【シリーズ連載】:実録!絶対に諦めない「EVおうち充電」第1話 〜機械式駐車装置編〜
ジコショーカイ
はじめまして。ユビ電株式会社の幅朝徳と申します。
EV充電サービス事業者の社員であると同時に、EVオーナー歴3年、自宅充電難民歴4年半、首都圏にあるマンションに住まう、いち庶民。ちなみに、EV充電サービス事業者としての社員歴はまだ半年の”新米”でございます。
えっ、なんで充電難民歴のほうがEV所有歴より長いのか、ですって?それは、EVが欲しくて買いたかったけれど、自宅で充電できることが先決と思っていたからです。これが、かの有名な(?)「EVのチキンorエッグ問題」(鶏が先か?卵が先か?)です。
何度も管理組合や管理会社に充電設備の設置について嘆願するも、玉砕に次ぐ玉砕。最後は「えい、ままよ!」と、自宅で充電できなくてもなんとかなるさ〜、と、EV購入に踏み切ったワケです(汗)。
そのへんの顛末や詳細については、また別の機会で触れたいと思います。
実体験のリアルをお届け!
最初に宣言しておきますと、今回の連載記事はすべて「実体験」をノンフィクションでお届けします。なので、理想も現実もすべて赤裸々にお伝えしながら、EV充電のリアルと無限の可能性が広がる明るい未来について、ご紹介していければと思っております。
そして、記事タイトルのとおり、かつての私のように「EVに興味があるけれど勇気が出ない」「集合住宅だからEV所有は諦めている」「EV買ったけどマンションに充電設備が付けられない」「機械式駐車装置だからEV充電はできないはず」など、EV充電で悩まれている方にとっての一筋の光明となれればと思っております。
基礎化粧品のコマーシャルではありませんが「私が証明です!」という感じで、絶対に諦めさえしなければ「EVおうち充電」はいつか必ず、あなたのもとにやってきます。まさに私自身の体験が、その証明です。
EVってどうなのさ?
EVシフトは、全世界的に例外なく進んでいく、不可逆的な変化です。
みなさんも覚えているかと思います。ガラケーがスマホへと一気に切り替わっていったことを…。音楽体験がCD購入やレンタルからサブスク型の音楽配信へと一気に変化していったことを…。
あと数年後、振り返ってみて、自動車についても同じことが起きているはずです。
うんうん、そうですよね。わかります。5年前の自分も、まさにそんな感じでした。以前ボクが乗っていたクルマはターボ車で、アクセルを踏み込んだときのエキゾーストノートが大好物でした(笑)。
さすがにクルマとなると、CDや携帯電話よりもお値段も高いですし、買い替えサイクルも長くなります。なので、EVの魅力や真価が、それぞれの人にとって「自分ごと」になるには、少し時間がかかるかもしれません。
私自身はというと、EVならではの、内燃機関では超高級スポーツカーでしか成し得なかったような「とんでもない加速力」や、これまでは考えられなかったような「静寂な車内環境」でのドライブ中の家族や友人との会話や音楽鑑賞、そしてなにより、「寝てるだけでエネルギー充填OK!」といった魅力や利便性を満喫しています。
正直にお伝えすると、私個人のEV購入の契機は、エコや環境負荷のような視点ではなく(もちろん重要なポイントだとは思っておりますが)、ファンドライブとモビリティとしての実用性と、TCO(Total Cost of Ownership = 総所有コスト)の安さでした。
そんなふうにカッコつけた言い方ではなく、もっと分かりやすく言うと、偶然見かけたショウルームで衝動的に試乗して、降りた瞬間にスマホでポチっと購入したのでした(笑)。
でも、EVに乗るようになったことによって、結果的に、エコや再エネやCO2排出問題など、いろいろな環境問題やそれをとりまくソリューション、ビジネスについても日に日に興味を持つようになってきています。
・・・おっと、EVそのものの魅力の話じゃなくて、充電の話でしたね(汗)。
機械駐でEV充電は鬼門!?
前置きが長くなりました。ここからが本題です。
連載1話目の今回は、機械式駐車装置とEV充電のカンケイについてです。
いきなり、なんだかゴッツいテーマを選んでしまったような気もしますが(汗)、せっかくの記念すべき連載第1話なので、読者の方に「ええっ!そうだったの!?」「知らなかった!」と、たくさんのビックリと気付きを体感して頂ければと思い、機械式駐車装置(以下、略して「機械駐」)についてご紹介することにしました。
まず、私の実体験から。
私が住んでいるのは、築17年目、計2棟からなる総戸数約120戸のマンションです。駐車場は、新築当時はごく少数の平置き区画と横行昇降式の機械駐が各棟に1基ずつ、合計2基設置されており、私も機械駐に駐車していました。
なので、機械駐がどういうものなのかや、そのメリットや特徴についても、ユーザ目線でも熟知していると自負しています。
広い土地が確保できない物件であっても、たくさんの駐車区画を確保できることが、機械駐の最大のメリットです。ただし、重量がトンを超えるクルマという物体を滑車とチェーンなどで動かし、入出庫可能なところまで運んでいくという動作を四六時中行う複雑な設備なので、その耐用年数は約15年と言われています。耐用年数のあいだであっても、定期メンテナンスや消耗品の交換などの保守は不可欠です。
EVをこれから買おうと思われている方も、あるいは、EVを購入したけれど、自宅マンションやアパートの駐車場でまだ充電環境がないという方も、さらには、マンションの管理組合の理事の方やあるいは管理会社の方も、この「機械式駐車装置で充電ができるのかどうか?」は、大きな関心事かと思います。
正直に言います。
私も、ユビ電に入社するまでは「機械駐でEV充電なんてムリ!」と、調べもせずに思い込んでいました。
でも、違うんです。
「機械式駐車装置でも、EV充電は可能!」なんです。
機械駐でEVは充電できる!
重要なことなので、もう一度言います。
「機械駐でEV充電はできる!!」と。
もちろん、先程の耐用年数の問題もありますし、既築の場合は一定の条件があります。
・・・と書くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、実はカンタンです。もっと言うと、WeChargeならカンタンです。
すでにマンションやアパートに既築の機械駐があり、EV充電対応をしたいと思ったら、その機械駐の保守会社、または、製造メーカーのお客様相談窓口に、以下の質問をしてみて下さい。
「現在利用中の機械式駐車装置のパレットに、EV充電用コンセントボックスの設置は可能でしょうか?」
これだけです。
「可能です!」という返答が返ってきたら、超ラッキーです。
あとは、WeChargeのシステムが、その機械駐のパレットに設置されているEV充電コンセント(正確には、各コンセントに接続されている機械駐のEV充電制御盤)と連携して、EV充電時の認証/課金/制御が可能になります(ここでは技術的な詳しいことは省略します)。
ユビ電は、すでに主要な製造メーカーさまと連携実績があります。各メーカーとの技術検証も積極的に行っているので、安心してお任せ下さい。
なお、保守会社や製造メーカーへのお問い合わせ時には、機械駐の型番などを尋ねられるので、機械駐の操作盤など、型番が記載されている部分の写真をスマホで撮っておくと便利です。
また、メーカーや型式によっては、必ずしも、機械駐の全区画(全パレット)に設置可能ではない場合があるので、
「EV充電用コンセントボックスが設置可能なパレットは、何区画になりますか?」
という質問もしておくと良いでしょう。今はEVが数台でも、今後、どんどん乗り換える住民が増えてくると、限られたEV対応パレットの奪い合いになりかねません。なるべく多くの区画をEV充電対応にしておくのが得策です。
もちろん、既築の機械駐へのEVコンセント設置は有償となるので、概算でもいいので、見積もりを依頼しておくのも大事です(マンションであれば、理事会や総会では当然、費用の話になります)。
なお、EV充電設備の設置は、補助金が活用できます。国と自治体の補助金の併用も可能です。本年度の弊社実績になりますが、だいたいトータル費用の50%〜80%を補助金で賄うことができます。※補助金の話はまた別の機会に詳しく触れたいと思います。
パレットサイズに要注意!
それから、既築の機械駐へのEV充電設備設置を検討される際、もう1つ、気をつけて頂きたいことがあります。それは、車両サイズです。特に、幅員(横幅)にはご注意下さい。
というのも、人気のあるEVは、車幅が広いものが多い傾向にあります。日本の機械駐を意識してデザインされたと言われている、人気のテスラ社のモデル3も、横幅は「1,849cm」です。全世界でいちばん売れているEVですが、やはりなかなかの大きさですし、もちろん「3」ナンバーとなります。
なので、現在利用している機械駐のパレット幅に余裕がないと、せっかくコンセントボックスを設置できたとしても、肝心のクルマの収納ができなくなってしまいます。
最近では、日産自動車から軽自動車EVの「サクラ」が発売され、約2ヶ月で2.5万台を販売するなど、EVの多様化も進んでいます。現在の機械駐に収容可能なEVを選ぶ、というアプローチもあります。
思い切って、機械駐をリニューアルしよう!
ただ、EVに限らずとも、空前のSUVブームのなかで、古い機械駐では入庫できなかったり、高さの関係で、多段式のうち、中間段(例えば、2〜3段目など)には入庫できないなどの問題もおきています。
というわけで、
・耐用年数15年を超えて、老朽化が問題になっている
・EV充電コンセントボックスの設置ができない機種である
・大規模修繕のタイミングが近づいている
といった場合は、むしろそれを好機として捉えてみるのが良いと思います。
つまり、機械駐のリニューアルです。
これから機械駐をリニューアルするのであれば、「EV充電対応パレット」を搭載した機種を選ぶだけです。
以上。
シンプルです。
もちろん、まだEV所有者が少ないので、いきなりはちょっと・・・という場合もあると思います。そんな場合は「EV充電コンセントの後付けが可能なパレットタイプ」を選んでおけば、将来、かなり低コストでEV対応が可能になります。もちろん、さまざまなEVが収納できるよう、パレット幅も大きめのものを選んでおくのが良いでしょう。
実際、私の住んでいるマンションも、機械駐の耐用年数である15年目の経過を契機に、思い切って、2基とも機械駐を取り壊しました。そして、EV収容も可能な、たっぷり横幅のあるパレットを搭載した、ピッカピカの新型の機械駐を導入したばかりです。
でも、そんなグッドタイミングで機械駐のリニューアルを検討できるラッキーなマンションばかりではないとは思います。そんなときは、併設している平置き駐車場から先に、EV充電対応していくのがオススメです。
実は、私のマンションも、このパターンなんです。
リニューアルした機械駐は、2基ともEV対応可能、すなわち、横幅も十分で、パレットへのコンセントボックス設置も可能なモデルです。でも、総戸数約120戸のうち、EV所有者はまだ、私たった一人。なので、機械駐は未来対応(将来EVが増えてきたときに実装を再検討)とし、平置き区画にEV充電コンセントを設置しました。
今の非常識は、近い将来の常識に。
マンション総住民のうちEV乗りがたった一人でも、EV充電設備は設置できる!という実例を聞いたら、なんだか勇気が湧いてきませんか?もちろん補助金もバッチリ活用し、最高に快適なEVライフを日々、満喫しています。
でも、自慢話をしたいわけではなくて、これを特別なことではなく、今後の「当たり前」「常識」にしていきたいと思っています。それが、我々ユビ電の使命だと確信しています。
現在お住まいのマンションやアパートで、EV充電にお困りの際は、どうぞお気軽に、WeChargeまでお問い合わせ下さい。平置きや機械駐を含め、最適なEV充電設備や施工方法をご提案するとともに、面倒な補助金申請や充電制御の自動化まで、ワンストップ・コンサルティングサービスをご提供します。
新築マンションのEV充電事情について
私自身の実体験をベースにしたお話をしたいと思っていたので、ここまでは「既築」のマンションのお話を中心にお届けしてきました。
では、新築マンション選びの際は、どうでしょう?
先ほどの機械駐リニューアルと同様、EV充電に対応した機械駐が用意されているマンションを選べばよいのです。
WeChargeは、すでにデベロッパー各社と、具体的な新築マンションプロジェクトでEV充電対応を進めております。平置きはもちろん、機械駐も含めて、です。
例えば、大京に関しては、今後発売される新築マンションのすべてに、WeChargeのEV充電環境が標準搭載されます。しかも、駐車場の全区画数の50%以上がEVコンセント付!残りの50%も空配管済みなので、将来容易に追加対応ができるようになっています。
また、東京ガスが本日発表したニュースリリースのとおり、全国シェア約4割以上を占めるIHI扶桑エンジニアリングの二・多段式駐車装置は、WeCharge制御によるEV充電をサポートしています。他のタワー式を含むさまざまな形式の機械駐への対応も鋭意進行中です。
ところで、ひとくちに機械駐といっても、いろんな種類があります。
単純昇降といわれる「垂直昇降式」「垂直昇降ピット式」、そして「横行昇降式」、「タワー式」、「循環式」。
いずれも、EV充電への対応が進んでおり、もちろんWeChargeも対応可能です。
というわけで、今回は機械式駐車装置とEV充電のカンケイについてお送りしました。読者のみなさんが「おうち充電」で快適なEVライフを過ごせるよう、少しでも参考になれば幸いです。
次回予告
実録!絶対に諦めない「EVおうち充電」シリーズ。第1話は、機械式駐車装置編をお届けしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
ぜひ、感想やご意見など、お気軽にお寄せ頂ければと思います。また、こんな話題についてとりあげて欲しいといったリクエストもぜひご連絡下さい。
シリーズ連載という、いきなり大風呂敷を広げてしまいましたが、はやくも後悔・・・いや、使命感で筆が止まる気配がありません(笑)。ですが、今回はこのへんで。
次回は「自宅充電がないEVライフのリアルについて」をお届けします。
自宅充電がない状態と、自宅充電がある状態、その両方を経験したからこそお届けできる実際の体験談と、ポジショントークではないホンネの話をお届けします。お楽しみに!
この記事をお届けしたのは・・・
電気自動車の充電といえばWeCharge
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