気づきはいつも突然に(写真が好きという話)
愛着を持つとなんやかんや理由をつけたがる
最近また写真を撮り始めました。
数年前までは外に出る時は常にフィルムカメラを持って写真を撮っていましたが、どんどん上がるフィルムの値段に辟易し、趣味で続けるにはお値段がなぁ。。。と思い始めたら撮らなくなってしまいました。
じゃあデジタルに移行すれば良いだけの話じゃないかと思われるかと思いますが、これが中々そうはいかなかった。
一番撮っていた頃の写真。この時はどこへ行くにもカメラを持って行ってた。
フィルムとデジタルだとリズムが全然違うんです。フイルムカメラの
フィルムを入れる→撮る→現像にだす→撮ったものを見る
という工程に対して、デジタルだと
撮る→撮ったものを見る
だけ。
この「すぐ見れる」に慣れなかった。
じゃあスマホのカメラでええやんって感じです。
なのでまあスマホ便利だし、フィルムカメラはエライお金かかる趣味になってしまったし、と言って遠のいていました。
確かに記録するだけならスマホで十分ですよね。
ですが先日友人に誘われて写真を撮りに散歩にいってみたら気づいたんです。
私が写真を撮っていた理由に。
人には人のコミュニケーション
その日は暖かくて、ただただブラブラ待ちや公園を歩いて写真を撮っただけ。
で、その場で写真を見たりしてワイワイ話す。
その日は縁あって譲ってもらったデジイチを初めて持ち出したのですが、全然楽しかった。
スマホのカメラでええやん
とか言ってた人間が楽しかったんですよ。
操作はまだ慣れないけど、少しつかめてきた。
三月の頭ですが井の頭公園に桜が咲いていました。
そういうことがあって気づいたわけです。
写真を撮ることはもちろん好きなんだけど、私にとってそれが一番じゃない。
撮ること、撮ったものを見せること、人の写真を見ること。
そして写真について会話をする。
私にとって写真はコミュニケーションをするための装置だったんだと。
今もこうやって文章を書いていますがなかなか筆は進まないし、絵で表現も上手くない。ましてや話すことは今でも苦手。(営業ですが)
何かを表現するのに私にとっては写真が一番やりやすい。
そういえば、そんなことをぼんやり思いながら写真を始めた気もします。
スマホで気軽にスナップするのではなく、しっかり写真を撮っていく。
記録じゃなくてしっかり記憶を切り取る。
それが私にとって楽しいし必要なことだった。
そんなふうに思ったわけです。
昔から離れても好きかどうかって大事だと思っていましたが、
まさか写真もそうだとは思っていなかったので驚きです。
道具にこだわるんじゃくて自然に気の向くまま写真を撮る。
そんな態度で自分のペースで付き合っていければと思います。
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写真がイイ本
『発酵する日本』小倉ヒラク
発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが発酵食品を求めて日本全国を旅して回った時に撮られた写真たち。内容の濃さ、写真の良さ、藤原印刷さんによる心刷。全てがこだわり抜かれた作品たち。
旅をまとめた『日本発酵紀行』を合わせて読むとさらに面白いです。
『そんなふう』川内倫子
フォトグラファーの川内倫子さんによるエッセイ。お子さんが産まれ成長する様子と生活の変化について丁寧な文章で記されています。
挿入されている日常を切り取った写真が文章に立体感を与え、読んでいると読者自身の生活と照らし合わせるような瞬間が訪れます。
いただいたサポートは次の話を書くための書籍の購入に充てさせていただきます! 本と本がつながる瞬間を増やしていきたいです。