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#111 ストレッチとケガ予防の関連

ストレッチに関してこのnoteでも、ホームページのブログ記事でも言及することが多く、「ケガ防止のためにも〜」という表現をしていることもあります。

ですが厳密には、ストレッチに関する専門書や研究論文によると「柔軟性の向上が運動による傷害リスクを低下させるというエビデンスはほとんどない」という記載や

「ストレッチがスポーツ中のケガのリスクを下げるのかどうかは今後の研究でさらに検討する必要がある」という内容を最近では目にすることが多くなりました。(※)

実証研究としては、「ストレッチ=ケガを予防できる」と言い切るのはむずかしいようです。

しかし、そうした論文や専門書でも、上記の記載の後に「ストレッチ運動は柔軟性を向上させて動きの効率を最適化されるためにも推奨される」ということも同時に書かれています。

両者は一見、矛盾してしているようにも見えてとても混乱しますが、実証研究においてはストレッチと怪我のリスク低下の関連性を支持していないだけであって、実際に運動をする前には身体を動かしやすくするためにストレッチや準備運動のウォームアップはしておいた方が良いという意味合いで捉えています。

わたしは中年ということもあり若い時に比べれば筋肉や関節が固まりやすくなっているせいか、ノーストレッチでランニングを開始すれば足首の靭帯やその周辺の筋肉がグキっとなりますし、感覚的にはストレッチなしは確実に怪我するな〜という印象です。

また、研究でケガのリスク低下との関連が支持されていないからといって、運動前にストレッチしても意味がないということでもないと思います。先ほど触れたように論文や専門書でもその旨の言及もあるわけですし。

とても細く、ややこしい論点ですが「研究ではそうなのね〜」くらいに考える感じでしょうか。
まぁ本音を言えば、その実験の精度って検証しづらくない…?と思っています。ケガの要因って必ず特定できるわけでもないし。ストレッチが心身にもたらす効果をすべて定義できてるのか?とか。
直接でないにせよ間接的にはケガ予防になってることのほうが多いんじゃないかな〜。

いろいろと記事で触れることが多いトピックなので、念のため書いておきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(※参考文献;2020 スコット K.パワーズ、エドワード T.ハウリー「パワーズ運動生理学 体力と競技力向上のための理論と応用」(メディカル・サイエンス・インターナショナル))


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