メイクと私 #3 - 「男の娘」0歳、初公開と葛藤
前回までのあらすじ
ステイホームの退屈から、
ウィッグとメイクセットを衝動買いした私。
慣れない手つきでアイテムを装備するも、
違和感を拭いきれずに一旦は挫折。
しかし、諦められずに試行錯誤して、
なんとなく馴染ませることに成功。
客観的に見てどうかは別として、
どこか「化けられた」感覚を覚えた私は、
変身欲を加速させていくことになります。
勇気を出してこっそりオープンに
世の中ではまだメジャーではない生き方。
はじめは、密かに細々とチャレンジしようと思っていました。
でも、同時に、せっかくだから誰かに見てもらいたいという気持ちもありました。不思議なものです。
「新しい生活様式」
自粛期間に新しい趣味を始めたり、
窮屈な日常に楽しみを見つけようとする人が増えていく中、私のチャレンジもその1つだと考えるようになりました。
何よりチャレンジが楽しかった。
その楽しさを共有したいという気持ちが生じるのは、様々な体験をSNSでシェアすることが当たり前に行われるようになった現代では自然なことだと思うのです。
そこで、当時使っていた鍵付きのSNSで、
限られたフォロワーさんに公開することに至りました。
反応
投稿するボタンを押す瞬間は手が震えました。
今まで誰にも知られていなかった自分の一面をオープンにすることは勇気のいることです。
長々と前置きをして、言い訳を連ねて、
新しく生まれた自分の姿をSNSの海に放流します。
公開。
時間がとても長く感じられました。
反応が来ていないか確認するために、
何度スマホを操作したか覚えていません。
投稿したのは平日の深夜。
タイムラインを見ている方は少なかった時間帯かもしれません。
しかし、じわじわと増えていく閲覧数(大半は自分自身だったかもしれませんが…)
静かにフォロワー数が減ってないだろうかと心配にもなりましたが杞憂でした。
そして、徐々に届き始める通知。
いいねが付きました
投稿に返信がありました
恐る恐る返信を確認。
温かい肯定的なコメントでした。
安堵と喜び
世界は
寛容で優しい世界でした。
それまでの不安から解放されたことも相まって、
とても温かな気持ちに包まれました。
もう少し勇気を出して続けてみようかな?
密かなチャレンジが小さな趣味に変わる瞬間でした。
(つづく)
サポートは、チップのようなものだと捉えています。私も「嬉しい」「心地よい」「勉強になった」など、プラスの気持ちになった時には積極的にサポートを送らせて頂きます。温かい気持ちが繋がっていきますように!