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ロジカルシンキング、ロジカルプレゼンテーション、といった分野のハウツー本には、思考を深めるために「なぜを繰り返せ」という手法が書かれていることが多いと思います。

私も会社員時代に受けたロジカルシンキングの研修では、
「なぜを ”5回” 繰り返して思考を深める」ということを教わりました。

一説には、トヨタの問題解決のための思考から始まったと言われているようで、この「なぜ5回を繰り返す」は有名なテクニックになっているように思います。 


研修で聞いたときは、なるほど!と思ったものの、いざ実践してみようと思ってもこれがなかなか難しい。テーマの内容を深めなければ意味がないので、なんでもかんでも「なぜ」を繰り返せばいいわけでもない。

「なぜ」を繰り返したものの、思考に深みをもたせるだけの論理を作ることができないときもあって、難しいな、と、いまでも思います。


その「なぜ」について、たまたま友人に薦められた本を読んだとき、「そういうことなのか!」という発見がありました。

山田ズーニーさんの「あなたの話はなぜ『通じない』のか」という本の中で、「問いについてはこのように考えよう」という記載があったので、下記、引用させていただきます。

5W1Hの中では、WHY(なぜ)の問いは、たいていレベルが高い。
例えば、「あなたはいつ生まれたのか?」「どこで生まれたのか?」と聞かれて、どちらもすぐ答えられそうだ。しかし、「あなたはなぜ生まれたのか?」だとすぐに答えは出ない。
「なぜ」の問いはそれだけ核心を突く重要な問いだ。だから早い段階で「なぜ」の問いを立ててしまうと、考えが行き詰ってしまうことがある。(あなたの話はなぜ「通じない」のか 山田ズーニー著 ちくま文庫)


もう、ほんと、その通り!と、読んだときは頭がもげるほど頷きましたし、
ロジカルシンキング云々のまえに、もっと基本的なことを学んでおくべきなんじゃないか・・といろいろ考えるきっかけになりました。


ビジネスに関するハウツー本はたくさん出版されているし、すぐに活用できることもあると思います。しかし、小手先のノウハウは、それをそのまま習得しようと思ってもうまくいかないこともある。

むしろ、いま取り組んでいることを新たな視点で見直すために、全然違う分野からヒントを得ることもあったりしますよね。

身になることや新たな発見は、ずいぶん時を経てから得ることもあるのだと改めて思った次第です。

もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。