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モスピーダの話をしようじゃないか。


 皆さん、こんにちは。さよならが最後の優しさだなんて、2人とも生まれる時代を間違えたのさ。木賃ふくよし(芸名)です。
 はい。とうとうやって来ました。そうです。この日が来たのです。

 機甲創世記モスピーダ

 についてお話しする時が来てしまったのです。

 ええ。ワタクシ、実はアニメをほとんど観ません。別に嫌いな訳じゃなく、それより映像なら映画、ヴィジュアルなら漫画、物語なら小説を好むので、好きの優先度合いが高くないだけ。
 んで、世代的にはガンプラでガンダムにド嵌りした小学生だったので、普通にロボットアニメは好きです。
 なお、最も好きなサンライズロボットアニメは、ガンダムではなく、


 ダグラムです。


 一番好きなロボットアニメは、


 「ファイアボール」なんですけど。


 皆から「アレはロボットアニメじゃないだろ!?」って言われるんですが、むしろトランスフォーマー以上に人間が出て来ない純正ロボットアニメだろ。
 で。冗談抜きで全話ブッ通しで100回以上観てるアニメはコレだけ。

 まあ、他にも「ジャイアントロボ」とか「ビッグ・オー」とか好きなロボットアニメは色々ありますが、今日はそれを語る時ではありません。そうです。

 モスピーダについて語る時なのです。


 時は2050年、突如現れた異星人「インビッド」は、瞬く間に地球を侵略。人類の抵抗虚しく、地球はインビッドの手に落ちた。
 多くの地球人は月や火星、木星ベースへと逃げ延びる。そして、同時に多くの地球人は地球に取り残された。
 人類の屈辱的敗北から30年。
 第一次地球奪還作戦が決行される。
 しかし、インビッドの勢力を前に、人類は再び惨敗を喫した。
 そして三年後。
 火星ベースから第二次地球奪還作戦が開始される。
 主人公の一人「スティック・バーナード」は、この第二次地球奪還作戦に参加する軍人であり、対インビッド用可変型戦闘機「レギオス」のパイロットだ。ヒロインのマリーンにプロポーズし、勝って帰ることを約束する。
 今度こそ勝たねばならない。地球降下作戦は何としても成功させねばならない。
 だが、インビッドは罠を張っていた。地球上の大気に細工をしていたのだ。
 単騎で地球に不時着するスティック。万一の時の指示は、敵本拠地、北米にあるレフレックスポイント制圧のために、現地へ向かうこと。孤立無援で四面楚歌。レギオスは不時着の際に使い物にならなくなった。手持ちの装備は戦闘用パワードスーツ兼バイクの「ライドアーマー」のみ。その燃料も心許ない。それでも単身、目的地へ向かわねばならないのだ、、、。


 コレが作品の概要かつ第1話前半のあらすじである。
 
 冒頭で絶望的状況に陥る地球。奪還作戦も大敗北。どんなハードな展開やねん、と。

 しかも主人公は軍人で第二次地球奪還作戦の戦闘機パイロット。この頃のありがちな「巻き込まれ少年」ではない。
 渋い。渋いねぇ。
 ダグラム(暗い)が好きなワタクシには最高の作品ですよコレ。

 しかも、音楽は久石譲。ジブリ音楽で大ヒットメーカーとなる久石譲ですよ。ちなみに久石譲はジブリじゃいつも主題歌をやらせて貰えないんだけど、本作でも主題歌はゴダイゴのタケカワユキヒデ。OP、EDともにめちゃくちゃカッコイイ。シビれる。しかもOP映像は金田伊功。コテコテの金田演出が楽しめます。
 なお、キャラクターデザインは、ファイナルファンタジーで知られる天野喜孝。

 ちなみに主役機は「レギオス」なので、モスピーダって何よ? って疑問はあるかと思いますが、モスピーダとは、バイク兼パワードスーツ「ライドアーマー」の名称。
 主人公達は様々な事情から、レギオスよりも、主にこの「モスピーダ」で戦います。渋い。

 戦いたくない!とかガキが寝言を抜かしたり、美少女で売上を上げようとする昨今の軟弱なロボットアニメとは格が違いますぜ!

 他の主人公も、インビッドの占領下でしたたかに生きる青年レイと、独学で兵器の使い方を学んだ少女フーケ。
 第一次降下作戦の生き残りの軍人でロック歌手のイエロー。
 同じく、第一次降下作戦の時に敵前逃亡し、もう逃げたくないと立ち上がった軍人ジム。
 そして、インビッドに襲われ、記憶喪失となった少女アイシャ。
 ムードメーカーで、マスコットの動物ミント、と曲者揃い。

 しかも、物語は侵略者インビッドとの戦いだけではなく、インビッドの占領下で牙を抜かれ、抵抗するより、惨めでも服従して生きる事を選んだ地球人たちとの意識の違いとも描かれる。

 これが面白くない訳がない。


 ないと思うだろう?


 ないと思ってたんだよなあ。


 ちなみに、このモスピーダ。全25話なんですが。


 ぶっちゃけ8話分ぐらいが
 とにかく全っ然、面白くない。


 割と苦痛レベル。

 8話ぐらいが、必要な部分はあるけど、観なくていい程度のクォリティ。そもそも全般的に作画も演出も雑だし、音楽自体は良いんだけど、使い所が悪い。

 ただし、残る8話ぐらいが、

 めちゃくちゃ面白いのである。


 当時ワタクシはアホな小学生だったので、モスピーダが何曜の何時から放送してるかなんて覚えられなかったし、よしんば覚えていたとしても、友達と遊ぶ約束したらそっち優先なんで、本作を飛び飛びにしか観ていなかったのである。


 しかも偶然に、面白い話だけ観ていたのである。


 そのため、ワタクシはこのモスピーダを、

 長らく傑作だと
 思い込んでいたのだ。


 大人になって見返したら、つまらん話が半数を超えててゲンナリしたのだが、やはり面白い話はズバ抜けて面白い。
 そこで、このモスピーダを最短で楽しむには、

 1、2話、8、9、10話、23、24、25話だけ観ればいいんじゃね?


 という結論に達した。つまり全8話。無論、これだと説明不足な点が出てくるので、3話(主要キャラが揃う)、12話(インビッドの生態判明)、17話、19話も観てもらった方がいいのだが、それを言い出すと、ぶっちゃけ本編を観るよりは、

 Wikipediaとかファンサイトで
 情報だけ読んだ方が
 想像力が掻き立てられるので
 いいかも知れない。


 素材もコックの腕前も内装も雰囲気もサービスも良くて、何故か肝心の料理がイマイチ。
 コース料理で12品(パン、コーヒー、茶菓子込み)出てくるのに、4品大ハズレ、4品凡庸、4品大当たり!という評価に困る店、それがモスピーダである。

 なお、この作品が暗くなりすぎないように用意されたマスコットキャラクターが、まさに作品を爽やかにするハーブの如く「ミント」という名前なのだが、


 正直、コイツさえ居なければ、
 作品評価は少なくとも10%は増す


 と思うぐらい、あらゆる料理にミントの葉が使用されている感じ。

 色んな意味で残念極まりない作品となってしまった本作だが、今こそ精鋭スタッフを集めて全13話でフルリメイクして欲しいと切に願う。
 基本的にリメイクは好きじゃないんだけど、埋もれるには勿体無いんだよなぁ。



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 なお、この先には、モスピーダの観るべき回、飛ばすべき回チャートが書かれています。
 


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。