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大家族主義経営を垣間見て来ました。(徳島・西精工)

皆さんは徳島にある西精工という会社をご存知でしょうか?
「日本経営品質賞」「ホワイト企業大賞」「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」など、数々の経営賞を受賞する、超優良企業です。

こちらの会社の見学会があることをSNS(フェイスブック)の投稿記事で知り、申し込みました。

募集があったのが4月。
そして、7月8日。待ちに待った企業見学会の日を迎えました。

初日は西社長含め3名の方をお迎えしての懇親会。
市街地にほど近い、運河に面したおしゃれなレストラン。
仕事を終えて西社長と社員の方2人が駆けつけてくださいました。

約2時間、席を交代しながら、西社長、そして社員の方お2人とのテーブルを20分ずつで移動しながら会話を楽しみました。参加された方々もすごい方たちばかりで皆さんとも交流しながら2時間はあっという間に終わりました。

左から3番目が西社長です。

さて、翌日(7月9日)が本番です。
企業見学会。朝7時にホテルのロビーに集合して出発。
7時30分から西社長のお話、会社の概要説明。
そして、始業時間の8時から、ラジオ体操、そして朝礼の見学と続きます。

西精工では、毎朝約1時間の朝礼が行われます。
最初に経営理念、行動ビジョンなどを全員で唱和します。
魂を揺さぶられるような皆さんの声。
ヨコで聞いていて熱くこみ上げるものがありました。

その後、4人か5人グループに分かれ、テーマに沿ったグループワーク。
本日のテーマは「本当の仲間は、ただの仲良しではない」です。
これは200ある会社のフィロソフィーから取り上げられるテーマです。
テーマと共に、社長のコメントが、A4一枚の半分くらい書かれています。

これに基づいて、ひとりひとりが自分の考えを共有していきます。
日頃の業務に重ね合わせてお話される方や、社長のコメントに対してご自分の経験を語ったり、それぞれが様々な切り口でお話されます。

落ちこぼれている人はいないか?嫌々喋っている人は居ないだろうか?と少し意地悪な思いですべての人を見渡しましたが、皆さん、真剣な表情で向き合っておられました。

そして、グループワークが終わったら、再度全員で輪になり、グループの代表の方が他のメンバーの話を共有し自分の意見も含めてまとめます。
それに対してファシリテーター役の方が丁寧にひとつひとつにコメントしていきます。
そのコメントは、褒めたり、他の方と意見を交換したり、日常の業務に落とし込んで話しされたり、日頃メンバーのことをしっかり見ていらっしゃるんだなぁと感心しきりでした。

とても徳島の田舎の工場で開催されているとは思えない、洗練されたワークショップです。これには日々の積み重ねのすごさを実感しました。

その後、工場見学をさせていただきました。
1つびっくりしたのは、検品用の機械です。
部品の製造工程の途中で、カメラ撮影をして自動で不良品をチェックするのですが、その機械、カメラの検品システムともに自作のものだそうです。
自分たちにあったものを自分たちで作る。
これはものづくりの会社の強みを最大限発揮しているものだと西社長は仰っていました。

もう一つびっくりしたのは、誰一人、しんどそうな、つまらなさそうな、暗い顔をした人が居ないということです。
皆さん、我々客人に対して、明るい表情で挨拶をしてくださる。
こんな気持ちのいい会社はそうありません。

そして最後は、西社長の講話です。
西精工の歴史から、いままでやってきたことをストーリー立ててお話いただけました。

創業時の社是、社訓を捨てた話。
その代わり創業時の考え方や思いを当時の社長であった実の父親と2泊3日の合宿を行って聞き出してまとめたこと。
それが社是社訓の代わりに提唱された創業の精神となってまとめられている話。
社内のリーダーと3年間やりとりしたメールから作った200の社内フィロソフィー。
それはそれは、すごい話ばかりでした。

西社長は、21年前に東京の広告代理店勤務から西精工の役員で着任されました。戻られた直後は会社の中は暗い雰囲気だったそうです。
毎朝始業時間前にラジオ体操をされていたようですが、参加率は半分以下。
一生懸命ラジオ体操している営業部長の横を若い社員が通りかかった時、部長が明るく「おはよう」と声をかけたのに対し、その若い社員は「おっす」とポケットに突っ込んだ手を出さずに小さな声で答えました。
その時、西社長は覚悟を決めたそうです。
この会社を明るく元気で幸せな会社にすると。

まさにこれは西社長にとっての創業の思いだったと思います。
創業時の思いやストーリーは社員にとって理念継承に大切なトピックです。
私も前職の企業では、常に創業者が年頭のあいさつの中で語られていました。
それが自分の中で企業へのエンゲージメントになります。

最後に。

今回この西精工の企業見学会に参加して思ったことは、「継続することの大切さ」「絶対良くするんだという覚悟」「小さなことの積み重ね」です。

西精工の経営に興味のある方は、こちらの書籍をご覧ください。

とても多くの気づきがあります。
当然一朝一夕では西精工のような経営は不可能です。
が、ひとつひとつ大切な経営、組織づくりのエッセンスが語られています。これも、いきなり大きく会社を変える。ということには一足飛びにはできませんが、自分のチームや部門から小さく始めることが大切なのかと思います。


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