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"コミュニティ"から"組織"へと変化した時、ウェルジーのクレドが完成した。

皆さん、“クレド”という言葉を聞いたことがありますか?

クレド(CREDO)とは「信条」「志」「約束」を意味するラテン語で、企業活動の拠り所となる価値観や行動規範を簡潔に表現した文言、あるいはそれを記したツールを指します。By 人事労務用語辞典

組織に関わる人たちの行動規範とも言えるクレド。WELgeeでは、クレドを作り上げるのに、およそ1年の歳月がかかりました。

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△組織の人格を表す10個の言葉たち。それぞれの意味の詳細は、この記事の最後に書かれています。

そもそも、なぜ組織にクレドが必要なのでしょうか?

WELgeeでも、2年前から、その必要性をなんとなく理解しているつもりでした。

単発的なボランティアと、継続的なインターンシップの違いや、ボランティアとの労使関係、WELgeeに関わる難民の方とのトラブルを防ぐためのルールなどの問題解決のための一つの解法として、「クレド」の存在が大切なことは、なんとなくは理解しているものの、いざ本気でクレドを作ろうと、重い腰を動かすことはりませんでした。

ぼんやりとした「課題」が、明確な「必要」に変わったのは、任意団体設立から、3年が経過した、2018年の秋でした。

WELgeeが「コミュニティ」から「組織」へと変化し、一人ひとりが遵守すべき規範が必要不可欠となったためです。

”コミュニティ”から”組織”への変化

「“コミュニティ”と”組織は”異なる組織形態だ。」

とある社会起業家の先輩から言われた言葉です。

コミュニティとは、「所属する人が、自分の好きなことができる」集まりのこと。コミュニティの目的は、存続することであり、その運営費用は、構成員であるメンバーが賄います。一方で、”組織”は「ある目的達成のための集まり」のことです。組織の目的は、組織のゴールを実現することです。全員がゴールに向かって全力で活動し、目標達成のためには厳しいフィードバックを厭わない人々の集まりのことです。

クレドの必要性をまだ理解していなかった、2年前の私たちは、”コミュニティ”でした。

当時のWELgeeは、「WELgeeホームスティ」という難民と日本の家族をつなぐプログラムを行なっていました。約一年ほどで、53組のファミリーの受け入れ希望があり、NHKやテレビ朝日などの、大手メディアからの取材も受けました。

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結果的に、9都道県、20の家族で実施をし、難民とホストファミリーとの間に有意義な関係性を生み出したものの、個人の自立の機会には結びつきませんでした。なぜなら、一時的なホームスティを体験だけでは、難民申請中の人々根本的な状況は変わらないからです。 

難民ホームスティ以外にも、やりたいこと、構想は様々ありました。「難民カフェ」「地方創生×難民」.... 日本人のメンバーたちの様々な「やりたい」は、現状を変える、根本的な課題解決には結びつきません。

「”楽しい”時間を過ごすだけの組織ではなく、一人ひとりの人生を背負って活動する覚悟があるのか?」
「学生を卒業しても、コミットし続けるのか?」

メンバーに対して、覚悟を問いただした時から、人が去ってゆきました。

それから約一年後が経過した、2018年の秋。

「難民ホームスティ」ではなく、日本国内の難民申請中の人々の現状を根本的に変えるためには「就労」が最重要課題だと気づき、企業と難民をつなぐ活動を行ない始めた、4名のメンバーたちに対しても、同じ覚悟が問われました。

「コミュニティか?組織か?」
「難民の人生を左右する選択を迫られた時に、責任を取る覚悟があるか?」
「メンバーが傷つくようなフィードバックを厭わず、より良い方向に進む覚悟があるか?」


大学卒業を控えた学部生のNana・Shohei、博士課程を順調に進むポスドクのAndy。全員20代。これからの長い人生を、どう過ごすかの選択肢は様々。

コアの職員全員が、WELgeeにフルコミットすることを誓ったその日から、わたしたちは組織になりました。

クレドがその効果を発揮するとき。

クレドとは、組織の「誰か」の人格ではありません。
クレドとは、組織全体の人格です。
 
そのためWELgeeにコミットする働く人間の「規範」であり、
同時に新しい職員や、インターン生の採用の基準にもなります。

・本当にその人を採用するべきなのだろうか? 
・今の職員の仕事の姿勢は本当に良いのか? 
・人を切ることになった時

 
クレドは、個人を超越した人格であるからこそ、一人の人間の判断では決めることの難しい決断に対して、強力な効果を発揮します。

クレドとは憲法であり、時の政権に流されない。            そんな憲法のようなクレド。 

WELgeeで策定するにも、長い時間がかかりました。

クレドができるまで


1,それぞれの哲学をぶつける
コアで関わる4名の職員が、クレドの定義と、これがなければWELgeeではないという哲学を徹底的にぶつけ合いました。

たとえばWELgeeは難民の人からどのような存在でありたいか?という意見の中にも、「ファミリー」や「メンター」という全く別の概念が出てきたことがありました。

共に活動をする中でも、これだけ違う価値観を持っていること。そして、その中でも根底に共通する価値観を見いだすことが、発見でした。

2,類似したクレドのまとまりを作り、対立概念を統合する
それぞれが出した要素で、意味が類似するクレドをまとめ、グループ化します。今度はグループ同士の関係性を見て、矛盾が生じないかを判断します。

・当事者一人に対して向き合うこと、広く日本社会に対して目を向けること
・ 歴史を学ぶことと、未来に目を向け新しい方法を考えていくこと

どちらかが良い、悪いという話ではなく、アイデンティティとしてどちらを大事にしたいかという概念を決めるきっかけとなりました。

3, 代表渡部の選定
最終的に、絞り出した20個のクレドを渡部代表が選び、推敲し、クレドが完成しました。選び抜かれた10個のクレド、いよいよお披露目です。

WELgee CREDO ウェルジーのクレド一覧

1. Fairness : 対等な関係

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2. Backcasting : 作りたい未来から考える

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3. Diversity: 

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4. Communication: コミュニケーションを諦めない

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5. Total Effectiveness : 全体を見渡して最も効果的か 

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6. Positiveness :いまの悲惨さにくじけない

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7. Innovators : 既存のやり方にとらわれない

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8. Appreciation : 感謝の気持ちを忘れない

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9. “WITH” Spirit : WITH の精神

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10. Critical Thinking : 主観や思い込みではない批判的思考

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まだまだ道半ば。このクレドをコンパスに、WELgeeは進みます。

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