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おっさんの武勇伝


 皆さん、こんにちは。関節技は苦手。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。先日の記事で、ワタクシが酔っ払い(泥酔)を相手に咆える、あんまりカッコよくない話を書いたところ、

 その話、もっと詳しく聞かせろよ。


 という声が1件も来なかったので、敢えて面倒臭いおっさんの昔語りとして、武勇伝を書こうと思う。
 そう。それは思い起こすこと、

 (´・Д・)」 3〜4年前ぐらい。


 ええ。最近です。ええ。最近ですが何か? もう40歳を過ぎてるおっさんが喧嘩してるってどーゆー事なのよ、だって?

 (´・Д・)」 安心しろ。
 本人が一番思ってるから。


 ※ コレは別の武勇伝(?)



 てな訳で、時間軸は、まだ、京都の木屋町(繁華街)でバーを経営してる頃である。
 正確なところはわからんが、例の病気が発生はしていても、騒がれる前の年か、その前年。つまりは、2018年か、2019年だろう。2020年初頭の可能性も捨て切れないが。
 ウチの店は明け方まで営業してたので、ぎりぎり閉店前か、閉店後の時間だったと記憶している。明け方だったのに空が暗かったので、秋から春にかけての季節だったろう。

 ワタクシのやってた店は1階にあり、道路に面している部分がガラス戸である。(ヘッダ画像を参照)
 なので、繁華街を歩く酔っ払いたちの姿はよく見えた。ただ、この日はやたらと暗かったので、木屋町が最も静かな月曜日の可能性が高い。
 時間的には閉店直前か、閉店作業中だった気がする。
 突然、ガタンという音が聴こえた。

 その瞬間は見ていなかったが、状況的に判断は一瞬だった。

 通りすがりの酔っ払いが、ウチの店の看板を蹴飛ばしたのであろう。


 ちなみに書いていて、ここで思い出したが、時間は閉店後だ。記憶を辿るに、店の灯りを消していた事が脳裏の映像に残っている。

 なお、ふらついた酔っ払いが看板にぶつかる、酒に酔ってイキった若者が看板を蹴る、ヨタついた酔っ払いが、壁だと思って看板に寄りかかるなんてのは日常茶飯事(特に年末)なので、何が起きたかは想像に難くない。
 窓の外を店内から見るが、周囲の店も閉店しており、灯りが少なく、犯人の姿は見えない状態だ。

 だが、ウチの店の看板が倒れている事は目視出来たので、犯人を逃す訳にはいかない。

 ワタクシはすぐさま店の外に飛び出し、道路の左右を確認した。
 暗い六角の小路に人影はない。いや、河原町側に向けてヨタヨタと歩く後ろ姿が1人だけいる。つまり、犯人はコイツしかいない。シルエットからして男性。

 そこでワタクシは倒れた看板をちらりと見て、わずかながら破損個所がある事を確認。(よく壊されるので、直しても直しても大体同じ個所が壊れる)

 (´・Д・)」 よし。大義名分は手に入れた。


 その瞬間、ワタクシは「接客」のスイッチを「戦闘」に切り替えて、大声で怒鳴った。

 (´°皿°)」 待てやゴルァ!!


 しかし、酔っ払いは泥酔しているため、ワタクシの声なんかに構わず、よたよたと河原町のメインストリートに出ようとしている。
 タクシーなんかに乗られたら終わりだ。

 (´°皿°)」 待てェ言うとるやろがァ!!


 ワタクシは店の扉の鍵も閉めず、速攻で走って酔っ払いの肩を引っ掴む。


 が、引っ張った肩は力なくワタクシの方に引き寄せられたのである。


 (;´°Д°)」 あ。コイツ泥酔だわ。


 一瞬で悟ったワタクシは、一気に色々と面倒臭くなり、とりあえずコイツから看板の修繕費だけを踏んだくれれば、もうソレでいいや。って気持ちになって冷める。
 とは言え、まだ見た目(声)の戦闘モードは継続中。
 ちなみに、どちらかと言うと華奢な20代男性。多分、飲み方を知らない大学生か若手社会人であろう。だが、そんな事で容赦はせん。ストレイツォ以上に容赦せん。

 (´°皿°)」 人の店の看板を蹴倒しといて挨拶もナシかゴルァ!
 とりあえずケーサツに突き出されるか、
 看板の修理費払って帰るか、とっとと決めろ!ゴルァ!!


 と怒鳴りつける。ちなみにワタクシ、こーゆー事態には慣れており、警察は呼びたくない。警察を通じても、面倒な書類を書かされたりする割に、この程度の事件はなかった事にされるケースが多いからである。
 しかも、相手は泥酔してるので、よくわかってない。返事も要領を得ない。しかし、なんかヤバい事になったな、って雰囲気は出してて、呂律の回らない舌で、「ごめんなさい」と謝ったり、「僕ですか?」とトボケようとしたりしてる。

 (´°皿°)」 謝らんでええわい!
 修理代を払うか、警察沙汰にするか選べゴルァ!


 と凄むワタクシに、「ケーサツはちょっと…」とか「払いますから…」とか言ってるが、聞き取ることさえ困難である。
 酔っ払いはジャケットやズボンのポケットを探るが、なかなか財布が出て来ない。泥酔具合からして演技ではあるまいが、非常に苛立たしく感じる。

 その瞬間、

 酔っ払いが逃げようとしたのである。


 (´°皿°)」 カチーン。



 ワタクシはもう一度肩を掴んで引き戻す。すると、男は先程よりもたついて、ワタクシの方に倒れかかってきたのである。ハッキリ言うが、ワタクシが強いとかそんなんじゃなく、酔っ払いがほにゃほにゃ過ぎるのだ。
 男を抱きかかえる趣味はないので、ひょいと避けて、角にある飲食ビルの壁に突っ込ませる。まだ逃げようとしてるので、今度は肩と腕を掴んで、後ろ手に手首と肘の関節を押さえた。ふにゃふにゃなので簡単に技が極まる。
 酔っ払いはなおも逃げようとするので、関節技を緩めつつ、壁に押し付けようとしたのだが、男の足がもつれて、俯せにアスファルトへと倒れてしまう。
 それでも這って逃げようとするので、手首の関節を極めつつ、肩を掴んでいた手を腋に変え、男の背中に片膝を置く。
 技で言うと小手回しだったかな。映画なんかでよく見る完全に取り押さえられた状態だ。

 (´;Д;`)ノ 痛い痛い痛い痛い! やめて! やめて!


 ようやくハッキリと聞こえる声で酔っ払いが泣き言を言い出す。ちなみに、右の手首と肘と肩の関節を捉えているが、全然極まってないし、痛くはない筈である。痛いとすれば、背中を押さえてるヒザか、アスファルトに押し付けられてる顔だろうか。
 とは言え、下手に関節の方を極めると危ないし、かと言って酔っ払いなのでとんでもない力で暴れたり、猛ダッシュで逃げたりする可能性も捨てきれない。
 ヒザで背中を押さえてるのは不可抗力よな。てか、痛い痛いとか大袈裟だな、と思ってると、


 (´;Д;`)ノ 無理! 痛い痛い痛い痛い! やめて!


 (´;Д;`)ノ 無理無理痛い痛い! やめて! 痛い!


 (´;Д;`)ノ 痛い痛いi


 (´;Д ; ).:∵ TBゲぶぉッ


 (´;Д ; ).:∵ ゲボゲデロ
 グェボエロエロエロエロ…



 (´°Д°)」 吐きやがった。



 (´・Д・)」 うん。そりゃね、まともに歩けないぐらい泥酔してるし、その状態で関節技から逃げようとぐるぐる回って、しまい目にゃ背中から内臓をヒザで抑えられたらね、そりゃね、吐くよね。うん。なんかゴメン。

 この時点でなんかもう色々とどうでもよくなって、コイツを放置しようかとも考えたんだけど、ゲロで喉を詰めて死なれたら厄介だな、と思って警察を呼ぶ事にしたのよね。
 そしたら、店にスマホを置いたままな事に気付いて、どーしよう? と思ってる所に、キャバクラのねーちゃんが通り掛かって、「ケーサツ呼んでもらえます?」ってお願いしたら、

 

(;╹◡╹) ワタシ、ケータイとか持ってないです。


 って平然とウソを吐かれ(昨日の記事)、途方に暮れてたら、新聞配達のおにーさんが通り掛かったんで、同様に助けを求めたら無視されて、更に通りすがりのカップルにドン引きされ、昨日の有料記事の部分に繋がる訳である。

 (´・Д・)」 喧嘩(?)としては圧勝間違いなしの結果ですが、

 出来事だけ見たら、

 完全に敗北者ですよね。


 後で気が付いたけど、タブリエ(エプロン)にちょっとゲロ付いてたし。

 ※ この武勇伝はすべて無料で読めますが、衝撃の顛末を知りたい人は投げ銭(¥100)をお願いします。なお、昨日の記事には、誰が警官を呼んでくれたかが書いてあります。
 ちなみに、完全に予想外の結末だと思う。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。