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【Interview】nurié――新曲「生きてて偉い」で踏み出す大きな一歩

5月、大阪と東京にて行われた≪bouquet≫と題したライヴでステージへ戻ってきたnurié。その場で披露したのが、今回リリースされる「生きてて偉い」だった。昨年の事故後、生きている“今”から目を背けず、一歩踏み出す後押しをしてくれるメッセージが詰まっている。そんな大切な1曲についてはもちろん、常に音楽に誠実な姿勢で活動している彼らの姿を感じることが出来た同時収録の2曲についても伺った。7月29日 池袋EDGEにて控えている3周年を記念するワンマン・ライヴもまた、nuriéにとって大事な1日となりそうだ。

【ちゃんと“今”を受け入れて、気持ちの整理として区切りをつけていく第一歩が≪bouquet≫のライヴだった】

――まずは、新曲「生きてて偉い」を披露した5月のライヴのお話から伺わせてください。大阪と東京の2公演、nuriéのステージ復帰となった日でしたけれども。

大角龍太朗 まず、この悲しみから前に進めていない人の背中を押せるようにっていう思いを込めて書いた曲なんですよね、「生きてて偉い」は。それは自分たちにも言えることでもあったし、その気持ちをやっと直接伝えることが出来た日だったなと。

廣瀬彩人 これはコロナ禍でも思いましたけど、ライヴが出来るっていうことが当たり前じゃないんだなって、改めて気づかされた部分も多くて。それこそ、≪bouquet≫ツアーとして大阪と東京でライヴが出来たことにまずは感謝っていうのと、来てくれたお客さんや周りで支えてくれている人たちに対しても、すごく感謝の気持ちを込めて1曲1曲演奏したライヴだったなっていう感想です、自分の中では。

染谷悠太 僕としては、待っていてくれる人がたくさんいたんやなっていうのが一番大きかったですね。そこに対してありがたいなっていう気持ちがあったのと、ライヴをやれて良かったとか楽しかったっていう気持ちはもちろんありつつ。ただ、やっぱり半年間ライヴをやっていなかったこともあって、ライヴを終えて自分らの中では課題点がいっぱいあったんですよ。いつまでも今の状況で足踏みしているわけにもいかないな、と。早く通常運転に持って行かないとあかんなっていう気持ちにもなりました。

――すでに課題を見つけつつ。悠太さんのおっしゃることって、しっかりと気持ちが前を向いている証拠ですよね。

大角龍太朗 僕自身も、待っていてくれる人がいて、ライヴが出来ることに対してはすごく幸せを噛みしめたし、「遂にステージに戻ってきた」っていう感情もありましたけど、やっぱりずっと横におった人がおらんっていう現実もあって。「自分自身がライヴに入り込めてたか?」って、結構俯瞰的に見てしまっていた部分もあるんですよね。でも、ちゃんと“今”を受け入れて、気持ちの整理として区切りをつけていく第一歩が≪bouquet≫のライヴだったと思います。nuriéにとって、ターニングポイントともなった日。

――私は東京公演を拝見させていただいたのですが、ラストの方で大角さんがおっしゃっていた“やひろさんのいない、悲しみのあるこの世の中を否定したくない”といった内容の言葉に救われた方も多かったんじゃないかなと思ったんですよね。しっかり受け入れて生きていく、というか。

大角龍太朗 そう、それはちゃんと伝えようと思っていました。考える時間はたくさんあったので、ステージに戻った時に提示しないといけないものは明確にして臨んでいたので。

――十分に伝わりましたよ。そして、まさに現状の想いを凝縮したとも言える「生きてて偉い」をラストに演奏して。

廣瀬彩人 やっぱり、そこが一番記憶に残っていますね。今の自分らの気持ちを、曲を通した自分らの形として伝えられて良かったなと思います。

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