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スマホ・ゲーム依存症のウェビナーに参加して学んだ6つのこと

今日は川崎区役所主催のオンライン講演会「うちの子、スマホ依存!?ネット・ゲーム・スマホにはまる子どもたち」に参加しました。

講師は久里浜医療センターで依存症を診断されている西村光太郎先生。現場の最前線で活躍されており、お話もとてもわかりやすくて勉強になりました。
今回は個人的に大事だと思ったことを抜粋してご紹介していきます。


①症例

症例から紹介してくださり、いろいろな患者さんが来院されますが、典型的な症例パターンとしては

  1. 成績は問題なく部活にも精を出していたが、ある日友だちとの喧嘩やトラブルをきっかけに学校を休むようになり、ゲームに傾倒していく。

  2. 1日中やり続け、昼夜逆転の生活になる。

  3. 注意したり取り上げたりすると暴力・暴言が顕著に。

  4. 運動しなくなるので体力や食欲、肺活量などが低下し、不健康になる。

という結果を招き、病院に通うようになってしまうという話。この類はスマホ依存の関連書籍でもよく見られるケースですが、女子生徒の場合は更に恐ろしいものがあると西村先生。
SNSなどで自ら顔写真などをアップし男性との知り合いをつくる場において、容姿を褒められたりするのが嬉しくてハマっていき、スマホ依存をきっかけに性的なトラブルに発展していくことも珍しくないと紹介されました。

②慢性的な睡眠時間の短縮による悪影響

  • 17時間覚醒すると、500mlの缶ビールを飲んでほろ酔い状態と同じくらいに脳機能が落ちる

  • 1日の睡眠時間を4〜6時間に制限すると、2週間後には丸2日徹夜したのと同じくらいに脳機能が落ちる

  • 慢性的な睡眠不足で肥満や糖尿病のリスクが高まる
    →成長途中の子どもは大人よりも影響が大きい


③正の強化・負の強化

依存症の根幹となる症状は「精神依存」と呼ばれ、それは「正の強化」「負の強化」のふたつの側面がある。
正の強化=快楽を得られるから依存物を使用する
「楽しいからゲームをする」→やがて飽きることがある
快楽がなくなるのを我慢することはそんなに難しくない
負の強化=不快を解消するために依存物を使用する 
「イライラ・不安を紛らわせるためにゲームをする」→ゲームを止めると不快感が戻ってくるので止められない
不快を我慢するのは困難

④ADHDとの関連性

スマホやゲームに依存している患者さんの中には発達障害(ADHD)をもともと有している方も多い傾向があり、ADHDの特性上依存しやすい条件が揃っているそうです。
たとえば日常生活では感覚過敏や人間関係がうまく行かないなどのストレスをゲームなどで解消しようとすることでのめり込んでしまう。
衝動性・過活動・不注意などの症状から現実生活では不適応を起こしやすいが、インターネット上ではそれらの症状が覆い隠される。

⑤予防

現代社会においてインターネットに完全に触れないでいることは不可能(学校でもタブレットなどで学習している)。いかに節制していくかルールを明確に決めて守ることが唯一にして最大の予防。 
使用時間・自分の部屋では使わない・フィルタリング機能・金銭面(親のクレジットカードを勝手に使われないための対策も含めて)などなど。生活リズムが崩れないようにすることも大事。

⑥我が子が依存症に陥りやすい家庭のパターン

「親子で本音で話せないような関係性」
親子で問診を受けたとき、親と一緒にいるときと子どもだけで問診するときとで返事が異なる(本当のことを親に聞かれたくないため)。普段のコミュニケーションが十分に交わされていないと感じる家庭が依存に陥りやすい傾向にある。


そして最後に以下のことを質問してみました。

「スマホを持たせるかどうかを考えている保護者の方は多いかと思いますが、これまでお話されたようにいろいろな問題が起こる可能性をはらんでいます。西村先生なら持たせる・持たせないをどう判断しますか?」

これについて西村先生は次のように答えてくださいました。

「その子がADHDなら絶対に持たせないが、高校生くらいになると学校での人間関係も考慮していかなくてはならないため、ルールを決めてから持たせる」
ということでした(先生にお子さんがいらっしゃるかは不明でしたが)。


これらを参考にしながらまだ見ぬ本格的な活動内容に盛り込んでいきます!
ちなみにアタクシたち、子どももいなければ結婚もしていないし、さらに川崎区民でもない(神奈川県民ですらない)というスペックですが、電話で問い合わせたところ大丈夫そうだったので申し込みました。
それにしても、Zoomを使っての講演会というのはここ何年かで浸透してきておりますが、専門家のお話を無料で、しかも自宅でリアルタイムで視聴できることに時代の進化を感じざるを得ないわけです。なんという未来がやってきてるのか…!
これからもこういった機会があったらどんどん参加していきたいものですね👍


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