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クリエティブな「ビジネスと人権」新規事業のアイデアとは…?【世界難民の日アイデアソン2024 報告レポート②】

WELgeeでは6月20日の世界難民の日にあわせて、「世界難民の日アイデアソン2024 本気で考える『ビジネスと人権』 〜 難民と出会い、新たな未来を創発する 〜」と題し、多様な業界・業種の企業34社、50名のビジネスリーダーと、難民人材11名によるアイデアソンを開催いたしました。

当日は1日がかりでダイバシティを体感!ディスカッションも白熱しました。計4回のレポートにわたって当日の様子をお届けします。

レポート第2弾となる今回は、イベントの午後のアイデアソンで出てきたアイデアを紹介実現したらぜひ利用したい、体験したいと思わされるわくわくのアイデアがたくさんあがりました

エランバチーム - アパレルメーカー

◆ ビジネスアイデア
消費者と生産者を繋ごう」というコンセプトをもとに、消費者が素敵な服の背後にあるストーリー、どういうところで作られているのか、あるいはどういう人たちが働いているのか、といったことを知れる機会を創出する。
お店の中やアプリ、VR、あとは実際に現地ツアーとしてコットン農家に訪問し、実際に触れ合う、その後のアンバサダーとして現地の状況をファンに伝える、といった中で生産者と消費者の断絶をなくす

◆ 背後にある課題
 ・消費者が選ぶときに、背景にある生産の情報を知ることができない
・アパレルのサプライチェーンが長く、トレーサビリティ(追跡可能性)や透明性を確保するのが難しい
→ そこを消費者にちゃんと適切に伝えることが大事

ペンタゴンチーム - カフェチェーン

◆ ビジネスアイデア
カルチャーフィットしなくていいカフェ」として、外国人留学生スタッフが、彼らが働きたいありのままの姿で仕事ができるカフェ。
外国人留学生がそれぞれの国のメニューであったり言語を使って接客する。日本のお客さんにとっては「外国を体験できるカフェ」となる。
また、そこで日本人が「マイノリティになる体験」をできる日をつくる。たとえばタトゥーを入れたスタッフだけが働いている日など。

◆ 背景にある課題
日本語を学んでいても、働き口を探すのにいろいろと制約がある外国人留学生も多い。制服や髪型、髪の色、タトゥー、ピアスなど。そのような外国人留学生たちが日本でカルチャーフィットしなくていいカフェ。

チーム ホテルWELgee - ホテル

◆ ビジネスアイデア
a hotel for human rights」「internationals for working and living」「showcase for diversity」をコンセプトにしたホテルWELgee。
そのホテルでは、インターナショナルズに住み込みで働いてもらい、それを通じてインターナショナルズの就職の問題や住居にたどり着けない問題を解決すると同時に、多言語やダイバーシティを理解したスタッフの存在によって、海外からの観光客をしっかりとおもてなしできるようになる。またこのホテル自体が多様性を学ぶ場にもなる。

◆ 背景にある課題
インターナショナルズにとって就職はチャレンジングなものである。またインバウンドの増加の中で、ルールや規則が外国人観光客から守られない、日本人のスタッフやオーナーと外国人観光客でコミュニケーションがうまくとれないことがある。

インパラガチーム - 通信・キャリア

◆ ビジネスアイデア
スマートフォンのプロバイダが、海外送金サービスと組み、海外送金の利用時に発生する手数料を元手に、スマホの価格も安く売るようにする。
またそこで得た利益を元手に、社会貢献のために、個人情報保護法教育とかにお金を投資する。

◆ 背景になる課題
日本において2年以上の在留資格を持たない人は、iphone等を一括払いでの購入しないと、大手キャリアへのアクセスができない。

チームキャンディーズ - 化粧品メーカー

◆ ビジネスアイデア
「Mositurizing us - 私のうるおい、あなたのうるおい」をコンセプトに、肌への潤いだけでなく、心への潤いを届けるコスメ。戦争や災害で苦しんでいる方に向けて。
① 震災直後の方に向けて
製薬メーカーと化粧品メーカーのコラボボックスを作り、防災バッグにプラスで化粧品を入れられるようにする。
② 災害発生からしばらく経ってからの施策
孤独を感じている方をターゲットに、避難所で生活されている方に向けて、ランダムの化粧品を配って交換会をし、コミュニティを築いていく。
そこで配られる製品の箱上のQRコードを通じて、被災した方へメッセージを送ることや受け取ることができる。
被災せずに幸せに暮らしている方が化粧品一つ買うと、被災地の方に一つ支給されるという仕組み。

◆ 背景にある課題
日本が災害が多い国である。また戦争状況にあるウクライナ出身の方がメンバーであったこと。
現在だと、災害時には食料等、生活用品を重視されていてコスメは後回しにされている。一方で、避難所の環境では、冬は肌がカサカサになってしまったり、ベタベタして気になっている方も多い。

侍チーム - 交通機関

◆ ビジネスアイデア
「Let's go assistance」というAIアプリケーションを用いて交通機関に関して困りごとを抱えている人の問題を包括的に解決する。
たとえば、身体的な障がいを持つ方が駅まで移動するとき、アプリケーションを用いて周りに知らせることができ、周囲がサポートに入りやすくなる。また、日本語を話すことができない人は、このアプリによって、多言語で切符を買ったり、どのように移動するかを調べることができる。
また、タクシーの運転手にとっても乗客とコミュニケーションをとるサポートになり、また長時間労働をしているとアラートを発してくれる。

◆ 背景にある課題
悩みを抱えている人たち、特に日本語を話せない人たちや目の不自由な人、車椅子の人等は移動において助けを必要とするシーンもある一方で、本当はそういう方々を助けたいけれど、どう助けたらいいかわからないっていう方もいる。そういった方をマッチングするサービス。

チームユニバーサル - 小売(スーパーマーケットチェーン、コンビニチェーン)

◆ ビジネスアイデア
誰でも行きやすい多国籍の商品を販売しているコンビニ
日本にいる外国の方が日本にいながらも故郷の味をいつでもどこでも楽しめると同時に、日本の方が外国の文化に触れ、雰囲気を楽しめる。
スタッフとして日本にいる外国の方を雇用し、在留資格の安定化を目指す。企業としても社会課題に取り組んでいるという企業ブランディングに繋がり、最終的には日本のみならず世界的に積極的に取り組んでいる企業として広められるっていう可能性もある。

◆ 背景にある課題
日本にいる外国の方は、在留資格の取得に悩むことが多い。日本暮らすには在留資格の取得っていうのは不可欠なので、雇用を創出し、在留資格の取得をしやすい状況を生み出す。

チーム ローラーコースター - 遊園地・アミューズメントパーク

◆ ビジネスアイデア
小さなエリアに、椅子を1つ用意し、そこでメガネをかけることで、4D・VR体験によって、ローラーコースターに乗っているような体験ができるようにする。どこでもいつでも100%安全。
さまざまな場所、難民キャンプにでも設置することができる。
また、難民や貧しい人々はそこで働くことができ、働いてお金を得ることができる。

◆ 背景にある課題
障害者の方々は乗り物を楽しみにくい。また貧困層にとって、遊園地はとてもぜいたく品でなかなか楽しめない。また海外に目を向けると状況の厳しい国にはそもそもアミューズメントパークがない。
難民キャンプや貧しい田舎には、遊園地を経験したことのない子どもたちがたくさんいる。子どもたちには平等に「遊ぶ権利」がある。

最もわくわくしたで賞に選ばれたのは…

アイデアの発表後には、それぞれに対してのフィードバックをし、それぞれの参加者が最も「わくわく」したアイデアを選びました。
最もわくわくしたで賞に選ばれたのは…
チーム ローラーコースタ
でした!

おめでとうございます!🌸


難民人材と一緒に働くことに興味がある方へ

WELgeeでは、難民人材に特化したキャリアコーディネーションサービス『WELgee Talents』で、「難民」あるいは「避難民」と呼ばれる人たちが、これまでに培ったスキルと経験、逆境の中でも道を切り拓き、挑戦を諦めない情熱や志を活かして、日本企業で活躍する採用事例を創り出しています。

■ 導入企業
ヤマハ発動機株式会社・シティコンピュータ株式会社・ベースフード株式会社・ネントリーズ株式会社などの22社。

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