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【FAQ】哲学とは何か?その内容と有用性の整理──哲学科出身者に捧ぐトークスクリプト

哲学好きな人で、哲学を知らない人からよく聞かれる質問に対しての切り返しフレーズをまとめました(随時更新)。


質問:哲学って何するの?

切り返しフレーズ※まじで1ミリも哲学知らない人向け

「ソクラテスとかニーチェとか聞いたことあるかもだけど、そういう哲学者って呼ばれている人たちの本を頑張って読むってことかな。オレは〇〇(例:ハイデガー)って人が専門だから△△語(例:ドイツ語)で読んだりもするよ。あと、最近だとAIが人類に与える影響とか、環境問題とか、人間の意識って何?とか、そういう現代の(自然)科学っぽい議論をしていく哲学分野もあるね。」

プラスのフレーズ

①相手が高校の時文系だとわかっている場合
「高校で倫理って習った?デカルトの”我思うゆえに我あり”的なやつ。あれを元ネタの原著をガチで読み込むってことかな。」

②相手が受験勉強頑張ったんじゃね?というタイプの場合
現代文の評論分あるじゃん?「現代の文明社会がどうたら~」とか「ミロのヴィーナス」みたいなやつ。ああいうの書いてる人は哲学分野の大学の先生が多いね。

質問:哲学って何の役に立つの?

切り返しフレーズ①※無難っちゃ無難?

世の中って複雑じゃん? 人生生きてたら落ち込む時期ってあるじゃん? 
そういう、「どうしたらいいかわからん」って状況に直面した時に、「これが状況を悪くしているんじゃね?」というポイントっていうか本質を見抜く”嗅覚の鋭さ”を磨けるのが哲学じゃねと思ってる。つまり、人が病んじゃうようなときも病みにくくなるっていうかw 「原因これじゃね?」っていう言語化能力を鍛えているので。(ただ原因特定してもその原因が社会システムとか人々の価値観とか敵が強すぎて倒しにくいからさらに悶々としたり性格捻くれたりというのはありうるかもしれないけど笑)

切り返しフレーズ②※コイツ哲学の素養ありそうじゃね?という場合

小学生くらいのときから周囲の大人とか同級生の言うことが「なんかしっくりこないな~」と思っていた人が哲学に触れることで「ここまで徹底的に考えていいんだ!」という感動を得られるはずなんだよね。世の中を円滑に運営するための「タテマエ」じゃなくて、「実際のところはこうなっている」という「ホンネ」とか「事実」が知れるっていう感動ね。

切り返しフレーズ③※相手がアニメとか音楽好きな場合

相手がアニメ好きの場合の例
PSYCHO-PASS(サイコパス)ってアニメわかる? 1期でマキシマが「フーコーがなんちゃら」とか言ってたと思うんだけど、ああいうの「はいはいアレね」ってわかるよ。

相手が邦ロック好きのパターンの例
ラッド(Radwimps)の「おしゃかしゃま」とかワンオク(ONE OK ROCK)の「皆無」とかあるじゃん? あの歌詞って結構哲学の議論知ってると深く解釈できるんだよね。

よくない切り返しの例

「そもそもさ~、役に立つって何なの?って話で、そういう役に立つとは何か?っていうのに哲学はツッコミを入れるんだよね」

解説
相手は哲学のアクチュアルな(現実的な)有用性を知りたいのであって、↑上記の切り返しはメタ的な有用性(いまの現実とは異なる現実での有用性の検討)であるため相手の質問の意図を満たさない。

オマケ:哲学徒への処世訓

処世訓①衣食住をしっかり整える

私は「健全な肉体に健全な魂は宿る」理論の支持者なので、衣食住、運動習慣を整えることを推奨する。

とりわけネガティブ思考なときは基本睡眠習慣が崩れている可能性が高いのでスマホの画面は閉じて寝る。寝つきが悪ければ自然音流して目を閉じるだけでも〇

処世訓②どうでもいいトピックは軽く流す

哲学アンテナを磨きまくると、ひろゆきとかDaiGoみたいなインフルエンサーの言葉遣いや周囲の人の”浅い発言”を「訂正したくなる」衝動に駆られるかもしれないが結局は自分が消耗するだけなので、たいていの場合はスルーしておいて問題ない。

処世訓③思考ばかりになった場合は、とりあえず手を動かす、外に出る

「漠然とした不安」が思考の燃料になってグルグルしだしたらヤバイ。そういう場合は本読み始めるとか、好きな音楽聞きながら散歩してください!それも無理だったら寝る!w

処世訓?:自分自身と世界を心の底から「承認」する

仮に偶然的に生起した自己や世界という存在で、仮にその自己や世界が今後消滅する運命にあるとしても、「いま自分が世界を少しでも”よく”できるのではないか?」という情熱(エロース)、知への愛(=フィロソフィア)をぜひ持ち続けてください! そのために、仮に自分自身と世界のネガティブな側面が目に入り続けていたとしても、その「自己と世界という存在がまず存在してくれていることが有り難い」というメタレベルでの「愛」と「承認」を!

オススメの哲学入門書

視覚的に理解したい人向け。パラパラ見るだけでも〇 個人的にかなりオススメです↓ 
ピーターギブソン『1冊で学位 哲学~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』

小説が好きな人向け↓ 
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』新潮文庫、2021年 

ガチでやっていきたい人向け↓ 
岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書、2003年 

本記事では哲学好きな人が頻繁に尋ねられる質問への回答例を提示しました。少しでも参考になれば嬉しいです。

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