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WEB3企画書|福島県の食品を販売するECサイトで、放射性物質の情報を見える化する

割引あり

2011年3月、東日本大震災が発生しました。このとき、震源地に近い福島県では原子力発電所が損傷し、放射性物質が原子力発電所外に漏れ出しました。

震災から10年以上が経った現在でも、福島県の農林水産物の価格は震災前の水準まで回復しておらず、輸入規制が続いています。
放射性物質の厳格な検査を経て安全が確認された食品のみが出荷されているにもかかわらず、情報の更新が進まず、偏見によって人気が低下してしまっています。

この問題はWEB3・NFTを活用することで、解決の糸口を作り出すことが可能です。
今回のnoteでは、福島県の問題を解決するため、福島県の現状分析から実際に企画を成立させるために「企画内容・ビジネスモデル・費用・条件に当てはまる補助金」等を洗い出し、実際に提出する企画書として使えるように執筆しています。

今後のWEB3 x 地方創生領域の企画の参考になれば幸いです。


福島県の現状分析

まずは現状分析から行い、福島県の抱えている課題と、福島県の求めている解決策を見つけます。福島県の出している政策の中で、特に福島県らしい課題を解決するための政策を探していきます!

今回取り上げる福島県の政策方針

福島県では、復興・再生の現状と課題として以下のように方針を決めています。

東日本大震災・原子力災害から 10 年が経過する中、県産農林水産物の価格が震災前水準まで回復していないことや県産農林水産物・食品の諸外国による輸入規制がいまだ継続されるなど、原子力災害による風評が根強く残っています。また、ALPS 処理水の海洋放出という方針を国が決定したことにより、更なる風評の懸念があります。そのため、国内外へ正確な情報やふくしまの今と魅力を粘り強く発信するとともに、特に影響が懸念される水産業を始め農林業や観光業・商工業に携わる皆さんが安心して事業継続できるよう取り組んでいく必要があります。

福島県総合計画(2022▶︎2030)

本文中にあるように、福島県では放射性物質の風評被害が根強く残っております。それによる農林水産物の価格水準低下など、実際に県全体への影響があることが問題視されています。

【風評被害の原因と対策】

風評被害の原因として、県では以下のように分析しています。

除染の取組等による空間線量率の大幅な低下や農林水産物の検査体制の確立など様々な取組の現状が正しく伝わっていないことに起因しています。

福島県総合計画(2022▶︎2030)

風評被害の主要な原因として、農林水産物に対する放射性物質の影響について、正しい情報が伝わらないことが指摘されています。
消費者の間では、身体への害などが懸念されており、放射性物質量が、他の地域の農林水産物と変わらないこと伝えていく必要があります。

また、対策については以下の通りです。

放射性物質対策の視点を組み入れたふくしま県GAP(FGAP)の推進やふくしま HACCPの導入促進とともに、 県北地方ならではのブランド力の強化に取り組み、食の安全の確保と風評払拭を図ります。

福島県総合計画(2022▶︎2030)

福島県ならではのブランド力の強化によって風評被害を払拭する方針としています。桃や米などの福島県の特産品が、いかに品質の良いものかを消費者に知ってもらうため、第一歩として風評被害の払拭から入るべきでしょう。

今回は、"風評被害の払拭"をブロックチェーンを用いることで促進することを考えていきます。

福島県の課題とソリューション

①福島県の抱えている課題

  1. 福島県では、水産物や農作物の価格は震災前と比較して低下しています。福島県総合計画では、震災前の価格と比較して桃の価格は94%、牛肉の価格は90%に留まっているとあり、生産者に大きな影響を与えています。

    価格の水準が戻らない原因の一つに、放射性物質の影響によって福島の農産物の売れ行きがあまり良くないというのがあります。そのため、消費者の方に福島県の農産物が安全だと理解してもらうことが必要です。

    まずは消費者の方に照射性物質の基準を下回っていることを知ってもらい、ちゃんと手に取ってもらうことで少しずつ水準を回復させることができるでしょう。

  2. 福島県では「放射性物質による健康被害」を懸念する風評被害が発生しています。そのため、消費者が直接放射線量を確認し、その数値に基づく危険性を判断してもらうことで、福島県産の製品が無害であることを実感してもらう必要があります。

②求められているソリューション

  1. 現在の問題として、食品の放射線量を簡単に閲覧できないことがあります。この課題に対応するため、販売時に放射線量を簡単にチェックできるシステムの導入が求められています。

  2. 売り手が「無害」と主張することに対して疑い、根拠を要求する人もいることが考えられます。そのため、購入者が自分の目で確認し、自ら判断できることが重要です。

福島県の予算と配分

福島県では、令和5年度福島県風評・風化対策関連事業として143億1681万1千円を予算としています。その中でも、今回のプロジェクトと関係のある事業の費用をご紹介します。

1.ふくしまプライド農林水産物販売力強化事業(オンラインストアによる販売促進)(令和5年度予算3億7469万6千円)
ウィズコロナの状況下においてもオンラインストアを活用することで積極的に販売棚を確保し、県産農林水産物が常に消費者の手が届く環境を拡大することで、国内マーケットにおける本県産品の地位の確立を図る。
○既存の民間オンラインストアと連携し、出店者の拡大を図りながら販売促進キャンペーンを実施

2.食品中の放射性物質対策事業(令和5年度予算6160万8千円)
飲料水及び加工食品の放射性物質検査体制を整備するとともに、県産食品を原材料とする加工食品の放射性物質検査を実施し、検査結果を県ホームページで公表する。また、東京電力福島原子力発電所事故の影響で減少した県産加工食品の輸出を回復・促進するため、輸出に際して障害となるHACCP 等の第三者認証の取得に対応するための施設整備等に係る費用を補助する。

3.ふくしまの恵み安全・安心推進事業(令和5年度予算3億6234万9千円)
風評対策のため、産地が行う農林水産物の放射性物質検査や放射性物質汚染防止対策など、総合的な安全確保の取組を支援するとともに、流通消費段階における安全情報の見える化(情報開示)を促進する。

今回の事業では以上の予算のうち、3の事業を中心にブロックチェーン上に記載する情報量や取り扱う商品によっては他の予算にも該当すると考えられます。

福島県では風評・風化対策関連事業として100億円以上の予算を確保しています。そのため、大きな企画でもサポートを受けられる気がしますね。


福島県がWEB3を活用できるポテンシャル

福島県を語る上で欠かせないのは、2011年に発生した東日本大震災の影響です。この災害では原子力発電所が破損し、放射性物質が福島県内に広がりました。
13年が経過した現在でも震災前の状況には戻っておらず、特に風評被害は深刻な問題として残っています。この課題に対する解決策として、福島県におけるWEB3の活用が大きな可能性を秘めていると考えられます。

風評被害に悩む人々の中には、「具体的な危険性が分からないけれど、念のため避けておこう」と考える方もいるかもしれません。これらの人々に対して、具体的な放射線量とその影響を提示することで、食品に危険性がないことを理解してもらうことが可能です。

ブロックチェーン技術を用いて食品の放射線量の提示をすることで、透明性の高いデータを購入者に届けることができます。改ざんの余地がない、信頼ができるデータというのは本課題を解決するのに最適です。


既存事業や類似事業の分析

【ふくしま市場】

公式HPより引用

ふくしま市場は、2011年10月にサービスが開始された、福島県で選りすぐりの県産品を取り扱うオンラインショップです。福島県内250の登録事業者による800商品以上を取り扱っており、福島県産商品の通販サイトとしては最大級の規模となっています。

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