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余白をつくって投票する

モノにあふれた世界

最近、家にあるモノを半分にしたいと考えています。
服、鞄、靴、食器、昔の作品などなど、、、
その時は必要だったり、強烈に欲しい!と思ったモノ。
実家を出て十数年もたつとなんやかんや増えてくる。
もちろん思い出深いものをあるのだけれど、それよりも部屋をスッキリさせたい。

なんでそう思うようになったか。

なぜなら結局私の身体は一つなわけで、単純にそれに対してモノが多いから。
持っているモノたちはその時の瞬間的な興味や衝動を拾っていった結果なのですが、それらの中には今やこれからを考えた時に逆に荷物になってしまったモノがあるのではないかと思います。

モノを買うという行為(有形無形問わず)はある種の充足感を人にもたらします。そしてモノがあるという状況にも充足感はある。
みんな充足感を求めてモノを買うし、モノを作る側、それを広める側はその欲求を向けてもらうために働く。
そうして世の中にモノがあふれていくわけですが、はたしてそれは良いことなのか、ふと思うようになりました。

あふれた結果溺れていないか

このような考え方は在宅勤務が増えて家にいる時間が長くなったことで気になってきたように思います。
それまでは家にはほぼ朝と夜しかいない生活だったため、私は無意識に部屋を一番落ち着く場所にしていました。

私にとって落ち着く場所は=好きなモノが多い場所です。

そのためものが多くても全然気にしてなかったのですが、一日中家にいる日が何日も続くとその多さが逆に重く感じて来るようになりました。
要は部屋の大きさに対してモノが多いと息苦しく感じたのです。

やはり心も部屋も余白は必要だと。

購入は投票というスタンス

そんな風にモノを減らしたいと思うようになったのにはもう一つ理由があります。
買い物をもっと楽しくしたいのです。

必要だから、安いから、とかではなく

ここが好きだから、この人が作ったモノだから、などの方が買い物はワクワクする。

楽しい体験をしたい。ただそんな理由です。

単純に良いモノだけではなく、共感してモノを買う、
ALL YOURSの木村まさしさんがよく「購入は投票」言われていますが、まさにそのような感じで買いたいなと。

持ち物はそうして買ったものだけでいい。

だから余白をつくりたいのです。

ヘルシーな体験を増やす

「購入は投票」って買い物の本質だと思います。
選挙だって、ビジョンを語り、それに共感した人たちが投票するもの
(それが本来の姿だと思います)
「あれができる」、「これができる」から投票するもでは本来はない。
時代の変化を捉えながらも一本筋が通っているものに人は惹かれるものです。
「買わせる」ための聞こえの良い言葉は、いつか見透かされます。
それよりもビジョンとそれを体現したモノをしっかり伝えて、それを購入(投票)する。
その方がムダがなくヘルシーな体験だと思うのです。

これだけネットやSNSが拡がった世界なら、もっとヘルシーな体験を増やせるはず。
そんなことを考えながら、モノを減らしつつ買い物を楽しみたいと思います。


ちなみに、本は別腹です。

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これからのものづくりを知る本

今回お話したことを考えるきっかけになった本を紹介します。

『ALL YOURS Magazine vol,1』木村まさし

文中でも触れたALL YOURSの木村まさしさんによる初の書籍。
木村さんの想いが詰まった熱い本です。
全面が帯になっていて20種類(=20名)近くの帯があるのも面白い。

『すこやかな服』マールコウサカ

作れる分だけ作って売り切る。着る人に高揚感を与える服を作るブランド「fourfour」のビジョンが詰まった本。
大量生産ではない、ものづくりのあるべき姿を目指す筆者の想いをぜひ感じてください。
『ALL YOURS Magazine vol,1』の帯でも書かれているようにコンセプトは違う二つのブランドですが、共通点は多いことも合わせて読むとわかります。

『コンテクストデザイン』渡邉康太郎

「強い文脈」と「弱い文脈」がこの本のキーワード。
この文章も先の2つのブランドの「強い文脈」に共感し「弱い文脈」を感じて書いています。
高性能、高機能だけでは売れない時代に、人々が動くきっかけを作るヒントがここに。



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