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私と社会、10年の変化

「東日本大震災からもうすぐで10年になります。」
ニュースでそんな話を聞いて、もうそんなに経ったのかと思った。

震災当時小学5年生だった。今年で21歳になる。この10年という時の長さは私にとってとても重要なものだったと感じる。何故ならちょうど5年生ごろに自我が芽生え、自己というものが形成され始めたからである。そして、この10年に起こった出来事は、どれも今の私の重要な一部分になっている。

始まりは中学時代

この10年で得てきたもので、今の私を大きく構成するもの、それは社会問題への関心である。興味を持ち始めたのは中学生の時である。ちょうど自民党が政権を奪還した2013年の参議院選挙があり、アベノミクスがどうなるのかというのをクラスで話していた記憶がある。(意識高い系への冷やかし半分だったけど。)

中学当時アベノミクスが上手くいく雰囲気を感じていた。しかし、高校生になり安保法改正があった。家がニュースばかり見る家でそういう情報が入りやすかったのもあり、結構やばいのではと感じた。

そんな中で、私にとって衝撃だったのがSEALDsの活動である。SEALDsは2015年に結成された学生による政治団体で、安保法に対するデモなど反対運動を行っていた。

私は彼らをニュースで知った。私が1人で”問題だ、ヤバいな”と感じていることを、具体的な行動に移していること、それが凄く衝撃だった。しかも大学生が主導しているのも衝撃だった。
これを見て、私も何かやらねばならないと感じた。しかし、私にできることなどわからず、とりあえずSEALDsがやっていた国会前のデモに制服のまま参加した。(それでも門限が怖くて少しして帰ってしまった。)

同世代の活動が勇気になる

結局、安保法は通り、SEALDsは解散した。
そして私は、何かしたいのに何をしたらよいかわからない状況が長いこと続くことになる。

そこからずっと、別に無為だったわけではない。
高校でも大学でも自分が興味があることを学び、今それが私にとっての軸になりつつある。社会問題の解決方法として社会福祉があると思い、今現在勉強している。
しかし一方で、何か具体的な行動方法が分かった訳ではないため、社会問題をニュースで見るたびにモヤモヤした気持ちになっていた。(そして長い間逡巡したのであった。)

そんな感じでさまよっていた最近、やはりこれがやりたいと思う出来事があった。それがオリンピック森元会長の性差別発言に対する抗議の署名である。

発起人の中に自分と同じくらいの大学生がいて、こうなりたい!というのがドーンっと来た。色々回り道をしているけれど、やっぱりこうやって、社会の問題について発信できるにはどうしたら良いか改めて考えるようになった。

そんな訳で、現在入っている、某アクティビストのオンラインサロンのチャットにて、どうやったらそのようなな活動ができるのか教えてほしいと聞いた。

そこで教えてもらったのが、自分の意見を発信して仲間を増やすことである。

至極当然のような感じがするが、私にはこの“仲間を増やす”という考え方がなかった。何なら初めて聞いたかもしれない。

知らなかった。
私がこれまで見てきた人は皆、私が知っている段階ですでに多くの仲間(フォロワー)がいたから、そうやって仲間を増やしてきたなんて知らなかった。

学校では教えてくれない

この動画はスウェーデンで行われている主権者教育についてのものである。ここでは各政党の青年部が高校に出向いたり、模擬選挙を行う様子などが記録されている。

私がなりたいと思った大学生、NO YOUTH NO JAPANの代表の能條さんは、デンマークで学んだ経験があると彼女を取材した海外の新聞の文章で知った。( https://www.cbc.ca/sports/how-a-22-year-old-woman-helped-bring-down-the-tokyo-olympics-chief-1.5918669?utm_content=bufferebcc1&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer )

Her activism, born from a year studying in Denmark, is the latest example of women outside mainstream politics in Japan taking to keyboards to bring social change in the world's third-largest economy, where gender discrimination, pay gaps and stereotyping are rampant.

これは推測だが、上記の動画のような政治教育を受けてきた同世代からの刺激が大きかったのではないかと思う。(動画はスウェーデンで、デンマークではないけれど、近いのではないかと予想。実際にどうだったか聞いてみたい。)

個人的に私は、日本の学校でこういうことが学びたかった。もし私が学べていたならば、こんなに逡巡しなくてよかったかもしれないのに。
日本の教育は詰め込むクセに生活に必要な年金の払い方とかを教えてくれないことでお馴染みであるが、社会に対する働きかけのやり方も、やはり教えてはくれなかった。

日本にもいるZ世代

こういう社会問題に無関心な教育のお陰なのか、一般に日本の若者は選挙にもいかないし政治への関心が低いといわれている。実際投票率が低い。

一方世界では、環境問題に対して学校ストライキを行ったグレタさんの他、BLM運動など様々な問題に対して、若者がSNSを活用し社会に対する運動を行っている。そんな彼らをZ世代という。

私は最近まで、Z世代とはしっかりと民主主義教育を受けてきた欧米とかの人のことを言うのであって、日本はそうではないと感じてきた。

しかし、ここ最近の森会長発言の署名運動を筆頭に、どうやら日本にもZ世代がいるのだと感じている。実際、署名サイトchange.orgではコロナ禍で立ち上がった署名の多くが若者によるものであるとも出ている。( https://news.yahoo.co.jp/articles/186ba03f7fcee65c6505ba9c0ce78fb8014496e0 )

世界約4億人のユーザーをもつオンライン署名サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)によると、オフィスがある19カ国中、コロナ禍の市民の行動に最も変化が見られたのは日本だという。その中心にいたのは、長い間、政治に無関心だとみなされてきた若者だった。

この動きの源流は、恐らくSEALDsなどの少し前の世代の積み重ねがあり実現しているのだと思う。グレタさんがそうであるようにSEALDsも多くのバッシングに晒されていた。それでも最近は署名活動がニュースに取り上げられるなど、少しずつ風当たりが変わっているようにも感じる。

これからの10年に向けて

私のこの10年は、私を構成するものを拾い集める10年だった。
一方で社会にとっての10年は、変化の10年であり、悪いこともたくさんあった。しかし社会が変わるための土壌が育つ10年でもあったのではないだろうか。

これからの10年、SDGsの達成目標年2030年と大体一致する。
より良い社会を目指して行動の先頭に立つ、これがZ世代に課された目標なのではないだろうか。

私も一人のZ世代として、問題意識を持つ一人として、行動をしていきたいと強く思う。

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