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アフリカで見つけたのは、彼でなく夢だった。

6年前の春、失恋をした。
「君は駐在妻にふさわしくないよ。」という一言を残したまま、彼はアフリカへ飛び立ったのである。全く予想外の出来事だった。
しかも、当時ウェディングの仕事をしていた私は、自分の結婚式で着ようと決めたドレスをこっそり仕入れていた。
しかし、失恋に追い打ちをかけるように、そのドレスを廃棄することとなり、「まだ使えるのに。最悪だ・・・」と自ら泣く泣くハサミを入れた。

そんなときに、米倉誠一郎先生が率いる「南アフリカツアー」を発見。
海外には全く興味なかったが、「駐在妻にふさわしくない」という彼の言葉が悔しくて、アフリカをこの目で確かめる!とツアーに申し込んだ。

それが夢に出会うきっかけになるとも知らず。

最初の衝撃は、南アフリカの空港で私達の到着を待っていた少女たち。
大きな画用紙を手にした彼女達は、私にこう話しかけた。
「初めまして!私の夢は宇宙飛行士になることなの!あなたの夢は?」
正直、言葉が出なかった。失恋を引きずった私に、夢はなかったからだ。

外で遊ぶこともできない環境で暮らしていると思えない程、少女たちの輝いた笑顔は、私が生きている世界の狭さを教えてくれた。

空港で出迎えてくれた少女たち。よく見ると夢が描かれています。

そんなとき、予定を変更し、sowewto(スラム街)に行くことになった。
一歩足を踏み入れると、地面は泥でべちゃべちゃ。生ごみの臭いが立ち込めていた。
住民の私達に向けた眼差しも冷たく、「きれいな靴が汚れる(泣)」と相変わらず私は他人事だった。

干された洗濯物が美しい。sowetoの街並み。

そのときだった。
ウェディング雑誌が売られている光景に出会ったのだ。

「こんな汚い街にウェディングに憧れているひとがいるの!?」
衝撃とはこういうものかと思うくらい、ビビッと心に電流が走った。

そして、思った。
「私が着られなかったウェディングドレスを、この街に持ってきたら、きっとHAPPYが生まれるんだろうな!!」と。

そう。ここから物語は始まった。

帰りがけ、米倉先生に話しかけてみた。
当時、私は日本元気塾の米倉塾への入塾が決まっていたのにも関わらず、入塾式をすっぽかしていたのだった。

「入塾式に来なかっただろう!米倉塾で鍛えるからな!そしてドレスを一着でいい。まず送ってみるんだ!」

こんな私が世界元気塾の事務局になる未来が訪れるなんて想像していなかったし、本当にウェディングドレスを送るなんて夢にも思わなかった。

動機は不純。でも夢って、どこで出会うか分からない。
そんなお話。

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