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#68 コンサルに何を依頼(期待)するか

先日見たテレビ番組(NHKのクローズアップ現代)に、ふと思うことがありました。

放送内容の趣旨は、元会社員がそれまでのキャリアを活かし、地方自治体が運営する企業支援センターのセンター長として就任するという転職事情を紹介しています。センター長のポジションは最高で年収1200万円、契約は1年ごと、だとか。いまこのポジションの応募へ人気が殺到しているそうです。

ざっくり言うと、転職先として地方自治体と契約し、その土地でビジネスを展開する企業や店舗のコンサルをする、ということのようです。

番組では、センター長のコンサルとしての仕事ぶりや役割を説明する都合上、支援を求める地方の企業や店舗も取り上げられていました。


そのなかの一つに、今年の8月にイタリアンレストランを開業したものの、売上が見込みの3割しか届かず、あと2ヶ月で潰れてしまう、助けて欲しい、という店舗が紹介されました。

こういう状況は、飲食店開業時のいわゆる”あるある”です。以前、飲食チェーンを展開する企業で働いていたことがあり、半年経つか経たないかくらいで撤退する店舗もそれなりにあったのを覚えています。

センター長が視察に行って何を言うのかな~、と、期待してたのですが、「この店舗を一人で回すのは(大きさ的に)ちょっと厳しいよね」「テイクアウトメニューを作って売上を改善したらどうか」というコメントでした。

わりと、ありきたり…で逆に印象に残ってしまいました。(視察に行かなくても分かるよね・・?)このコメント以外にも、もしかしたらいろいろ話していて編集の都合でカットされてしまった可能性もありますが。そして、同時に、この調子でコンサルされるのかな?と、気になりました。


「コンサルに相談」「コンサルが企業支援」と聞くと、コンサルタントがものすごく万能で、なんとかしてくれる!というニュアンスを抱く人もいるかもしれませんが、コンサルに何を依頼するか、何を期待するか、そしてそれに応えてくれるコンサルなのか、を、考えて見極めて決めておかないと、かなり痛い思いをすることになると思っています。


一口に、企業支援といっても、業界や経営を取り巻く環境が様々なので、一般化するのは難しいけど、わたしは次のように考えています。

ざっくりビジネスの段階を「アイデア・思考(解決策)・実務(作業)」に区分すると

抱えている課題が大きい(ex.新規事業、人材採用)とき、あるいはその課題が事業の本流の悩みであるとき(ex.売上、集客)は、コンサルに依頼できることは、思考(解決策)や実務(作業)ではなく、アイデアの相談レベル。もしくは、リレーションの紹介を頼むなど。

課題が明確で実作業も含むような場合、たとえば社内業務の効率化やシステム統合とか実作業も含むようなものは、結果までコンサルに求めるということはアリだと思います。わりとタフな交渉を含む業務とか。そういうのもアリ。

新規事業の立ち上げや売上・集客を上げたい、という悩みは、どの事業にも共通して重要な部分ですし、そこを人にほぼ丸投げしてしまうのは経営そのものを投げているようなものだなぁ、と思います。自分が経営者なのに自分になんの経験も残らなくなってしまう。

アイデアを生み出すことも難しいけれど、アイデアを思考に変換して実現可能な施策に落とすのはもっと難しく、苦しい場合が多いです。なので、つい、この部分を人に頼りたくなるのですが、この部分を一緒にコミットしてやれるコンサルはあまりいないとわたしは思っています。

もしここを依頼されたコンサル側の立場だったら、依頼者のアイデアを否定して自分が結果を出しやすい解決策に導く、という手法にするのではないかな。(それで、依頼した側が納得できるなら、いいとは思います)


独立する前までコンサルティング会社で働いていたのでコンサル側の感覚と、いま独立して自分で運営する苦しさ。自分のアイデアを形にしたいけど、形にするのが難しい、利益が出なかったら事業性がない、資金が尽きたら意味がない、など、日々感じていることがあるので、”企業支援””コンサル”と聞くと、ついつい敏感になってしまいました。

以前、エンジェル投資家に会いに行ってアドバイスされた話を書きましたが、よくよく考えると、これはわたしのアイデアを活かすのではなく、エンジェル投資家が「結果が出やすい」と思っていることをアドバイスされたまで、だったんだなーと思いました。

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