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夏の3行読書感想文|新潮文庫のプレミアムカバー【中編】

夏になると毎年8冊くらいをピックアップして、綺麗な色の綺麗なカバーにして販売している、新潮文庫の夏のプレミアムカバー。今年も購入した。

本棚にあるたくさんの積み本(プレミアムカバー)を読んでみようと、この夏は積極的に動いている。(気持ちの中では)3行の感想を残すnote、今回は中編。

前回はこちら。


向田邦子『思い出トランプ』

2022年のプレミアムカバー。13編の小説ひとつひとつが、人間の隠したいところを暴くかのようなもので、読んでいてゾワゾワ。なんとも言い難い読後感だが、また読みたくなる本。

『ダウト』の「窓の外が薄ねずみ色になってきた。ねずみの色が濃くなりやがて闇になる。まわりの色を黒く変えてゆく時間と、父は命の陣取りをしているようだ。」という表現がよかった。


星新一『妄想銀行』

ショートショートといえば星新一。32編のショートショートを収録。短い小説は読みやすくて好きなのだ。

『信念』がやっぱり面白かった。こういうの好きだな。タイトルになっている『妄想銀行』は、人間の様々な妄想を取り扱う銀行の話。現実にあったら面白そうだなぁ。


星新一『午後の恐竜』

これも星新一。この『午後の恐竜』からなる11編は本当に面白い。自分好みの展開だらけの本なのかな?どれも面白い。もちろん『午後の恐竜』もヒヤッゾワッとするし、よい。『おれの一座』が結構すき。

ショートショートはあまりあらすじを言えないね(言ってしまうと面白くなくなる?)
最後の本の解説文もよかったな。本『午後の恐竜』はおすすめ。


フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』

第一部冒頭「ものうさと甘さが胸から離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しくも美しい名前をつけるのを、わたしはためらう。」うわっもうここから虜にさせる文章よ、一気に読んでしまった。

父娘と父の愛人とのバカンス、海で出会う青年と美しい大人の女。5人が絡み合う模様が描かれているわけだけど、なんと恐ろしい。衝撃のデビュー作ってこういうことね。フランス文学。


もう夏が終わってしまうが……


8月末なので急いで駆け込み投稿をしてしまった。
現在もう1冊を読んでいるが、間に合わないため中編は4冊の感想を。

来月9月に後編を出して終わろうと思ったが、もう秋になってしまう。後編は「夏の3行読書感想文」ではない説……

9月を夏とするのか、秋とするのかは悩むなぁ。6月も春なのか悩むし。

う~~ん……?


3行読書感想文、つづきます。

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