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『ハイキュー!!』×V.LEAGUE ALLSTAR SPECIAL MATCH "THE VOLLEYBALL"<DAY2>まとめ

※この記事は2022年8月16日に作成されたものです
※ヘッダーの写真は本イベントには関係ありません
※『ハイキュー‼︎』最終章のネタバレを含みます

祭り、完。

2022年4月にジャンプ本誌で発表されてから約4ヶ月。
全世界の『ハイキュー‼︎』およびバレーボールファンの注目を浴びたスペシャルイベント「『ハイキュー!!』× V.LEAGUE ALLSTAR SPECIAL MATCH "THE VOLLEYBALL"」が8月13〜14日、大田区総合体育館で開催された。

※4月の記事はこちら↓

アニメ声優陣と現役Vリーガーをゲストに迎えた13日<DAY1>の『ウォームアップイベント』に続き、14日<DAY2>はいよいよ『スペシャルマッチ』。
プロバレーボール選手として成長した日向や影山、及川や木兎たちと同じコートに立ち、そのプレースタイルや髪型を模した個性豊かなVリーガーらによる、豪華絢爛なエキシビジョンマッチが行われた。

その試合展開の面白さといい、選手やスタッフの熱意といい、VTRや会場設備にきめ細かく凝らされた仕掛けの完成度といい——
何より本イベントの発案者である日本バレーボール協会・黒尾鉄朗の圧倒的な企画力と人脈、“ネットを下げる”ためのひたむきな努力には、まさに脱帽である。

感動① 開演前CM

今回私はオンライン配信で楽しんだのだが、開場時間を過ぎ、配信映像の蓋絵が開くや否や興奮で白目を剥いた。
突如、画面いっぱいに広がるおにぎりの映像。
なごやかなBGMとナレーション。
映し出されたロゴは、“おにぎり宮”。
油断していた…
この“祭り”は試合開始を待たずして、もうすでに始まっているのだ。
『ハイキュー‼︎』本編でVリーガーとなった宮侑の、双子の片割れである宮治。
彼が始めたおにぎり屋のプロモーション映像(実写)が、実際のVリーグの開場時同様、ごく普通に開演前CMとして流れ始めたのである。
その後も東峰が勤めるデザイン会社『Zeal Dence』や、フランスのショコラティエ・天童が勤める『LIONCEAU』のショコラの広告など、懐かしい仲間たちの立派な仕事ぶりが垣間見える、なんとも微笑ましい映像だった。
しかし、もちろんこれだけではない。

感動② 場内アナウンス

画面が切り替わり、徐々に客入りする大田区総合体育館の客席が映し出される。
するとまもなく、聞き覚えのある声で場内アナウンスが入った。

“えっ、何ですか?誰…って?
え、こ…コヅケン?
いえ、違います。人違いです”

研磨〜〜〜〜!!!!!!
研磨が会場にいる〜〜〜〜!!!!!


音駒高校出身のセッターで、現在YouTuber兼プロゲーマーとして活躍する『KOZKEN』こと孤爪研磨。
彼が場内で、おそらく観客の誰かに声をかけられたのであろう。
人違いと偽って素っ気なく返事をする、相変わらずの人見知りに愛おしさが溢れて止まない。
その他にもお馴染みの『ハイキュー‼︎』メンバーたちが、本当に他愛もない雑談をしているのだ(場内アナウンスの全貌は『ハイキュー‼︎ 10thクロニクル』に掲載)。
もしも会場にいたら、このアナウンスを1パターンも聞き逃すまいと、たとえどんなにトイレに行きたくても座席から一歩も動かなかっただろう。
その点、アーカイブつきのオンライン配信は膀胱に優しいのでありがたい。

感動③ 選手たちのパフォーマンス

そしていよいよ試合開始。
特に注目を集めたのは、東京グレートベアーズ所属の手原紳選手扮する金髪の宮侑と、パナソニックパンサーズ所属・清水邦広選手扮する茶髪の宮治。
セッターの手原選手は自身のサーブ前、盛り上がる会場の歓声を手の合図でピタッと静止させていた(
自宅で1人静まりながら「侑や…」と胸を熱くさせる私)。
またスパイカーであるはずの清水選手がトスを上げ、セッターであるはずの手原選手がスパイクを打ち、宮兄弟の『双子速攻・裏』を完全再現。
だが惜しくもブロックに阻まれると、タイムアウトのベンチで清水選手が「俺のトスを打てへんやつはポンコツや!」と作中の名言を放って大盛り上がり。
その他、リザーブメンバーは烏野ベンチ同様のジェスチャー付きで1列に並び、「1本ナイッサー!!」と叫ぶ場面も見られた。

Vリーグファンとしては正直、試合が始まってしまえばなんやかんやでリーグ同様の展開なのかな、と思っていた。
しかし2セット先取のこのエキシビジョンマッチは、いつもより短い試合時間の中に、これでもかと言うほどたくさんの原作ネタやリスペクトが散りばめられているのである。
企画力に関しては黒尾のお手柄だが、サービス精神の多さ、リアルなプレーの中にそういったユーモアや遊びを作り出せるセンスは、プロとして日本のバレーボール界を担う選手たちの賜物だと思う。
そのパフォーマンス力の高さは、やはり「バレーボールの面白さをもっと知ってほしい!」という情熱の大きさに比例するのだろう。

まとめ

当初はどんなに頑張っても現地観戦チケットを手に入れられず、惜しい気持ちではあった。
しかし、会場に足を運んだ人たちの中に、1人でも多く“今シーズン初めてVリーグに足を運ぶことになる『ハイキュー‼︎』ファン”がいるのなら、それがこのイベントの1番の意義なのだ。
まだまだマスク生活は続いているが、2年前は叶わなかった有観客が、今年はちゃんと現実になった。
この先もひとつずつ、少しずつ、丁寧に。
『ハイキュー‼︎』を愛し、バレーボールを愛する私たちは、作品で学んだ多くのことを胸に刻みながら、“当たり前”が戻るその時のために、日々をちゃんと生きていきたい。

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