#93 アイカサはぜひ広まってほしい
”アイカサ”というサービス、ご存知ですか?
ざっくりいうと、傘のシェアリングサービスです。
急な雨でもシェアリングスポットに行けば1日たった70円で借りられる傘レンタル。自転車のシェアリングサービスと仕組みは一緒で、返す場所はどのシェアリングスポットでもOK、という便利なサービス。
ツイッターで知ったとき「めっちゃ便利じゃん」と思い、すぐに問い合わせて、先月からスタジオもシェアリングスポットとして登録していただきました!
シェアリングスポットは東京の西側、渋谷あたりから広がり始め、最近では上野周辺にも増えてきて徐々に拡大していく予感!(ちなみにスタジオのある江東区はまだ3軒ほど)
アイカサの話をスタジオのお客さんや知人に話すと
「(アイカサから)お金もらっているんですか?」と言うひともいれば
「(アイカサに)お金払っているんですか?」という反応のひともいて
なかなか興味深いです。
前者は、他社の売上のために店舗側が場所を提供している対価、という考え方。
後者は、アイカサを集客ツールとして店舗側が導入、その対価が発生するという考え方。
実際は、アイカサとシェアリングスポットとの間で金銭のやりとりは一切ありません。傘立て&傘を置くスペースを提供するだけで管理らしい管理もナシ。(まぁ、傘のホコリくらいは軽く落としますが)
個人的には、それがとってもいいなと思っています。
なぜなら店舗側が場所代を請求って考えでいくと、傘立ては幅31センチ、奥行き19センチ、高さ111センチで(※)面積にしたらほんのわずか。
スタジオの賃料は坪1万円ちょっとくらいですが、そこから計算しても、ねぇ・・1坪の5分の1?6分の1?くらい?という請求しづらいレベル。
というか、そんな請求ってなんとなく野暮ったい、美しくない感じ。
(※)スポットによって常備している傘の本数に差があるので傘が多いところは傘立てももっと大きいです
反対に、店舗側がお金を払うという仕組みだとしたら、当然、店舗としてはその対価に見合う集客を期待してしまうはず、たとえそれがいくらであっても。
でも見込みを立てるのがそもそも難しいから金額設定もむずかしい。
アイカサさんの認知度がどうの、というよりも、傘を必要とする場面がコントロール不可能な「天気」という事象に依拠するから。しかも、雨が降ることと集客との密接な関係性がある業種ってかなり限られそう・・。
あと、お金のやりとりが発生するということは、金額の多寡にかかわらずなんらかの縛りというか、見えない責任が生じると思っています。
対価が発生しないというのはある意味、めちゃくちゃ気楽。
変な気を遣わずに済むというのがとてもいい。
なので金銭のやりとりが発生しないというのはおそらく、ビジネスモデル的には非常にあいまいで不安定なんだろうけど、とっても現実的だなと思ってます。
そしてそうであるがゆえに、このサービスは広まってほしいし個人的にも行く末が気になるというか、なんか応援したい気持ちが自然と出てきます。
ちなみに、スタジオに来ていただいているお客さんが先日アイカサを初めて利用したそうです。しかし返却するとき目当てのシェアリングスポットに行ったところ、傘立てが外ではなく店内にあってちょっと戸惑ったそう。
きっとそのお店としては、ちょっとでもお客さんに足を踏み入れてほしいから店内に置いているのだと思います。その気持はとってもよくわかる!
物販のような業種で店内をある程度ウロウロできるなら、アリなテかもしれません。これが飲食店だとややこしくなりますね。
「いらっしゃいま・・あ、傘ね」
みたいなのは、忙しい時間帯だったらお店側にとってもジャマなやりとりになりそう。
返却しにくるお客さんとしては店外にあるほうが抵抗がなくていいというのは言わずもがなですが、どうかそこは「1日70円で成り立つサービスだし」くらいに温かい目で見ていただけるとうれしい(店舗の集客は必死なんです!!)
ちょっとでもお店と接点を持ってもらって、認知してもらいたい、いずれお客さんになっていただけたら・・という切なる想いを胸に、きっと日々運営していると思います。
(ウチは店外にしか置けないので心理的ハードルなしに返せるので安心してください)
シェアリングスポットの展開としては願わくば、駅ですね。
JRと資本提携というニュースがあったのでJRにはそのうち置かれるのでしょうが、どうかメトロや都営地下鉄にも導入してほしいところ。
(そしたら、わたしは突然の雨で傘がなくても、駅で借りて自分のところに返せばいいという夢のような便利さを手に入れられる!)
先日、サイクルシェアリングのドコモ・バイクシェアの第5期決算広告をたまたま目にしました。粗利ベースでまだ赤字のようなのでシェアリング事業は運営がむずかしいのだろうなと想像しますが、アイカサはぜひ広まってほしいと思っています。
もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。