見出し画像

自然に集まる社内コミュニティのつくり方①

社員同士が部署や役職を超えてつながると、お互いの意見やアイデアに刺激を受けたり、部署を超えたコラボレーションや新規事業が生まれる可能性がぐっと高くなります。

しかし、こういったコミュニケーションはたとえ人が多くいる場所でも自然に生まれることは少ないです。特に日本企業、外資系企業に関わらず日本人が多いと、関係性の薄い人に気軽に挨拶をしたり声をかけたりすることに慣れていなかったり、違う部署の人たちと組んで仕事をすることにわずらわしさを感じる人や、最初から敵対視する人も多く存在するのも事実です。
特に上司が他の部署のことを悪く言っていると、チームのメンバーのやる気を削ぐことになり、結果的に仕事にも広がりがなくなっていきます。私もかつての職場で経験したことがありますが、上司が悪く言っている部署のメンバーと仲良くしたくても、上司の顔が立たなくなるかもと思うとできないんですよね。さらにその上の上司に相談しようにも、対処してくれなかったり、相談したことによって余計に状況が悪くなったらどうしようと思うと躊躇してしまいます。そういった思いを抱えている人はとても多いと思いますし、これは充分に離職の理由となり得ます。

社内の横のつながりができるのが当たり前の雰囲気になると、信頼関係ができ心理的安全性が生まれます。他人を悪く言ったり敵対視するというのは、そもそも相手のことを知らないことが原因、ということはとても多いです。少しでもお互いのことを知る機会があると当然こういったことは少なくなります。今までメールだけのやりとりをしていて少し冷たい印象のあった人と、たまたま会社の飲み会で会って話してみたら実はとてもフレンドリーで、その後のやりとりがスムーズになった、という経験はだれしもがあるのではないでしょうか?

社内のコミュニケーションを活性化させるには、コミュニティをつくるという方法があります。ここで言う「社内コミュニティ」とは、仕事以外のテーマで社員同士が集まれるイベントや社内サークル・部活のことを指します。全社員の参加を必須とするような社内イベントは今回は除きます。

社内コミュニティには「会社が主体」でつくるものと「社員が主体」でつくるもの2つのパターンがあります。

まず、「会社が主体」とはどういったものかというと、人事や総務といった部署が企画し、例えばオンライン、オフラインでの勉強会のような学びの場や、フットサル、ビール好きの会といった場を作ることです。できれば仕事以外の話もできるような場だと打ち解けやすいでしょう。

コミュニティづくりというのは最初は、人が集まらない、最初は盛り上がったけれどだんだん参加する人が減ってきた、など自分の会社にあったスタイルを探すまではある程度の試行錯誤が必要になります。
大企業のオープンイノベーションを支援しているある会社の代表の方が、「社内の人材育成を目的として新規事業を立ち上げると失敗することが多いです。人材が育ったというのはあくまでも結果論なので、最初からそれを目指すとうまくいかないです」とおっしゃっていました。
これと同じで冒頭に書いたように、コミュニティをつくり、社内のコミュニケーションが活性化されると新しいことが生まれやすくなることは確かなのですが、これもあくまで結果論なので、最初は社員が楽しめること、どんどんつながることができることを考えて、自然に人が集まる環境をつくることを目的にした方がうまくいきやすいです。ここを間違ってしまうと、上司が部下を強制的に参加させる部署が出てきたり、義務感を生じさせる雰囲気ができてしまい、かえって社員のストレスの元になってしまいます。


次回は、会社主体の社内コミュニティを実際にどのように作っていくかをお伝えします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?