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ハードボイルド・メン

 皆さん、こんにちは。硬麺大好き、木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 え? はい。ハードボイルドって言っても、フィリップ・マーロウでも固ゆで卵の事でもありません。
 そう。ワタクシは、硬い麺が大好きなのです。

 いえ、別に柔らかい麺が嫌いな訳ではありません。柔らかくて美味しいなら、至って普通に歓迎です。
 単に、素敵な女性に好かれるなら、ビューティがいい? キュートがいい? って質問に対して、キュートも好きだけど、

 (´°Д°)」 ビューティ!

 あたしは破夢子 人は呼ぶ美顔女王ビューティ


 あれ? 例がわかりにくかったですか? もっとわかりやすく言うなら、同じ貰えるなら、五千円札より一万円札の方がいいよね? そういう事です。

 こう見えてワタクシ、飲食業界に30年ほど居ますんで、背負った言い方をしますが、それなりの知識と技術と経験はあるつもりです。自分の味覚こそが正しいなんて事は思っておりませんが、自分なりに「これが美味しい!」という「基準」を持たねば、お客様に料理なんか提供できない訳ですよ。ええ。

 そんなワタクシですが、割と歯応え大王です。


 基本的には、そんなに美味しくない味でも、歯応えが良ければ採点が甘くなる。

 メンマ? 歯応えがいいじゃないか。
 数の子? 歯応えがいいじゃないか。
 あわび? 歯応えがいいじゃないか。
 ナマコ? 歯応えがいいじゃないか。


 サクサクでもカリカリでもポリポリでもムチムチでも、歯触りさえ心地よければ、割と大きく加点してしまう。
 そんな感じなので、ワタクシ、米と麺はハードな方が好きなのです。

 別にお粥が嫌いだとか、柔らかい麺は許すまじとか、そんな事は思ってません。
 ちゃんと噛み応えのある米粒の方が好きなだけです。柔らかい麺より、硬い麺の方を美味しいと感じるだけです。
 中華粥とか普通に好きだし、すき焼きの終わりに入れたうどんの切れ端が、翌日のおじやに入ってるのとか最高に好きですし。ええ。

 あ。今のところ、伊勢うどんを「美味い!」と思った事はありませんが。


 で。硬けりゃイイのかと言うと、当然そんな事はない。好きだからこそ甘い部分と、好きだからこそ厳しい部分の両属性を兼ね持つ。
 単純にちゃんと加熱されてない米や麺は、むしろ風上にも置けぬと思うぐらいだ。

 特に糊化した小麦粉をちゃんと熱さずに食うのは、単純に内臓に悪いのでやめとけよ、とは思う。美味しくないし。
 なので、九州ラーメンのハリガネとか粉落としとか湯気通しなんてのはマニアの痩せ我慢としか思えない。

 何でもそうだが、行き過ぎたマニアの意地の張り合いは、正直言って迷惑だとさえ感じている。
 別に個人でどれほど湯掻けていない麺を食おうと自由だし、好みの問題なので口出しする気はない。だが、

 (´・∀・)」 それこそ「通」だよ。


 みたいな空気を出されるのは勘弁なのである。新規参入者がドン引きするだけだし。
 しかも、「俺なんかもっと硬いの食えちゃうもんね〜!」って小学生みたいな勝負が始まるので、もう見てらんない。
 いや、ダンゴムシ同士の競争を人間視点から観察すると言う意味では面白いが。

 そんなワタクシですが、インスタント麺に関しては、相当な硬麺派である。
 基本はマイナス1分だ。カップ麺で5分待つって書かれてたら4分。3分って書かれてたら2分。
 袋麺だとマイナス2分ぐらいだ。
 食卓まで運んだり、鍋敷きを用意したり、箸や器を用意したり、ふーふーしてたら、1分ぐらい経過する事を見越しての時間計算である。
 これによって、我が麺生活の秩序は保たれていると、そう信じていた。

 だが、近頃どうにも、そうではない輩が次第に勢力を伸ばしつつある。


 そう。近年、飽きっぽくなった日本人の心を掴むためか、多種多様なインスタント麺が入れ替わり立ち替わりしている。
 スープの味だけでなく、麺の製法自体が違うのだ。

 特に生麺タイプやノンフライ麺タイプは、3分と書かれてたら、割と3分がベストタイムだったりして、マイナス1分で調理すると、

 3分か。 (´・A・)」 お前は3分か。


 って仕上がりになってしまう事がある。
 しかも、お前のベストタイムは見切ったぜ! って頃に商品棚から消えるので、なかなか困った事になるのだ。
 さらにワタクシは、カップ麺ごとに、

 コイツはボコボコに沸騰した湯で短時間、とか、
 コイツはフツフツ言い始めた頃に長時間、とか、


 ちょっとした調節をしたりするのが楽しいので、余計にややこしい。
 ちなみに、ほとんどの場合は「ボコボコの沸騰状態」がオススメである。湯の温度が低くて美味しいケースはかなりの少数派だ。

 なお、ワタクシは、カップ麺の麺を食い終わったら、温めておいたパックご飯をスープの中にブチ込んで食うのだが、前述のようにコツンとした歯応えがある米が好きなので、電子レンジで2分と書かれていたら概ね1分30秒の温めになる。
 まあ、これもパックご飯のメーカーや容量、そしてカップ麺の種類によって10秒から30秒の微調整があったりするのだ。
 と言うのも、スープの温度と水分で米が充分に温まるからである。

 そんなある日、新しく発売されたカップ麺を、何の考えもなしに「新発売」というだけで購入し、調理した。
 無論、その間に電子レンジでパックご飯を温めている。

 そして、後入れスープを入れる直前になって、気が付いたのだ。



 (´・Д・)」 油そば。


 (´・Д・)」 、、、?


 (´・Д・)」 油そば。


 よく見ると、蓋の一部を剥がして湯切り口にするタイプだ。ラーメンじゃなかったのか。

 (´・Д・)」 うむ。食べる前に気付いて良かった。と、湯切りをして、その直後に気付く。

 湯切りをするタイプは、きっちり時間を守った方が美味しいのだ。しかし、4分って書かれていたので、ワタクシは3分の時点で湯を捨ててしまったのである。
 しかも、ワタクシほどの上級カップメンズともなると、沸かした湯が余ったりはしない。

 案の定、硬麺好きのワタクシからしても、


 こりゃ (´°Д°)」 ダメだ。


 って麺の仕上がりになってしまった。コレは美味しくない。本当にダメだ。うむ。気を取り直して、ご飯をブチ込んーーーー?



 米を浸すスープがない。



 こりゃ (´°Д°)」 ダメだ。



 当然、米はモサモサ。


 こりゃ (´°Д°)」 ダメだ。



 さて。なんでこんな話をしてるかと言いますと、毎日毎日「カップ麺+パックご飯」ばっかり食ってて飽きないの? って質問を色んな方から頂いたからなんですが、

 (´・Д・)」 こーゆー失敗も含めて、色々研究してると、意外と飽きないもんですよ?

 って言いたかったんですよね。

 (´・Д・)」 飽きてませんよ?



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 なお、この先には、本音で飽きてるか、飽きてないかが書かれてます。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。