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ウェルビーイングと私 ~ 女性のLifeとキャリアを支える健やか食事学「笑食健美」プログラム開発に寄せて きょうこ

こんにちは。大平恭子(おおだいらきょうこ)です。私は広告代理店でキャリアを積んだ後、マーケティング企画会社役員を経て、2008年1月にブランドストーリーという屋号で独立しました。ミッションは「食を通じて人と地域を活性」。2009年野菜ソムリエ資格の最高峰である野菜ソムリエ上級プロ(当時東北で2人、全国で20人)になったこともあり、食と農のマーケティング領域に特化し、全国の生産者・生産団体、食品事業者・メーカー、自治体を対象に食の開発やPR、6次化等の新規事業支援の仕事をして現在に至っています。また料理家の側面もあり、農産物普及や野菜から始まる健康啓蒙のための料理教室やレシピ開発も行い、それが強みのひとつとなっています。

 普段はこのように、産業経済界の枠組みの中で、食や農の付加価値化や地域のイノベーションに関わっており、全体システムから見ると「フードバリューチェーン」の一員でそれなりの充実感があるのですが、やり残したら「絶対後悔する」と思っていることがひとつあります。それは、「人の健やかさ」を真ん中においた食のパーソナル化と地域農業との連携。その視点は、food for Wellbeing です。

 「食は命」「人は食べ物でできている」は紛れもない事実なのですが、経済性・効率性を重視した社会経済の中では、「人にとって健やかなもの」が必ずしも中心ではありません。また、例えばオーガニックのものを取り入れたにしても、その人の体や心がストレスにさらされていたら、上手く栄養の吸収代謝ができないのは容易に想像できると思います。

マクロ的に見ると人の働き方や生き方はどうでしょうか?データが示すように日本人の幸福度は各国と比べて低く、厚労省の調査データでは、健康長寿やそのための疾病予防が叫ばれ対策が講じられているにも関わらず、医療費は増加し続けています。

 この社会的課題に対し、経済産業界では極端にいうと、個々人のデータをもとに全てAIで食の最適化を図る技術開発やサービスが一般化していくと考えています。分かりやすい例でいうと、誰でも美味しくできる「レシピ調理家電」や、管理栄養士が提供する「冷凍総菜やバランス弁当」のサブスクなど、個人が煩わしく考えたり、調理のための身体機能を使わないサービスの一般化です。しかしながら、私が自分の置かれたポジションや強みの中でやり遂げたいのは、そういうことではありません。私が自分に課した使命とは、人を真ん中に置き「たった一人のための健やかさ」を深耕し、そのきっかけを提供することであり、「食や料理を通じて『自分を慈しむ自分』を手に入れ、自己肯定感の高い、そのままで美しい人」を増やす事。料理にありがちな、「ちゃんとやらなきゃだめ」といった思い込みを外し、がんばらなくても心地よい食と心の習慣を浸透させていきたいと考えています。

 内容的には、「腸脳相関」に基づく栄養学と心理学を基本に、押さえたい食材選びのポイント、頑張るのではなく自分を慈しむための調理法や家庭料理へと展開する「食事学」のプログラムです。もちろんそこでも野菜果物は重要な役割を果たします。また、そのコンセプト及びプログラム名は「笑食健美(しょうしょくけんび)」とし、現在商標出願中です。主たるターゲットは働く女性。事業者としては既に中小企業庁の事業採択を受け、現在その開発とリリース準備に追われています。

 ここまで自分なりに進めることができたのは、『ウェルビーイング大学』の存在と前野先生が提唱する「幸せの4因子」のおかげです。2020年5月の入学時のプロフィールシートに記した通り、このプログラム開発をひとつの目的にしていましたが、実際どうやったらいいかわかりませんでした。その中で月一回授業と研究発表の日があり、その機会を使って、約半年ごとに自分の進捗を発表することを目標としました。オンラインということもあり、実際の反応はよく把握できなかったというのが実情ですが、「誰かが聞いてくれている」と信じることができたのも、幸せの4因子(ウェルビーイングダイアローグカード)を自ら実践していったおかげだと思っています。全ての事に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます。


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