見出し画像

「高校生の就活は何とかなる」ってちょっと無責任じゃありません?

皆さん、こんにちは。
鹿児島でフリーランスのキャリアコンサルタントをしている和山です。

noteでもちょいちょい触れていましたが、ありがたいことに5月末から鹿児島・宮崎県内の高校で就活対策のセミナーに毎週のように登壇をさせて頂いています。

そして、7月は今年度対象の高校生向けの求人も公開され、今年度の高校生の就活がいよいよ本格化するなと感じています。

高校生に限らず、学生の就活市場は売り手市場・早期化が激しいとは近年のニュースでは言われているところではあるのですが、それとこれまでのイメージも相まって「高校生の就職は何とかなる(というか楽勝?)」と認識している方が多いように感じています。

今回はこのテーマについて、私の意見を書いていきたいと思います。
高校生を始め、学生の就活に関わるお仕事をされている方や就職を希望する学生の親御さん、学校の先生等に特に見て頂けると幸いです。


「高校生就活」に対する巷のイメージ

まず「高校生就活は何とかなる」という意見を裏付けるデータとしてこんなものがあります。

厚生労働省が行っている調査ですが、これによると高校生の就職内定率は99%台で推移しているそうです。

就職を希望している高校生の99%以上が毎年内定を獲得している。
しかも少子化で年々就職を希望する学生は減っている…
一方でコロナ明けということも相まって求人数は増えている…

何とかなりそうじゃん。

たしかに数値だけを見たらそうなんですが、「本当にその認識でいいの!?」というのが私の意見です。

いくつか理由を挙げていきます。

全員が第一志望というわけではない

ある調査では高校生の第一志望の内定率は60%程度とも言われています。
この統計に登場する「内定を獲得した高校生」はもちろん第一志望にそのまま合格した方もいらっしゃれば、第一志望にご縁がなくて、第二・第三の字企業を受験して合格した方、なかなか内定に至らず何とか滑り込んだ方も含まれます。(それはそれで、もちろん素晴らしいことなのですが…)

というか、「高校生って第一志望をどうやって決めてるん?」という疑問を個人的には感じていて、「第一志望=最初に受けた企業」というだけであって、そこまで高い志望度はなかったり、そこまでの自己分析や企業・業界研究をした上で決めたわけではない学生も多いんじゃないかなと感じています。

七五三現象の話はどこいった?

あとはこれもど定番ですが、「七五三現象」。ただ最近、これ聞かなくなったなと個人的には感じています。

ただ、とある調査では、高校生と大学生の離職率が4割程度に近づいてきていて、両者にそこまでの差がなくなってきているという調査もあるそうです。

とはいえ「4割でも多くない?」と私は感じるのですが…。

もちろん、
「就職した先がブラックだった」、
「どうしても他にやりたいことができた」、
「家庭の事情などで…」、

というように、やむを得ない理由もあります。
ただ、その他にも「思っているのと違った」のような「学生時代の準備の段階でもう少し出来ることがあったのでは?」というものも一定数あると思います。

もちろん、学校としては「就職率の高さ」は1つの指標となりますし、就職した後のことは(前もですが)自分の責任ではあります。

ただ、こういった背景を見ずに耳障りの良い情報だけを見て「高校生の就活は何とかなる」と楽観するのは個人的には「無し」だなと感じてしまいます。

実際セミナーでお会いする先生の中にも「なんだかんだ言って内定は出るだろうしね」というスタンスがにじみ出ている方や、ひどいのは、と…(自主規制)

「売り手市場」とはいえ企業も「質よりも量」な採用をしているわけではない

昨年、学生を対象に採用を行っている企業に対して「御社は質と量、どちらを優先しますか?」を聞いたアンケートがあるそうです。

その調査によると7割の企業が「質を優先する」と答えたそうです(量優先3割)。ちなみに前年の調査では8割(量優先2割)でした。

単純に「量を求める」方向にシフトする企業が増えていることも事実ですが、市場全体を見ると「質を優先する」企業が大半を占めているというのが現状です。

高校生就活といえど、「受ければ受かる」ということは決してなく、内定を得るためにはそれなりに自身の「質」も確保していなければならないということです。

まとめ

以上のことから、私は「高校生の就活は何とかなる」というのはその中身や、当事者の入社後のことを考えると「少し無責任な意見なのかな」と感じています。

私自身、1キャリコンとして、1クライアントに対して長期的なキャリアを見た時に有益な関わりをしたいと感じる今日この頃でした。

皆さんはどのように考えるでしょうか。ご意見を頂けると嬉しいです。

ということで、今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

各種ホームページ・SNS

お仕事のご依頼も各サイトのコメント・DM・問い合わせフォームから受け付けています。メッセージの確認後、こちらからご連絡させて頂きます(連絡までに数日頂く場合もございます)。

■note:

■ホームページ:

■Instagram:

こちらのアカウントを見つけて頂き、ありがとうございます。 頂いたサポートは活動費としてオフィスの使用料や必要備品の購入費等に使わせて頂きます。