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美術館で何をするのか

美術館。
私はそのむかし学芸員の課程を取っていたこともあり、美術館に行くことは普通な人間だ。(ほぼ理解されないので、職場では言わないが)

最近は面倒くさがりを発揮し足が遠のきがちだが、気になった展示があれば行くスタイルで年に3〜5回行く。
旅行に行けば、行き先にどんな美術館(博物館)があるかを事前に調べて、基本的に訪れるようにしている。

そんな私は昨日、横浜美術館へ行った。
パリにあるオランジュリー美術館の18−19世紀の作品を集めた企画展。
建物が改装中なので、それを利用して企画された展示だという。

私は数年前のパリ旅行で訪れたことはあったが、夕方に行ってしまったこともあり、目玉であるクロード・モネの『睡蓮』以外は駆け足で観ただけだった。
(モネの睡蓮に囲まれ、それを座って観れる素晴らしい空間がある。パリに行ったら必見)
そういうこともあり、良い機会なので行くことにした。



●「縦」の展示と「横」の展示
 私は企画展のテーマは大きく分けると二つに分けられると考えている。

一人のアーティストの作品を集めた「縦」の展示

その人の作品群を見ることで、ストーリーを知り作品への理解を深める。

対して

テーマに沿ってそれに合わせた作品を集めた「横」の展示

時代、主題、派閥、コレクションetc…テーマは様々あるが、知らない作品に出会えたりするので面白い。特にコレクションはコレクターの偏愛を感じることができて私はかなり楽しい。

3年前のビュールレコレクションの企画展

今回は「横」の企画展。“オランジュリー美術館”(所蔵館)の“18−19世紀”(時代)の“絵画”を集めたものだ。
ちなみにオランジュリーの絵画群は「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨームコレクション」と言われているものとのこと。
だからコレクションの意味合いもある。(実際はコレクションの印象は展示では少なかったが)

実際回ってみると、画家ごとになっていてそれぞれの違いが際立った展示構成だった。



●好きを知って、新しい好きと出会う
 さて、そんな「横」の展示で私が何をするかと言うと

好きな作品探し

である。
いたって普通。(だと思っている)
歴史が好きというより、作品を観るのが好きな人間なのでそういう見方になる。
(史学科卒だが昔からそんな感じ。もちろんキャプションはちゃんと読むし、時代背景も知るようにしているが)

作品を観て直感で「好き」を見つける。

「縦」の展示でも同じことをやるが、私は「横」の展示の方が面白い。
やはり、新しい「好き」の発見が多いからだ。
目に止まる作品を見つけた時は心がざわつく。
でもその瞬間はそれが何故なのかはわからない。

「なんとなく良いなぁ」の状態

ちょっと前まではここまでだった。
しかし最近は、目に止まった作品を覚えておいて、なるべく後で振り返るようにしている。

何故その作品なのか。
単純に目立つ作品だから、色が好き、構図が気になる、色んな要素がある。

これが好き → 何故なら◯◯だから

ここまでを自分なりに定義づけていく。

好き掘り下げていく。

これ、櫻田ラボでのワークの学びであり影響を受けまくっている。
趣味で好きな作品を観にいくのはもちろん良いのだが、こういった意識で観ると気づきがあり、思考が拡がる気がする。

あと、私は好きな作品がポストカード化されていれば買っておく。
展示されている全ての作品があるわけではないが、好きな作品を集めておけば見返せるし楽しい。

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家にあるポストカードたち

図録はよっぽど良かった展示会じゃないと買わないようにしている。
結構高いし、場所も取られるので。

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余談だが、この展示会ではミニ図録なるものがあった。
値段は手頃だったし洋書ぽい感じが良かった


たぶん鑑賞のやり方は人それぞれだと思う。

皆さんはどんな風に観られているのだろうか。

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