「宇宙よ、土下座せよ。」
僕は何時までも独りで善がっていたい。
直径5mmの穴だらけの顔を視て確信した。
夏休みと言えば時空採集だ。
今と言う瞬間を無視取り網で捕まえようとしては、過去にしてしまう不毛さよ。
頭の佳い子はちょっと考えて未来を捕まえて今にしようとするけれど、過去に成るのを止めるまで出来るには未だ未だ若過ぎた。
近所のオジサンに頼み込んで、塩っぱい想いをして、御腹に閉じ込めるのが限界だ。
夜の帳は問答無用で空に打ち上げようと思っている。
酔っ払いの息と「チュー腹の仲や!」と言う殺し文句。
夏休みと言えば虚数割りだ。
地球の唾液に浸かった後の儀礼として、誰でも出来る事をする事こそ、真の平和なのでは無いだろうか。
其れに於いては虚数割りが何より愉しいし、乱暴な情報で人を追い詰める活動家よりも、天と地ほどの違いの価値が有る。
ソモソモの話をすれば、存在してないと楽だし、気付けば存在してたと言うのも度し易いし。
御金は心の童謡です。
睡るか盛るかは御自由に。
夏休みと言えば読書交響曲だ。
肖りたい小説を題材とした退屈なメロディにリリックを叩きつけてやるのだ。
宮沢賢治さんや三島由紀夫氏や太宰治くんや夏目漱石先生あたりが無難だが、個人としては、円城塔様の伊藤計劃尊師に対する鎮魂歌を訳も判らない言語で抹するのが熱いと感じている。
其々がノートに収まる程、親密な付き合いが出来るかどうかは置いといて。
塩に成った人は薄倖だし、透明な塊の油断で潰されたら悲劇だ。
巨大なザリガニに殺されると途端に笑いが起こるけど。
夏休みと言えばサヨナラ研究だ。
コツは一人一人確実に仕留めていく事だ。
御祖父さん、御祖母さん、御父さん、御母さん、妹様、ペットのチョコとミルク。
其れが終わったら、近所のヤンキー(男女問わず)を重点的に取り除いて、自分より成績の佳い美人な彼の娘を経由しつつ、最後は心からのサヨナラをする恋人に汗と泪でカットイン。
後々、其れらの心拍音を糊で画用紙に貼り付けなければ成らぬが。
僕も角を生やして、背中から翅を広げてみたい。
頑張って頑張って頑張って頑張って、でも空を飛ぶ事が出来ない苦悩を感じてみたい。
其の間に僕のパートナーは他の僕の知らない人と粘液交換を繰り返しているとは思うけど。
キット最後に望むのは、一回一人十円玉で好いから、観せ物として生きて、僕の帳尻を合わせる事だ。
古本屋で買い取り拒否された漫画を積んでも積んでも崩す事が出来ず、哀愁のバベルタワーとして部屋に鎮座させている。
失った友達が好きだった音楽やキャラクターやコンテンツを蓋で閉じては、ゾッとしている。
家具も何もかもamazonで揃えた代償に、森田童子薬師の様に脆くて、プーチンの様に不安な想いをする羽目に成る。
だからこそ、当たり前ながら、僕は要求する。
宇宙よ、御前のせいだ、今すぐ土下座せよ!
喩え僕しか残ってないせいで、其の確認方法すら失われていたとしても。