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爺のレコンキスタ


 皆さん、こんにちは。コンキスタって響きはなんか弱そう。木賃ふくよし(芸名)です。

 さて。観て参りました。昨日公開となりました。

 

 「Gのレコンギスタ IV」


 あのガンダムを生み出した富野由悠季監督による、一番新しい「ガンダム」の劇場版である。
 ええ。観てきましたよ。

 (´・Д・)」 ポジョンさんの金で。


 あまつさえ、カレーまでご馳走になった。

 さて。簡単に説明しますと、この「Gのレコンギスタ」は富野由悠季監督本人によるTVシリーズ「ガンダム」の最新作です。まあ、この通称「Gレコ」をガンダムのシリーズとして数えるのかどうかは賛否あると思いますが、今回のお題も話題も問題もそこじゃない。

 (´・Д・)」 すごかった。


 と言うのが、今回の感想です。
 まあ、ハッキリ言いますが、他人様には一切オススメしない作品である。
 まず、前提となるTVシリーズ「Gのレコンギスタ」だが、正直に申し上げまして、

 (´・Д・)」 オススメしない。


 実はワタクシ、この「Gレコ」の1話を4回ぐらい観ている。2話が3回。3〜4話を、2回ぐらい観ている。理由は簡単だ。

 (´・Д・)」 意味が
 わかんないから。


 コレ、割と致命的な失敗だと思うのよね。正直、登場人物が多すぎるし、世界を取り巻く勢力図ってのが全然見えて来ない。これコレの所為で、なかなか登場人物たちに感情移入ができないのである。
 そして、更に問題となるのが、トミノ文法だ。

 コレは漫画で言うと「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦や「アメリカンコミック」にも言える事なのだが、慣れないと理解が追いつかないのである。
 ジョジョは独特のコマ割りと読む順序、アメコミはそれに加えてページをめくる順番が逆。

 慣れれば苦でも何でもないが、慣れるまでは脳のリソースを奪われるのである。

 富野由悠季の脚本も似たような構造になっており、不慣れだと、

 (´・Д・)」 会話になってない。


 「端折りすぎだぞ、文法! 何でもっと丁寧に出来ない!」
 「そうか。そうでもあるな…。だが、説明を折り込めば、シーンが冗長になる事に、なんで気付けない!」
 「富野節だよそれは! 貴様ほどの男が!」
 「ええい!ままよ!」


 こんな感じだが、所詮は猿真似なのでイマイチだ。
 ちなみに、有名なコピペである「支離滅裂な文章」と言うのがある。


 「今日は晴れですね。晴れといえば、僕の誕生日は来月だけど君はお肉が好き?」

 この文章から、本意を読み解けない人には、富野節、富野文法は意味不明なのである。ちなみに、

 「今日は晴れですね。晴れと言えば、祝日を晴れの日って言うでしょう? コレを晴れの日と呼ぶのかどうかわからないけど、来月は僕の誕生日なんだよね。晴れの日、誕生日とくれば、やっぱり焼肉とか食べたいって思うんだけどさ。キミ、お肉好き? 奢るとは言わないけど、良かったら来月一緒に焼肉に行かない?」


 ぐらいの意味が含まれている。慣れれば何となくセリフになってないセリフが読めてしまうが、慣れないとキツい。それが富野節なのである。
 この「Gレコ」は、富野作品の中でも上位に入る難解具合。いや、「リーンの翼」や「ブレンパワード」に比べるとセリフ自体はまだマシなのだが、物語(特に冒頭)のややこしさが手伝って、相当な難解度になっている。

 その、ただでさえ理解が追いつかない「Gレコ」を劇場版として編集し直す。


 (´・Д・)」 ただでさえ意味不明なのに、
 それじゃ余計に意味不明になりますわよ?


 と思っていたが、コレまた意外や意外、鬼才富野の手腕はまだ健在だったのである。

 富野由悠季と言えば、40話を超えるガンダムを劇場版3本にまとめて見せた男である。他にもイデオンを2本にまとめた腕もある。
 しかし、50話を2本にまとめた「∀ガンダム」や、同じく50話を3本にまとめた「新訳Zガンダム」は、正直言って、

 (´・Д・)」 ひどい出来だった。


 なので、今回も期待してなかったが、今回はなんと25話ぐらいを映画5本に再編集してるので、

 (´・Д・)」 相当わかりやすくなってる。


 今回はその4本目に当たるが、かなり理解しやすい。

 (´・Д・)」 まあ、ワタクシは富野慣れしてるし、TV版も観てるので、アテにならない。なので、正直オススメしない。

 あとコレは本作に限らないが、ワタクシは、物語の登場人物(特に主役や主要人物)は必ずしも世界の謎を解き明かす必要はなく、真相を知る必要もなければ、核心に触れなくていいし、また、根本的な問題を解決する道理もないと思っている。

 わかりやすい話、戦争映画でたった一人の新兵が戦争を終わらせる必要はないし、何故この戦争に至ってしまったかを知らなければならない道理なんかない。
 1本の物語として面白ければ、物語を把握するのに必要な情報さえ与えてくれるなら、むしろそれ以上の説明は蛇足だとも感じるのだ。

 しかし、ミステリー作品であれば、トリックは明かされなければならないし、真犯人は見つけなければならない。動機もまた必要なのである。必ずしも、とは言わないが、そーゆーモノだろう。

 その点において、この「Gレコ」は、主人公が何をしたいのか、この世界の構造はどうなっているのか、各勢力の目的は何か、各勢力は何故衝突を避けられないのか。

 (´・Д・)」 説明が足りん。


 徐々に明かされるかとも思ったが、いや、明かされてはいるのだが、圧倒的に説明が足りん。

 ぶっちゃけまず必要なのは、

 はるかな未来、地球は終末戦争を起こしちゃったせいで、人が人を食ってでも生き延びねばならん時代を過ごした。
 そこで文明を再興した人類は、たったひとつの宗教のもとで、戦争を回避し、科学文明をみだりに発達させず、エネルギー供給は宇宙から行われ、その情報も統制されている中で、割と平和に暮らしていたのである。
 コレをユートピアと判断するか、ディストピアと判断するかは人それぞれだろうが、登場人物たちの中でも意見が割れた訳だ。

 キャピタル…宇宙からの物資供給を受け、それを管理分配してる国。
 スコード教…無闇に文明を発展させない教。割と全員信じてる。
 キャピタル・ガード…物資を巡って争いが起きないように監視してる軍隊。
 アメリア…キャピタルが物資を独占管理してるのが気に入らない。
 キャピタル・アーミィ…アメリアが血気盛んなので、対抗するための軍隊。
 海賊…アメリア軍が表立って行動すると外交問題に発展するので、身分を隠してる。
 ゴンドワン…アメリアと敵対する国だけど、特に本編には出てこない。
 ビーナスグロゥブ…金星にある地球への物資供給元。
 トワサンガ…月にある物流センター。
 ドレット軍…物流センターの軍隊で、俺らの役割おかしくね? と地球奪還を目論む。
 ジット団…金星の過激派。俺ら損しかしてね? と地球奪還を目論む。

 勢力図としてはこんな感じだが、各勢力に属する人物たちの思惑も別にあったりするから、なおの事ややこしい。

 そして、これだけ書いておいてアレなんだけど、

 (´・Д・)」 この理解で
 正しいのかどうか、
 まっっったく自信はない。



 (´・Д・)」 ね? 難解でしょ?


 逆ボブ・ロスである。

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 なお、この先に、ようやく映画の感想が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。