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テンセント、ポケモンと最新作を共同開発

要点
①テンセントゲームズのTimiスタジオが、ポケモンと完全最新作を開発
②多くのヒット作品を出しているTimiスタジオ
③前評判は決して良くない

 日本が世界に誇る大型IPポケモンと、中国ITジャイアントテンセントが、完全新作ゲーム「ポケモンユナイト」を共同開発していることが24日判明した。去年の夏にもすでに両者が新作ゲームを作るというアナウンスメントがあったが、ようやくベールが剥がされた形だ。今回発表したゲームは、スマホとNintendo Switchともに遊べるマルチプレイヤーオンラインバトルゲーム、通称MOBAと呼ばれるもので、ポケモンとしてはこの種類のゲームを作るのは史上初めてだという。なお配信日は未定。

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 ポケモンと開発するのは、テンセント傘下のTimiスタジオ(天美工作室群)。設立して11年が経つTimiスタジオであるが、その名を一躍有名にしたのは中国で圧倒的な人気を誇るMOBA「王者荣耀」だろう。5年前にローンチした「王者荣耀」だが、今年の春節中のDAUが1.09億人に達したほど、国民的なゲームである。このように、MOBA系ゲームの開発及び運営に、豊富な経験と確固たる実績があるからこそ、Timiスタジオが本作の開発に参入したと推測できる。

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 一方、売上高世界一のゲーム会社テンセントの中でも特にヒットメーカーと言われるTimiスタジオと、文字通り世界中で愛されてやまないIP、ポケモンがタッグを組んだ今回の作品だが、どうやら前評判は決して良くないようだ。
 ライブストリーミングで今回のゲームを発表した日本のポケモン公式YouTubeでは、今回の発表が1週間延期して行われたこと、「ポケットモンスターダイアモンド・パール」のリメイク版の発表を望むファンが多かったことから、多くのファンの失望を生んだ。
 中国はどうかというと、これまた反応が芳しくない。今回の発表がされたポケモン公式ウェイボーでは、失望のコメントが溢れており、6月25日23時時点で一番いいねが押されているコメントは、「たったこれだけの発表か」と日本ユーザーと似た反応であり、約2300いいねも付いている。また、中国特有の反応としては、テンセントの関与を嫌う声が多いようだ。一部ユーザーは、テンセントが「王者荣耀」などで展開する重課金モデルが、本作にも適応されることを懸念し、中には「宝可梦荣耀」(宝可梦とはポケモンのこと)と揶揄している者もいる。

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 ちなみに、英語で配信されているグローバル版ポケモン公式YouTubeでも、6月25日23時時点で低評価が13万と、高評価の7.8万を大きく上回っている。こちらは日中と同様、期待していた作品が発表されなかった失望のほか、中国企業であるテンセントとポケモンのコラボレーション自体に違和感を持つユーザーが多く見られ、その上低評価数を公式が少なくしているとして、批判を受けている。
 以上のように、予想に反して、日本、中国、そしてその他の地域ともに、反対意見が多く見られた「ポケモンユナイト」。とはいえ、テンセントとポケモンというパワフルな組み合わせが、実際のゲームの質で下馬評を覆せるか、今からとても楽しみだ。

文/邵 鴻成(Kousei Sho)


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