レストランの危機から脱出!#2:お米高騰への対策
ここ最近、お米の価格が急激に上昇し、飲食店経営者にとって大きな課題となっています。この記事では、飲食店がこの厳しい状況にどのように対応できるのか、具体的な戦略を紹介します。
お米の卸売価格は前年比17%も上昇
米の卸売価格は前年比17%上昇し、2024年8月には60キログラムあたり16,133円に達し、過去最高を記録しています。
過去最高を記録した背景には、2023年夏の異常な高温や地震・台風などによる収穫量の大幅減少、外国人観光客による米の需要が31,000トン増加したことなどが複雑に絡み合っており、これが飲食店に大きな負担をもたらしています。
このような背景から、お米を扱う飲食店の仕入れコストが増加し、大きな負担となっています。
お米高騰への対策
ではこの状況にどのように対処すれば良いのでしょうか?
詳しく対策方法を解説していきます。
【ご飯のお代わりの有料化や値上げ】
ご飯のお代わりの有料化や値上げを行う際、お客様がお店の主力メニューに対して、どんな価値を求めて来店しているかを把握することが重要です。
お客様が求める価値が「ご飯のお代わり」ではなく、主に料理そのもの(例:とんかつ、メイン料理の質)にある場合、お代わりの有料化は売上に大きな影響を与えないです。
お客様が求める主な価値は料理そのものの質にあり、付随するご飯の量はそれほど重要ではないからです。このような場合、無料のお代わりを有料にすることは利益率を確保しつつ、コスト削減の一つの有効な手段となります。
急な価格変更が難しい場合、まずは「2杯目から有料」「大盛りのみ有料」など段階的に変更していくのも一つの方法です。このようにすることで、お客様に負担感を与えず、段階的にコスト削減が進められます。
一方で、定食店や他の飲食店において、お客様が「ご飯の大盛り無料」や「お代わり自由」に大きな価値を見出している場合、これを有料にすると売上に大きな影響を与えてしまいます。
このような店舗では、無料サービスがお客様のリピートを支える要因となっているため、急な有料化は慎重に行う必要があります。
【メニューの値上げ】
お米の価格上昇をそのままメニュー価格に反映させる方法もあります。
以前「賢い値上げの方法と根本原因への対策」の記事内で、上手な値上げの手法を紹介しました。
これらの手法を活用することで、値上げのリスクを最小限に抑えながら、スムーズに価格を引き上げることが可能です。
具体的な値上げ手法についてはこちら↓
【お米の仕入れ先の分散化】
お米の仕入れ先を一箇所に限定するのではなく、複数の供給先と取引することで今回のようなリスクを分散させることができます。
例えば、国内だけでなく、品質の良い外米を取り入れることで、価格変動に対して柔軟に対応することが可能です。また、地元の農家と直接契約を結び、安定した供給を確保することも有効です。
多くの飲食店が、お米の供給不足や価格の上昇に直面しています。しかし、すべての店舗が同じように影響を受けるわけではありません。
安定した供給先との関係を築いている店舗は、米不足の影響を軽減できます。また、外米の利用や、地域の農家と直接取引する「産直(産地直送)」の方法も有効です。
【メニューの見直し】
お米をメインに据えたメニュー構成が多い場合、メニューのバリエーションを増やし、お米以外の食材を使用した新しい料理を開発することも重要です。
例えば、パスタやパンを使ったセットメニューを導入することで、米不足や価格上昇の影響を軽減できます。これにより、お客様にも新しい選択肢を提供し、リピーターの獲得にもつながります。
お米の高騰は一時的
お米の供給問題は一時的なものであり、適切な戦略を持つことで乗り越えることが可能です。安定した供給先との関係構築や、外米の活用、産直取引の導入など、飲食店は多様な対応策を検討するべきです。
価格上昇の影響を最小限に抑えつつ、顧客満足度を高める方法を模索する必要があります。
最後に
日本の飲食店は、テクノロジーの急速な進化、消費者行動の変化、原価や人件費の高騰といった課題に直面しています。
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