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「自分探しの旅」に行っても自分は見つからない

「自分探しの旅でインドに行ってくる」


一昔前はこんなフレーズを良く聞いた。
かくいう私も旅が大好きだった。


野球が本格的に始まり休みがなくなる小学4年生までは、親もそれなりに旅行に連れていってくれていた。
早朝に出発することもあり、ワクワクしたことを覚えている。


野球が本格的に始まると旅行は全然行けなくなった。
遠征で、県外も含め色々なところに行ったが、プレッシャーに駆られた試合をして帰るだけだったのでその度に「次は絶対遊びできてやる」と思ったものだ。


そんな経緯もあり、私は大人になってからは旅行に頻繁に行っていた。
その土地の景色を見て、その土地のものを食べる。
まあそれなりに楽しい。


しかし最近になって気づいたことがある。
旅行に行くが、何かが満たされないのである。


考えてみる。


旅行に行く。
旅行に行くが、旅行から帰ってきた時に何を考えているか。
帰ってきたらいつもの仕事が待っている。
仕事の気分転換も含めて旅行に行くのに、旅行から帰ってきたら「仕事嫌だなあ」と考えてしまう。
なんなら旅行中も、イヤな上司のことを考えてしまい落ち着かない。
それが嫌だからまたどこへ行こうか考える。


これって旅行に行く意味あるのだろうか。
旅行に行けば、楽しい時間ときれいな景色、そして自分の人生において何か「自分」というものを発見できると思っていた。


しかし、結局は仕事も含め「今の生活」を充実させることに力を入れた方が人生幸せになるのではないか。


コロナ禍でどこへも出掛けられない日が続いた。
そんな中だからこそ、その日の食事であったり、インテリアだったりを考えた。


次はどこにいこうかな
と考えるのではなく、

今、目の前にいる家族とどう楽しむか。
充実した時間を過ごすにはどうすれば良いか、そんなことを考える。
ささいなことだが、家の中でできる網焼き機を買った。
家族との食事の時間を充実させることはこれまででは正直、本格的には考えていなかったのかもしれない。


食事というのは重要で、初デートには絶対においしいご飯を食べた方が空気が良くなる。
それをディズニーなどに行くから殺伐とした空気になってしまう。
それほど人間にとって「食事」とは幸せを感じることと直結しているのだ。


「今日は何を食べようか」


「どこに行こうか」という「今日できないこと」より、今日できる「何を食べようか」ということに考えがシフトしたのだ。
「究極の目先」
とも言えるのだが、今目の前にカレーとラーメンがあるがどちらを食べれば自分は幸せになれるか。
そういうことを、常に自分の理由を持って選択することで幸せな未来は訪れる。
結局のところ、未来とは「今」の選択の積み重ねによってできるものだから、いくら「今度はあそこに行こう」と考えてもやってこないのである。


旅行というものに関してもうひとつ。
よく、「自分探しのためにインドに旅行に行きます」という人がいる。
まあインドに限らず海外に出かけるらしいが、あのーこんなことをしても決して「自分」は見つからない。


おそらくこれでインドに出かける人は、海外の色んな文化に触れることで、自分ってこんなことが好きだったんだ、とかこんな価値観もあるんだ、ということを吸収して自分ができること、やりたいことを見つけようとしている。
しかし。
「今」自分のことがわからないのに、急に「私は実はこれが好きだった。子ども時代から潜在的になっていたものがあった。」などど言っても見つかるわけがない。


私もいろんな場所に旅行に行ったり、「自分の好きなことを見つけるワーク」みたいなもの、ブレインストーミングみたいにどんどん興味あるものを連想していって自分の好きなことを見つけるものをやったが、いくらやっても見つからない。

見つかった、と思ってやっても一時的なだけで終わってしまう。

今ないのだから見つけられるわけがない。

だから自分の好きなことであったり、やりがいを感じることはこれから

「作っていく」

しかないのである。

旅行も、非日常を感じられるがまずは日常を充実させることに注力した方が良い。

では自分の好きなことであったり、やりがいを感じることを作るにはどうしたら良いか?

ここに「104%理論」というものがある。

例えば、

100mを平均10秒で走る人がいる(相当早い)。

その人に、100mを

「20秒で走って」

と言ったら簡単すぎてやる気がなくなるだろう。

しかし「9秒台で走って」

と言ったらどうか。

頑張ればいけるかもしれない。

でもれもしかしたらムリかもしれない。

これが104%理論で、人間は自分ができることの少し上のことをやろうとするときに一番集中力が出るということ。

この集中力が出ている状態を

「エネルゲイア状態」

という。

だから、やりがいを感じることは自分の「好きなこと」とは限らない。

私でいえば、最近見つけたエネルゲイア状態として

「子育て」

がある。

どんなに仕事に疲れて帰っても、夜に寝室で子どもにミルクをあげながら寝かしつけていると無限に体力が湧いてくるのだ。

こういう状態が長ければ、人間は「やりがい」というものを感じ、人生に幸せを感じる。

だから、やりがいを感じることを見つけるには、この

・104%チャレンジしたいものをやってみる

・新しい人と出会う

など私がこれまで気づいたもの、聞いたものはこのような例があげられる。

ぜひ、何をしたら良いかわからない、人生にやりがいを感じたいと思っている方、参考にしてください。

決して自分探しでインドに行かないでください。

もしそこで自分が見つかった人はもともとあなたのそれまでの人生においてそれがあったということで、インドで見つかったものではありません。

P.S

なんかインドをディスってる記事みたいになってしまったが決してそうではないことをご承知おき願いたいです笑


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