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Sensitivity
私には生まれつき聴覚過敏の傾向があります。
体調が悪かったり、不安が強かったりするときには、特に聴覚過敏が強くなりやすいようです。(中略)聴覚の過敏性は生まれつきなので、当事者さえも、この問題を自覚しにくいことにあります。
ただ音楽を聴くぶんには特段問題はないのですが(大きな音は苦手です)、日常生活において「人と聴こえ方が違う」というのが困りごとです。
「鳥が鳴いている」「雨が降ってきた」「車が通った」という話をしても、聞こえていたのは自分だけ、ということが何度もありました。聴覚過敏は音楽的な耳のよさとはまた異なるので、これがあるからといって作曲にプラスになることもないのかなと思います。どうなんでしょうね。
夕方が苦手です。
夕方になると昼間のざわめきが徐々に薄れていきます。闇夜に至るまでの、かすかな音が重なり合う時間が、最もざわざわして落ち着きません。
どこからか聞こえてくるサイレン、スマホの通知音、近所の施設のアナウンス、雨など自然の音。いろいろなものが混ざって、快なのか不快なのかよくわからなくなります。リビングでついているテレビからCMが流れてくるといよいよ不安になります。そういうのってやけに明るいBGMだったりして、夕方の緊張感にそぐわないのです。
冒頭の音源。
音楽とドキュメンタリーの中間のような、へんな曲をつくりました。曲なのかなこれ……
『”普段の自分の聞こえ方”を再現する』というテーマで作りました。いつもの電子音楽に「偶然いろいろな音が入り込んだ」ように聞こえますが、偶然に聞こえる音はすべて意図的に入れています。例えば 足音、何かのアナウンスのような音、雨の音、警報のような音、など。
普段以上に世界観が濃いというか難解というか「ようわからへん」曲になっていますが、修正を重ねなんとか自然に聴ける範疇に収めたつもりです。しかし”嫌な”音をたくさん重ねているので ご気分が悪くなられたかたがいらっしゃったらすみません。
おまけ (今回の曲で使った環境音以外の素材を公開します。素材も全てオリジナルです。「何かのアナウンス」=架空の団体のアナウンス、そして「音楽」の部分ですね。環境音は部屋の外や部屋の中で自分で録音しました。)
参考(感受性ってなんでしょうねというときに読んでいた記事)
私たちは、ある性質の環境に置かれたとき、その受け取り方や反応の仕方(感受性)に個人差がみられます。<中略> とくに発達科学などの領域では、こうした感受性の個人差を「環境感受性」(Environmental Sensitivity)という概念で説明しています(例えば、Pluess, 2015)。環境感受性とは「ポジティブ・ネガティブ両方の環境刺激に対する処理や登録の仕方の個人差」を表す概念です。
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