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柳宗悦とウィリアム・モリス

柳宗悦とウィリアム・モリス。時代も国も異なる二人だが、工芸に対する美意識は驚くほど共鳴している。

柳宗悦は、民藝運動の創始者として知られる。彼は、江戸時代の庶民の暮らしの中で生まれた手仕事の道具や器に美を見出し、「用の美」という概念を提唱した。

一方、ウィリアム・モリスは、イギリスのヴィクトリア朝時代に活躍したデザイナーである。彼は、産業革命によって失われた手仕事の美しさを取り戻そうと、アーツ・アンド・クラフツ運動を推進した。

生活の中に潜む美:用の美と手仕事の喜び

柳宗悦とウィリアム・モリスは、どちらも生活の中にこそ真の美が存在すると考えていた。

柳宗悦は、民藝品と呼ばれる古道具を単なる骨董品ではなく、生活の中で使われてきた道具として捉えた。そして、その素朴な美しさの中に、人間の暮らしの知恵と温かさを見出した。

ウィリアム・モリスは、機械生産によって作られた大量生産品を嫌い、手仕事による工芸品を推奨した。彼は、手仕事の喜びこそが、真の美を生み出す源泉であると信じていた。

異なる時代、共通する精神:美意識の融合

柳宗悦とウィリアム・モリスは、異なる時代背景の中で活動したが、その美意識は驚くほど共通している。

二人は、どちらも生活の中にこそ真の美が存在すると考え、手仕事の大切さを訴えた。そして、大量生産品ではなく、手仕事による工芸品に美を見出した。

彼らの思想は、現代社会においても大きな意味を持つ。大量生産品に溢れた現代社会だからこそ、柳宗悦とウィリアム・モリスの美意識は、私たちに新たな視点を与えてくれる。

現代における柳宗悦とウィリアム・モリス:美意識の継承

柳宗悦とウィリアム・モリスの美意識は、現代社会においてどのように継承していくことができるだろうか。

一つは、手仕事による工芸品の価値を見直すことである。大量生産品に慣れ親しんだ現代人にとって、手仕事による工芸品の価値は忘れられがちである。しかし、柳宗悦とウィリアム・モリスが示したように、手仕事による工芸品には、大量生産品にはない独特の美しさがある。

もう一つは、生活の中に美を見出すことである。柳宗悦とウィリアム・モリスは、生活の中にこそ真の美が存在すると考えていた。彼らの思想を参考に、日々の暮らしの中で美を見出す目を養うことが大切である。


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