イニシェリン島の精霊


イニシェリン島の精霊/マーティン・マクドナー

第80回ゴールデングローブ賞では脚本賞、作品賞、主演男優賞を受賞したという、評価の高い作品である。
ということで、事前調査はせぬまま映画館で鑑賞してきました。

舞台は1920年代アイルランド。
二人のおっさんがパブで「お前はつまらない奴だからもう口をきかない」という、いかにもアイルランドのパブでありそうなどうしようもない話で、
なかなか笑える場面も多くあるのだが、
後半から急に皮肉の効いたホラーな展開へ。

最後まで観ると、当時のアイルランド内戦(宗教対立)の暗喩というのがわかるのだが、パブ、魔女、ど田舎の大自然、娯楽のない土地での人間関係等、いかにもイギリスな要素が詰まったシニカルな作品である。

もっとどぎついアイルランド訛りの英語が聞きたかったということだけは少し物足りなかったけど、全体的にめちゃくちゃ難しい映画にはせず、
このくらいの表現でわかってくれるよね?というバランスが絶妙であった。

たくさんの栄えある賞を受賞した「スリー・ビルボード」の監督の作品だけある。
非常にセンスがいい。

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