明器具をどんどん外していく。ねじ止めされているものをドライバーで外していく。一つずつ断線させないようにゆっくりと作業をして、照明器具を完全に外したところで、念のためにラインの末端を絶縁テープで巻いておく。誰かが間違えてブレーカー上げたら怖すぎるもんね。

が。火災報知器はどうしていいのかわからないので、そのままにしておいた。間違って線を切ったらえらいこっちゃだからねー。

 軽天材は意外と軽く手でグニャッと曲がるので、順番を守って一つずつ外していく。方向によっては2部屋にまたがって通されているものもあり、それは簡単には下せなかった。外すときは良い調子でガンガンと作業をしていくのだが、外した資材の山が増えていってどうしようも無い。長い資材を折り曲げて一角に積み上げていたが、その金属の山が意外にキケンで、こればかりは業者さんに撤去していただかないといけないだろうなと思うと、段々と作業のペースが落ちたが、それでも大方のケイテンを外すことはできた。

 棟上セットも全容が現れて、棒の部分に義父のフルネームが見えたことで、怖いと言う感覚は薄れたけれど、urban cafe的な雰囲気にはそぐわないよなぁ、と一人で悶々としていた。動かすのも良くないような気がするし、でも日々拝みたいもんでもない。やっぱりなんだか怖い(汗)。

 ケイテンをほぼ撤去した段階で、業者さんの解体作業が始まった。大工さんも登場で、細かい部分は丁寧に撤去してくださるようだ。ちなみに解体業者さんにお願いすると、全部木っ端微塵に壊してくださるのだが、細かい部分(残す場所との境界部分など)のリクエストはできない様だった。その辺りは大工さんがモノの見事に素材もキレイなまま解体してくださった。それにしても大工さんの仕事っぷりがかっこよすぎて、思わず弟子入りを志願しそうになった。この歳のBBAに弟子入りされても足手まといになるだけよね。

 解体作業は信じられないくらいにどんどん進んだ。あの調子だと、私が数日かけたケイテンの撤去など1時間くらいで終わったのかもしれない。プロってすごいよな......

そしてあっと言う間に作業が終わった。

解体作業で出た資材と、実家に残されていた古い古い大型家具と、片付けで出た大量のゴミも、一気に撤去していただけた。

 状態が良くてもったいないなと思いながらも、大型の押し入れを撤去した部屋は思ったよりも広く感じた。モノがないならこれほどまでに空間があるのかと思うと感慨深かった。天井に残っていた資材もほぼなくなり、コンクリートが完全にむき出しになったところを見て、私のテンションはどんどんと上がっていった。

 天井裏の深さ(高さ)は、実に70センチもあったので、天井を抜いた空間から受ける印象は、想像以上にグッと来るものがあった。天井を抜いて間違いはないと確信した.....

のは、私だけだった。

 カナメは終始けげんな表情をしていて、6階の排水管がむき出しになっているのを恨めしそうに見ていたかと思うと、6階に上がっていった。

私は、そのまま、空になった5階の様子をスマホで撮りまくっていた。その時だった。

パイプに水が流れる音が聞こえた。しかも大音響だった......

6階に上がったカナメがトイレを使った様なのだが、信じられないくらい大きな流水音が延々と聞こえてきて、さすがの私も絶句した。音に敏感なカナメに耐えられる音では決してない。しかも給水音ではなく、排水音だ。天井を見上げたら、いまここをブツが流れているのかと追跡できてしまうくらいの生々しい流水音。

天井を石膏ボードで閉じている時には、そんな音など一切聞こえなかったのに!!!天井は防音もしてくれていたのかも、と気づいたけどもう遅い。もうすでに天井はない.......orz

これは正直にカナメに話して、対策せねば。

 その時は、パイプに防音素材の何かを巻きつければいいのではと思っていたのだが、そんな簡単には解決しなかったのだ。

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