vol.36 (特別対談②)千葉大ラクロス部から見たアンザイワタル 【宇野 大至】【金谷 洸希】【齊藤 優亜】【福島 裕樹】

<特別対談企画第2弾として、千葉大ラクロス部OB・現役の宇野さん、金谷さん、齊藤さん、福島さんとの対談をさせていただきました。
千葉大ラクロス部でのワタルさんについて、この4年間ワタルさんと一緒に過ごされた4人を聞いてみました!>

参加メンバー
宇野 大至:2016 4年生 2017・2018 HC
金谷 洸希:2018 主将
齊藤 優亜:2018 副将 2019 AC
福島 裕樹:2019 主将

聞き手
平松 匠太

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(左:平松、右:齊藤)


まずは千葉大ラクロス部のイベントから

平松
ワタルさんが千葉大ラクロス部にもたらした変化はありますか?

宇野
ワタルさんがもたらした変化は、まずは部活の決起会や打上げといった「イベント」の文化です。

一同
完全にそうっすね……。

宇野
その前までの千葉大は、ただ騒ぐことが目的のイベントをしていました。

金谷
謙志さんの1代下の学年が、幹部のエネルギーを使い果たさせて次の日の練習を無くそうというイベントを企画してて、逆にターゲットの謙志さんに返り討ちにあってたことがありましたね(笑)

宇野
そんな千葉大だったのですが、ワタルさんの働きかけでイベントもチーム作りに使う文化ができました。昔はただ騒ぐだけだったけど、ラクロスについて真剣に話す機会になった。

金谷
当時は違和感はありましたけど、今は自然とラクロスの話が出るようになりましたね。ラクロスの話で場が熱くなって、最後は泣くヤツも出てきた。
……といいつつ、ワタルさんも僕らもイベントでの千葉大の良さもちゃんと残すようにしていて、例えば「放送席」とかは今でも面白いコーナーです。

平松
「放送席」って何ですか?

金谷
「放送席」のコールが入ると、レポーターの部員が色々なテーブルに行って、そこで暴露話が始まるという……。

平松
そのコールは初めて聞いた(笑)
千葉大のイベントは色々やらかすということは薄々聞いていたけど……。

齊藤
僕らがやらかすのは相変わらずですが、ワタルさんが持ち込んだ文化も結構やらかしてますよ。「インディ・ジョーンズ」とか。

平松
「インディ・ジョーンズ」?

「インディ・ジョーンズ」の詳細は諸事情により割愛

齊藤
ワタルさんに「インディ・ジョーンズ」をやると反撃されます。

平松
そのコーナー、なんで「インディ・ジョーンズ」って呼ばれているの?

金谷
「♪タータラッター タータラー」って「インディ・ジョーンズ」のテーマを歌ってやるからという安直な理由です(笑)

齊藤
千葉大のイベントでは東大のBlue Bulletsコールが発生してワタルさんがターゲットになるけど、当の東大にはそういうコールはないの?

金谷
そりゃないだろ、全員がターゲットになるやん……。

一同 (笑)

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(左:宇野、中央:金谷、右:福島)


千葉大ラクロス部でのワタルさんの役割

平松
飲み会以外で変わったことはありますか?

金谷
俺とか優亜は入部した年からワタルさんがいたから、今ひとつチームが変化したことに対する実感がないのが事実なんだよね。

齊藤(優亜)
ちょっとずつコーチ層が厚くなっていって、ラクロスのコーチングをしっかり受けられるようになったことはありがたいと思っています。

平松
ちなみにワタルさんは、チームの中でどういった役割を担っていますか?

宇野
「名目上は」GMですが、実際はチーム運営全般をサポートしてくれています。僕が4年目のときからチームに関わってくれていましたが、僕がヘッドコーチ1・2年目のときもほぼワタルさんに助けていただきながらチーム運営をしていました。
これまでワタルさんを近くで見てきて、「人に関わろうとする」エネルギーは本当にすごいと思いました。僕は本当に人見知りで、誰か人と会う約束をしたり何か大切な話をする時点で疲れてしまうのに、ワタルさんは僕の何倍も人と関わる動きをしていて、そこに対するエネルギーが無限。

福島
今年は自分が千葉大ラクロス部の主将をやっていますが、チーム運営について疑問が湧いたらすぐワタルさんに相談して、たくさんコミュニケーションをとらせていただいています。この先どうすれば良いかわからない状況に陥ったときでも、諦めずに僕らと一緒に最善策を考えてくれることは本当にありがたいです。

金谷
去年は自分が主将としてワタルさんと話す機会がメチャクチャ多かったから、それをまとめようと思っても超難しい!
ワタルさんがとにかく「何でも屋」すぎて、チームの中の四方八方、起きる全てのことについて一緒に議論していました。

平松
今まで、一番大きな出来事としては何があるでしょう?

齊藤
正直、去年(2018年)よりは一昨年(2017年)の方が僕らにとっては大きいインパクトがありました。チームが全然機能せず、幹部やスローガンが変わって……。

金谷
俺も優亜も途中から幹部になり、3年生からチームの中心でワタルさんを見ていて、「チーム運営について、どう考えてどう動けばいいか?」を学ぶことが出来た。そのおかげで、4年生になったときにチーム運営で困ったことは少なかったと思います。

齊藤(優亜)
ヒロキはOFリーダーとして3年生幹部のときから活躍していた一方、僕は3年生のときは「いるだけ幹部」になってしまったけれど、それでもチーム全体の動きをコアメンバーとして見ることが出来たのはいい経験でした。

金谷(ヒロキ)
思い返せば3年生のときは、チームが崖っぷちで「自分がなんとかしなければ」という感覚を持ちながら幹部をしていた。そのマインドも自分が成長できた原動力かもしれない。

福島
今年のチームも引き続き人数は少なくて、一人一人がチーム運営まで考えて、「自分がやらなくては」という思いでラクロスをしていると思う。
逆にGMであるワタルさんも、本当に部員一人一人が「自分がやらなくては」という思いで部活に取り組んでいるかという点については、とても敏感に見てくれています。

宇野
3年生の時から「自分がやらなくては」というマインドでチーム運営に関わる教育をしてもらえることは、千葉大が継続的に強くなる文化を得られるとても大きい前進だと思う。
去年からは、GMとしてのワタルさんがいなくても自然とチームが強くなるための仕組みも設定し始めました。例えば、幹部ミーティングを他の選手にもオープンにする、等々。

金谷
幹部ミーティングで、ワタルさんから他の選手にコメントを求めたりということもありますよね。

齊藤
発信だけではなく、ワタルさんはコミュニケーションにおけるレスポンスにも厳しい。誰かが言ったことに対して、仲間がしっかり反応することをとても大事にしていたと思う。
「全くレスポンスしていないことは、そのことに何も考えていないことと同じ」と言われていて、納得させられました。

宇野
確かにレスポンスはメチャクチャ大事にしていたね。
俺が現役のときも、例えば平日の朝に主務から重大な連絡が流れてもそれに誰も返信しないと、夕方くらいにワタルさんからその点について長文で指摘される、みたいなことが頻繁にあった。

金谷
その長文LINE、ふと気づいたら
「わたる:この状況ってどういうこと???」
みたいな感じで始まりますよね。

齊藤
僕の代は人数が少ない上にみんながチームに積極的に発信するタイプではないけど、そんなワタルさんの教えの積み重ねで、仲間の言うことに対して細かく気を使う習慣が出来たと思う。

金谷
とかいいつつ、ワタルさんのポイントを押さえるのが一番上手いのが優亜だからな……。

齊藤(優亜)
そうかな?(笑)
自分としての大事なワタルポイントは、時間がなかったり考えがまとまってなくとも、「レスポンスできないこと」をレスポンスすること。「時間がなくてしっかり答えられないので、また後で返信します」みたいな感じですね。

一同
それは大事!

福島
幹部や他のメンバーを触発して、色々な方面から色々な方法でチームを活発にするのがワタルさんは上手いです。

金谷
その意味で俺がありがたいと感じているのは、俺は去年主将だったのにチーム運営が苦手だったから、運営自体は優亜とか得意なメンバーに任せてくれて、なるべく俺をラクロスに集中させてくれたこと。チームのメンバーを適材適所に配置して、各人のエネルギーを最大限発揮させてくれる。

福島
逆に今年のチームは僕がチーム運営担当で、他のメンバーを最大限ラクロスに集中してもらうという体制になっていますね。

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今とこれからの千葉大ラクロス部への思い

平松
今の千葉大、そしてこれからの千葉大についての思いはありますか?

金谷
これまで5年間の千葉大ラクロス部を見てきて、これからのチームについて思うところは、ラクロスに対する貪欲さを失って欲しくないということ。
ワタルさんがGMになって1年目、僕がまだ下級生のときの千葉大は何もチームの体制が整備されておらず、がむしゃらにラクロスをやっていたけど、ワタルさんが4年間GMを務めて徐々にチームが整備されてきて、逆にラクロスへのハングリーさが失われてしまったのではないかという懸念もあります。

宇野
実は俺も同感です。昔の謙志のブログがまさにその思いを表していて、俺も最近読み直してしまった。
昔は不安定なチーム運営だったけど、ラクロスに対する情熱だけは半端なかったと思う。とにかくハングリーに、エネルギッシュに、という姿勢が「千葉大らしさ」と言われていた。だけどこの数年で体制が整っていくにつれて、そのラクロスに対する熱が恵まれた環境の中で徐々に失われている気もする。

金谷
グラウンドに行ってテルさんと一緒にシュー練する、という文化が俺が下級生のときはあったけど、最近はそういうこともない気もする。今の千葉大は2部の時代を知らないし、危機意識の薄さは仕方ないかもしれない。
俺もずっと感じているけど、チーム体制の安定とラクロスへの情熱のバランスを取ることは本当に難しいと感じています。

宇野
「今の千葉大ラクロス部の方向性が本当に千葉大ラクロス部にとってあるべき姿なのか」という観点で常に自問自答していて、ワタルさんともずっと共有しています。

平松
僕らが3年生でリーグ戦で敗退したときも似たような状況でした。「もしかしたら自分たちの実力が低く、負けるかもしれない」という危機感に欠けていて、Final4には自然と進出できるものだと思っていたら、ラクロスの実力がしっかり上がる前にリーグ敗退してしまった。だからこそ4年生のときには相当危機意識が高くシーズンを過ごせたということもあるけれど……。

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ワタルさんがチームにもたらした言葉

宇野
ワタルさんの影響は「チームに『ワード』をもたらした」こともあると思います。しっかりとチームで共通の認識を形成するために、「全員のイメージを一つにできる言葉を使うこと」の大切さを学んだ。

平松
なるほど、例えばどんな言葉がありますか?

金谷
「B面」!

編注:クロスの裏側の面のこと

齊藤
「ファイヤー」か「サンダー」かどっちか!

金谷
ワタルさんは「サンダー」として言葉を教えてくれたけど、東大と同じ言葉にしたくないという変な悪あがきで最終的に「ファイヤー」になりました。

平松
「サンダー」って、オフェンスでアジェのオフボールが離れる動き?

宇野
そう、そしてその「アジェ」もワタルさんから輸入されました。

編注:ラクロスのオフェンスにおいて、自分の隣でプレーしている選手のこと。"adjacent"より

金谷
あと「クカクスポ」!

千葉大一同
ク カ ク ス ポ !(笑)

編注:クロスアップ、会話、首振り、スタンス、ポジショニング。ゾーンディフェンスにおいてDFが意識すべきポイント

金谷
「クカクスポ」は、ワタルさんではなく松下さんが導入してくれました。

宇野
全然浸透していなかったけどな、「クカクスポ」。

金谷
実はまだ現役で使ってるヤツがいて、練習中にブツブツ唱えてますよ。
「クカクスポ……クカクスポ……」って言いながらプレーしてます。

平松
ちなみに東大ではもはや風化しています。

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宇野
とにかく、ちゃんと概念に名前をつけることが大事ということですね。コミュニケーションもスピード感が出るし。

平松
逆にワタルさんが千葉大に来る前はどういう風にそうした概念を伝えていたんですか?

金谷
そもそも「そういった概念を共有すべきだ」という意識がチームになかった気がします。練習や試合の反省でも、「このシーンではあっちに動いた方がいいよ〜」みたいな感じで、再現性なくわざわざ一回一回説明していました……。

宇野
そういう、意識に残る言葉をチームに残してくれたからこそ、ワタルさんを思い出すシーンが多いことにつながっていると思っています。
例えば「ヒロキ付き×××」とかも。

金谷(ヒロキ)
それはね、全然良くない言葉だね。

平松
「ヒロキ付き×××」ってどういう意味?

齊藤
つまるところ、ヒロキは付属物、×××が本体。

金谷
ちなみにウディさんからは、僕は「頭の悪い品川」と定義されました。

編注:ウディ=Blue Bullets 2014/現Falcons、品川=Blue Bullets 2016 主将

一同
頭の悪い品川!(笑)

宇野
ワタルさんはそうやって言葉のセンスが的確だし、仮にその瞬間は「ん、どういうこと?」って周りが変に感じてもずっと言い続けるので、だんだんチームに浸透してくる。

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ワタルさんから受け取ったMeme

平松
最後に、ワタルさんから学んだMemeを教えてください。

金谷
「自分の軸を持つことの大切さ」。自分が今どうしたいか、将来どうなりたいかをしっかり自分の中で強いイメージを持つことが、チームを引っ張っていく上でも大切だと学んだ。その軸があれば、自分を信じて仲間にアプローチすることができる。

宇野
「価値観は両立できる」ということ。これは僕が現役を引退した後、コーチとしてワタルさんとチーム運営をする時に御茶ノ水で飲みながら良く話してもらったことです。
人と人との価値観が違うことは当然のことで、まずはお互いの価値観を認め合うことが第一。その上で2つの異なる価値観を両立できる方向性を探すこと。そうすれば、自分が納得した上で他人と分かり合えるし、また他人の価値観のおかげで更に自分の幅も広げていける。
そして、それが今の自分の「軸」にもなっている、と。

金谷
うんうん。「自分の軸」、大事よ大事。

一同 (笑)

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齊藤
僕が学んだワタルさんのMemeは、「見返りを求めずに誰かに与えることの大切さ」。ワタルさんへのnoteに書いている人も多かったけど、Takeすることを求めないで、Giveをし続けることを意識するだけで、人として魅力的な生き方になると思う。今年、コーチとして選手にGiveしてみて、また改めてワタルさんや松下さん、上野さんを近くで見ていて、一層「与える」ことの大切さを感じました。

福島
「自分の言葉で相手に伝えることが大事だということ」。特に今年主将になってワタルさんに言われたことだけれど、仲間に話したいことがあったら、それを飲み込まないでその場でしっかり話すことは、特にリーダーとしてとても大事だとわかった。
ワタルさんの他人と関わる姿勢は、自分にとってのお手本です。大事な話をするときに僕を食事に連れて行ってくれることもあるから、「何でそんなに自分たちにお金をかけてくれるのか」を聞いてみたことがあるけど、
「俺にとっても良い時間を過ごさせてくれたから、俺はその時間にお金を払っているんだ」と返されて言葉を失いました。

金谷
その返し、デートで使えるな。
俺の場合は、お金じゃなくて×××で払うことになりそうだけど……。

一同 (笑)


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宇野大至/Taishi Uno

・プロフィール
千葉大ラクロス部22期(東大だと29期) #77
2017〜2018 HC
現在樋浦さんの会社の歩兵

・ワタルさんとの初めての出会い
2015年、千葉大の雨の日の自主練に、ハムさんが連れてきたのがワタルさん。第一印象は、「ラクロスがめちゃめちゃ下手なおじさん」。

・ワタルさんとの一番の思い出
僕の一方的な思い出でいうと2017年TOKYO TOWER@鹿島の×××。
2人の思い出でいうと2018年ゴールデンウィークの弾丸沖縄旅行です。

・ワタルさんに一言
ワタルさんが先に亡くなってしまうと色々と困ります!笑
科学の力で健康でいてください!


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金谷洸希/Hiroki Kanaya

・プロフィール
千葉大ラクロス部24期(東大だと31期) #7 主将
FALCONS(2019年〜) #7
日本代表(2017年〜) #11

・ワタルさんとの初めての出会い
千葉大の1年練(2015年)に来たとき。当時のFコーチがわたるさんと同期で千葉大出身のつよしさんという人で、つよしさん以外にこの年齢までラクロスやってるのすごいなというのが第一印象。

・ワタルさんとの一番の思い出
1年のときに謙志さんとわたるさんちに泊まり、テストのために始発で帰ったが、家に着いて寝たらテストが終わっていて単位を落としたこと。
このときからわたるさんちに泊まることにやや抵抗有りですが、最近会う機会が激減し、飲む機会を大切にしたいと思い、むしろ泊まりたいくらいです。

・ワタルさんに一言
誕生日おめでとうございます!
飲む量が減っているそうで、それは悲しいのでアルトレ担当します。


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齊藤優亜/Yua Saito

・プロフィール
千葉大ラクロス部24期(東大だと31期) #5 副将
2019年 AC

・ワタルさんとの初めての出会い
1年練に当時1年コーチのツヨシさんと来たとき。黄色のシマシマのシャフトがやけに記憶に残ってます

・ワタルさんとの一番の思い出
2年の時の飯田橋でのけんしょうさん、わたるさんとの飲み会でのマーライオン。3年で新チームになって最初、最上級生としての振る舞いが何も分かっていなかった自分にもみじ屋で色々なことを教えてもらったこと。

・ワタルさんに一言
誕生日おめでとうございます!入替戦勝って死ぬほど飲みましょう。


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福島裕樹/Hiroki Fukushima

・プロフィール
千葉大ラクロス部25期(東大だと32期) #23 主将

・ワタルさんとの初めての出会い
新歓期の土曜の練習。
明かに年齢が違う人がテルさん達と話しかけてきて、よく分からないけど教えてくれるし教わっておこうって感じです

・ワタルさんとの一番の思い出
真面目な方だと、2年のリーグ戦の一橋戦後にけんしょうさんと飲んで、このチームこのままでいいのか?と言われ、2年生とか関係なくチームに思ったことを伝えるべきだと言われメーリスを流すことを決心したこと。
楽しい思い出だと、飯田橋から飲み始め、一次会・二次会でそれなりに飲んだにもかかわらず三次会でハブに行きテキーラを飲みまくったこと

・ワタルさんに一言
入れ替え戦絶対勝ちましょう!よろしくお願いします。
引退後も飲みましょう!!

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