今は"帯に短し襷に長し"? :: Apple M1 ::
ターゲットの見えない新Macのラインナップ
昨日('20/11/10)、ARM版Macが発表された。
ARM版Macにまず期待していたのはコストパフォーマンスで、MacBook Airの下位モデルが¥79,800位なら即決するつもりだったが、想定よりも¥30,000近く高かった。
その分、想定よりずっと高いパフォーマンスのSoCが登場したわけだが、如何せん、その性能が中途半端に感じる。
今回のラインナップならば、Macソフトウェア開発者、もしくはそれを活かしたソフトにいち早くタッチしたい人でない限り、まだ在庫の残っているであろう旧モデルの購入をオススメする。
学生、ビジネスマン向け: 高いグラフィック機能が余計
想定する用途は下記の通り
- Officeで文章作成
- Pythonで簡単なプログラム
- Webアプリ利用
- Webアプリ作成
これらを行うのに、必要以上のグラフィック性能は要らない。
グラフィック性能が最も活かせる分野は据え置きゲームであるが、Apple自身が面白いゲームを作らない限り、Windowsプラットフォームもしくは任天堂プラットフォームにMacプラットフォームが割って入ることは不可能なので、今回のラインナップ向けで開発したのであれば、グラフィック性能は、思い切って削り、その分価格を下げても良かったのでは?と感じる。
クリエイター向け: メイン、グラフィック含めメモリ上限が厳しい
上限16Gバイトは、クリエイター向けとしては厳しい。SoCにメモリまで入れることでパフォーマンスを引き出す、という技術的判断は間違ってはいないが、メモリがあればあるだけ快適に動かせる今のクリエイター向けソフトウェアの作りにマッチしていない。
「最新Macに搭載されるM1チップとは何なのか。その謎を紐解いてみる (本田雅一)」でも言及されていたが、Appleもそれを理解してでの、下位ラインナップからの更新なのだろう。
求められるハードウェアアーキテクチャ、OSそしてアプリの進化
Appleは、今後もCPU+GPU+メモリのSoC"Mx"を開発しつづけるだろう。
iPadと価格帯が被るため、発売されないと推測するが、学生、ビジネスマン向けにCPU、グラフィック性能を落とした"Macbook"を作ることは技術的には難しくないと想像する。
問題は、ハイエンドである。今の常識で、クリエイター向けのSoCを開発することは不可能だろう。
であれば、常識を変えるしかない。
パッと思い浮かぶのが、"Mx"を一つの個体に複数載せる、もしくは、複数のMacをThunderbolt等で接続して、一つのコンピュータに見せる方式だ。
例えば、ThunderboltでMacを繋いだ分だけ使えるau effect、 au instrumentが増やせるMac OS+Logicが開発されたら、それだけでも今使っているWindows+Cubaseから乗り換えてでも使ってみたいと思わせる魅力が出てくる。
ハードウェアからOS、そしてクリエイター向けアプリケーションまでを自社開発している企業の今後の次の挑戦に期待したい。
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