見出し画像

バナナムーンGOLDを聞いて感動した話

私の数少ない趣味の一つに、ラジオ視聴がある。よく大学に行くまでや、家事をするときにradikoのタイムフリーで聴いている。ラジオはなんとなく、身構えずにラフに楽しめて極めてすばらしいコンテンツだと思う。

最初に触れたラジオは中学生のころ。寮生活をしていた私は夜になるとスマホを寮監のいる事務所に預けてから寝なければならなかった。夜中までスマホを触って遊ばないようにするという規律正しい生活を送らせる寮ならではのルールである。

しかし私は実家からウォークマンを持ち込んでいた。音楽がスキだった私は夜中の寝るまでの暇な時間を音楽を聴きながら過ごしたいと思って準備していたのだ。

しかし実家でしかウォークマンに曲を入れられなかった私は、同じ曲を聴き続けていたのでさすがに飽きが来ていた。そんなとき、他に何か機能はないのかとウォークマンを操作していると、なんとラジオが聴けるではないか。そうしてその時間にやっていたのが、今でもやっている長寿番組『SCHOOL OF LOCK!』である。未来のカギを握るラジオという触れ込みで、学生向けの音楽を中心に届ける番組で、パーソナリティが様々なアーティストとのトークや中高生の悩みを電話で解決したりしていた。初めてしっかりラジオに触れた私は驚いた。こんなにもリスナーと近いのか。本当にリスナーとパーソナリティが一緒に番組を作っているように感じた。その日から深夜が楽しみになり毎日聞くようになった。今思えば私の音楽好きはここからきているような気がする。

それから他のラジオも聞いてみたいと思った。しかし、ラジオの探し方や聴き方などなにもしらなかった私は、困って兄に相談した。そして兄が勧めてきたのが『バナナマンのバナナムーンGOLD』である。もともとお笑いが好きでバナナマンも知っていたのでちょうどいいと思った。しかし深夜の放送ということでさすがにそんな時間まで聴いていられなかった。そんな私のために兄が過去の放送のポッドキャスト(本放送のアフタートーク)を大量にウォークマンに入れてくれた。それからは毎日それを消化する日々が始まった。

一番最初に聴いた回が、いわゆる神回というやつだった。赤坂団子捜索隊という回だったのだが、三食団子が食べたいという話になり、バナナマンの二人に命じられたスタッフたちがラジオ局を飛び出して、赤坂の街の様々な店に三食団子を探しに行くという回だった。バナナマンのいるブースが捜索本部という体で、実際に探しに行っているスタッフに電話で指令を出したりして最終的には三人目のスタッフが無事に見つけ出し、ブースでみんなで団子を食べることができた。

この回を聴いたとき、あまりの驚きで興奮してねられなくなった。ラジオはこんなにも自由なのか。私の中でのラジオはブースの中のマイクの前でパーソナリティが話しているだけというイメージだった。しかし、ラジオというコンテンツは思っていたよりフレキシブルだった。この回を聴いていた中学生の私は本当にわくわくした。過去の放送ではあるが、現在進行形で進む、台本のない展開。深夜ラジオっぽい、聴いている人だけの悪ふざけの感じがしたのだ。あれ以来深夜ラジオにドはまりした私はいろいろな局の芸人のラジオや、好きな坂道アイドルのラジオなど、大量に聴くようになった。

バナナムーンGOLDには神回が死ぬほどある。下品な物が多いがワクワクするものや興奮するものもたくさんある。そんな神回についてもいつか書きたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?