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日記

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あの通りを西に入ったところ
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#エッセイ

幸せな一日

私が今日幸せだったこと3つ。 ・検査結果が少しよくなっていた。 ・緑が目に鮮やかな街を歩いた。 ・ドーナツを食べた。 ・ハープを弾いた。 4つあったな。 ひとのしあわせ。どう感じますか。何も思いませんか。 弱っている時にひとのしあわせがなだれこむときがある。 私はほほえみながらみている、ひとのしあわせはうれしいが、しあわせは、サプリメントのような心地だ。1日3粒が目安です。過剰摂取にお気をつけください。しあわせのおすそ分けとはしばしばきくが、摂取しすぎると自分の根幹が

すいかと月

蛍光灯が切れて薄暗い実家のキッチンで、すいかを切りながら、そういえば平成最後の夏だなと唐突に思った。自然光に照らされて瑞々しいすいかに、“平成最後”といった特別感は微塵もなかった。 幼い頃、夏休みが少し怖かった。たまたまいつだかの夏休みに、自分や身内や周囲の人にたてつづけに病気や死が降りかかった。私は「早世」という言葉を早くに覚えてしまった。おそらく同年代よりすこし、その辺を不安に思いやすい子どもだった。 元気でない子どもにとって夏休みとは“長い暇”だった。ほんとうは思

“弱い”ほうの、あなたへ

物心ついた時から“変わった子”でした。 いつもぼんやりしていて物分かりが悪く、自分の思うことを上手に話せなくて、失敗ばかりしていました。何もないところで転び、忘れ物もなくしものも多く、友達グループには上手く入れませんでした。 小学校に入ってできた友人は、そんな私のことを「面白い」と言いました。しかし、自分では特に面白いことをしているつもりはなかったし、その言葉はあまり良い意味で使われてはいないんだろうな、とは、気づいていました。 いつのまにか孤立していました。友人がいたの