ツール:パフォーマンスアップにつながるフィジカル強化のポイント(第25号2023/4/15)

こんにちは。インストラクターChiakiです。
今回のテーマは「フィジカル強化とスキル練習」です。

スタジオの児童・学生向けのトレーニングはフィジカル強化を目的としたものです。
そのため、体験に来る方のほとんどは柔軟性強化・筋力強化を求めています。

ですが、実際の課題について、たとえば「どんな動作が苦手なのか?」「どんな技ができないのか?」をよく確認すると、現在の柔軟性や筋力レベルでも練習のやり方を工夫すればできそうだな、と感じることもわりとあります。

受講生や保護者の方に「(習いごとの)先生からは、どこをどういうふうに改善したほうがいいか言われているか?」と確認すると、細かくどこをどうしたほうが良いと指導されていたり、指導されたけどなんて言ってたか忘れてしまった、というパターンもあり。
そして「体幹が弱いって言われた」というパターンもよく耳にします。

受講生や保護者からの又聞きのため、会話の前後関係や指導者の方が意図されていることなどは分からないのでなんとも言えないのですが、「体幹が弱い」と言われてがむしゃらに筋トレすれば上達するかというと、決してそうとは限らない場合もあります。

とくに、身体が成長しきっていない小学生の段階では、ゴリゴリに体幹を鍛えるというよりも、身体の使い方の感覚を磨けるようなトレーニングができると良いです。

身体の使い方とは、競技で必要な動作や体勢を取ったときに、どこの筋肉を使っているか、意図した方向への関節の動かし方、身体重心はどのあたりにあるか、などに敏感になることです。

こういう感覚を磨くのはバランストレーニングが一番やりやすいので、動画を探すときのキーワードに「バランストレーニング」と入れると良いと思います。
バランスボールやバランスボードなど使うのももちろんありです。

トレーニングの回数としては、何十回もやる必要はなくて、どちらかというと回数を少なくして「自分の身体に意識を集中して」感覚を磨いてもらえたらなと思います。

一応参考までに、スタジオの動画でもアップしているリンク(Youtube再生リスト)を置いておきます。


なお、スキル上達のためには当然フィジカル強化やバランストレーニングだけではダメです。スキル練習も必要です。

そんな当たり前のことを・・と思われるかもしれませんが、フィジカル強化で満足してしまってスキル練習が疎かになるケースもゼロではないと思います。

たとえば50m走のタイムを縮めるにあたって、ジャンプトレーニングが有効だという話を聞いたことがあるかもしれませんが、実際に大学生を対象にジャンプトレーニングだけをするグループとスタートダッシュ練習だけをするグループを比較した研究結果があります。

どちらのグループも8週間ジャンプトレのみ、スタートダッシュのみを実施してタイムを計測した結果、スタートダッシュだけを実施したグループのほうがタイムが改善されたという結果になっています。(*)

まぁ、あたりまえではありますが、フィジカルトレーニングを取り入れたとしても、スキル練習も一定回数必ず練習メニューに取り入れてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。


(*)2005 金吹一範、山地啓司「ジャンプ・トレーニングとスタートダッシュ・トレーニングのスプリント走の記録や脚筋力・パワーへの影響」陸上競技研究(日本学生陸上競技連合(編)より)


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