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Weekly China 4/26's Articles

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さて、第7回目の記事は!:
①スターバックスとKFCが人工肉メニューを中国で展開、巨大ベジタリアンマーケットに挑戦
②百度、Didi、曹操出行が布局する中国の自動運転タクシー市場
③広州恒大、8万人規模のスタジアム新たに2つ建設か

スターバックスとKFCが人工肉メニューを中国で展開、巨大ベジタリアンマーケットに挑戦

図1

要点
①スターバックスがビヨンドミートと提携を組み、人工肉を使ったメニューを販売開始
②中国のベジタリアン人口は多く、若者も健康意識や動物福祉を理由にベジタリアンフードに注目
③中国現地企業もベジタリアン需要拡大に対応
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  スターバックスは、4月22日より、ビヨンドミートとタッグを組み、中国の複数店舗において同社が提供する植物由来の人工肉(中国語では「人造肉」と呼ばれる)を使用したメニューの発売を開始した。ビヨンドミートは、ロサンゼルス発の人工肉メーカーであり、同じく米国発のインポッシブルフーズと、人工肉市場におけるシェアを争っている。ビヨンドミートは、新作の販売と同時にWeChatとウェイボーアカウントを開設し、同社ホームページには中国語ページも追加された。2020年の年末までに中国での人工肉の生産を始める計画もあり、ローカライズ戦略に基づき、アメリカに次ぐ経済大国における市場拡大を目指す。
  また、先週月曜にはKFCが、上海、広州及び深センの一部店舗において、大豆などの植物性食品を使ったチキンナゲットの試験販売を4月中に期間限定で行うと発表。財経網がウェイボーにてこのチキンナゲットに関する投票を行ったところ、4月26日午後2時時点7583人の投票者のうち、4割近くの人が買う可能性があると回答。大多数には至らなかったが、多くの人が関心を示していることが分かる。

図2

大豆などの植物性食品を使ったチキンナゲット

  2015年の新華社の報道によると、中国人の5000万人以上がベジタリアンとされ、準菜食主義者と呼ばれる主に植物性の食物で生活しようとする人も多いという。Rakuten Insightが2019年に行った、植物性代替食品を購入した中国人を対象とした調査では、植物性代替食品の方が健康に良いから植物性代替食品を購入するという理由が最多数であった。
  近年では、若い中国人も菜食に興味を持っている。実際に、昨年末にアリババの越境ECサイト天猫国際で、中国一般消費者用に初めて人工肉が香港企業ライトトリートから発売されると、2日で4000個が売れた。天猫国際によると、購入者の半数以上が1990年代以降に生まれた「90後」であり、天猫国際の責任者はその背景の一つとして、若者は低脂肪で低カロリーの健康食という概念をより重視することを挙げた。また、Rakuten Insightによる調査では、中国の若者は、彼らの上の世代よりも、動物福祉を理由に植物性代替食品を選ぶ傾向が強いことが分かっている。
  データによると、2019年の中国の菜食市場は355.8億元(約5400億円)であり、今後も伸びることが予想される。もちろん、現地中国企業も、この潮流をとらえており、迅速に行動に移している。
  世界のインスタントラーメン市場でトップを走る康師傅は、今年の3月20日の国際ミートアウトデー(Meatout Day)に同社初のベジタリアンインスタントラーメンシリーズ「愛吃素」を天猫に出店。

図3

ベジタリアンインスタントラーメンシリーズ「愛吃素」

  中国大手スナックメーカーの百草味は、18歳から35歳の新しい物好きで、菜食嗜好者をターゲットに、今年の1月に植物由来の人工肉で作ったスナックシリーズ「新"肉"時代」を開始。今月も同シリーズから新しいラインナップを発売した。

図4

  また、昨年11月には、南京農業大学が、中国国内としては初めて豚肉の幹細胞を使い、培養肉を作り出すことに成功。20日で5グラムの肉を生産したという。
  現地企業、海外企業を問わず熱視線を送る中国のベジタリアン市場。中国人の食生活をいかに変えていくか、今後の動向に注目したい。 

文/邵鴻成

百度、Didi、曹操出行が布局する中国の自動運転タクシー市場

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要点
①百度が中国湖南省の長沙市にて「アポロロボタクシー」の正式運行を開始
②セーフティードライバーやナビゲーターも同乗のため、引き続き「試験運行」?
③百度以外にもDidi、曹操出行などの配車サービスも自動運転タクシーへと参入
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  4月20日、大手サーチエンジン会社である百度(バイドゥ)は中国湖南省の長沙市において、自動運転タクシーである「アポロロボタクシー」サービスを正式にリリースした。今回のリリースでは、一般市民も搭乗することができる一方、セーフティードライバーとナビゲーターも同時に搭乗し、故障やナビの誤作動が起きた場合、セーフティードライバーが運転代行を行う。
  また今回の報道によれば、「アポロロボタクシー」の運転範囲も、40余りの停留所が設置されている長沙市岳麗区の130平方キロメートル範囲内に限られている。タクシーの搭乗費も無料であるため、正式なリリースと謳っている一方、セーフティードライバーやナビゲーターが搭乗している事実を鑑みると、やはり試験運行に近いリリースとなるだろう。

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百度地図(Baidu Map)において利用できる「アポロロボタクシー」の配車サービス。現時点では長沙市ユーザーのみ利用可能とされる。

  世界各国における自動運転タクシーの運行状況を見てみると、世界で初めてサービスをリリースしたのは米アルファベット傘下のウェイモとされる。今回の「アポロロボタクシー」はその二番手となるが、“試験運行”状態をいつ切り離せるのかに焦点が集まる。
  マッキンゼー・チャイナの未来モビリティーセンター(MCFM)が2018年4月に出したレポートによると、中国は将来的に世界最大の自動運転市場へと成長し、2030年には自動運転に関連する自動車や配車サービスなどの収益が5000億ドルにも上ると予想している。余談ではあるが、今回の新型コロナウィルスの発生も、自動運転市場の成長の後押しとなるだろう。コロナの震源地である武漢市においては、物流大手の「京東」(ジンドン)が無人配送車で郵便物の配送を行い、首都・北京市においてはフードデリバリー大手の「美団」(メイトゥアン)が一部地域で無人配達を始めている。このように、中国における無人運転に関する需要は日々高まっており、今後の成長が期待される。
  中国の自動運転タクシーは百度のみならず、配車サービス大手であるDidiや、中国の大手自動車メーカー「吉利汽車」(ジーリー)傘下である「曹操出行」も参入している。

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曹操出行

  Didiは昨年9月の上海人工知能大会において、封鎖された公道における自動運転タクシーの運転実績を披露し、曹操出行は奇しくも百度が長沙市においてサービスをリリースした直後である4月23日に、今年の下半期に自動運転タクシーの試験運行を実施することを各社メディアが報じた。また内部情報によれば、2022年の杭州アジア大会までには、杭州市全域において自動運転タクシーの配置も行う予定。曹操出行は、親会社であるジーリーや提携先であるスウェーデンの自動車メーカー、ボルボの技術や車両を活用することができるため、市場の注目度も高い。今年の下半期には一波乱起こりそうな中国の自動運転市場。今後もその動向に注目したい。

文/夏目 英男

広州恒大、8万人規模のスタジアム新たに2つ建設か

要点
①広州恒大の新スタジアム、デザインがダサいと批判される
②それを受け新たに2つスタジアムを建設すると発表
③二転三転するスタジアム建設に困惑する声も
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  中国サッカー1部リーグの広州恒大が16日に建設を始めた新スタジアムが多くの批判にさらされている。それを受け19日、広州恒大は新たに8万人規模のスタジアムを2つ建設する考えを発表した。その後当局が22日、新スタジアムはまだ他の案と比較をしている段階だと発表する事態に発展した。
  先週のWeekly Chinaでも取り上げた広州恒大の新スタジアムは、10万人の観客を収容できる中国最大のサッカー場となる予定だ。

図5

新スタジアムはデザインがダサいと話題に。広州恒大ホームページより。

  「花城とも呼ばれる広州市が、今後も栄え続けることを示すようなスタジアムをデザインした」と広州恒大の恒大グループ総裁は話す。 ところが、蓮の花をモチーフにしたスタジアムのデザインがダサすぎるとネット上で話題になった。
  その後、広州恒大は新しく2つのスタジアムを建設するとし、デザインはサポーターの投票で決めると発表した。香港メディアは、一連の動きはデザインへの批判が原因としている。

図6

図7

”サボテンのようだ”とデザインを揶揄する声も。香港01より。

  そんな中、広州市の土地などを管理する広州市規画自然資源局は22日、建設が開始された広州恒大の新スタジアムは、他の案と比較をしている段階だと発表した。
  これを受け、Weiboでは「デザインを変えることにしたのだろうか?もう建設が始まったのでは…」などと戸惑う声が見られた。
  中国最大のサッカー場として海外からも注目を集めたが、そのデザインから中国では「ヘンテコ建築物」にランクインするなど、評判はイマイチだ。新スタジアム建設の先行きが気になる。

文/田村 康剛

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By Weekly China
April 26th, 2020

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