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箕面に来た理由|たなべあーの手記「柴犬とわたし」

といわけで、タイトルを変えました。
「たなべあーの日々徒然」から「たなべあーの手記」に。
昔の人は「日記」とか「手記」とかいう形で、日々の徒然を手で書いて残しましたね。今でも毎日こまめに日記を書いていらっしゃる方も多いのかな。かく言う私も、幼少の頃より幾度となく、日記といふものを毎日書く人になりたいと憧れ、試してみるもすぐに挫折ww・・・ということを繰り返しているうちに諦めてしまった一人なのですね。毎日はむずかしいですよ、ええ、むずかしい。本当に。尊敬。

でも、やはり思うのですよ。だんだん歳をとってくると余計にね。思うんです。自分の人生における「昔」つまり「過去」の時間が長くなればなるほど、その出来事の数や出来事に伴う”そのときの思い”もその量がもうとてつもなく多くなる。それといったらもう膨大で、記憶の貯蔵庫に収まらない。収まるのかもしれないけれど、時間が経ちすぎると端のほうから消えていく。いや、スポンジの穴のようにそこかしこが抜けていく。そんなことにハタと気づかされ、戸惑い、焦るなんてことがちょいちょい起きてくる。それどころか、そのうちちょいちょいではなく頻繁に起きるようになっていく予感がする。果ては、そんなこと起きていることもわからないくらいにキレイさっぱり忘れてしまって、ただ目を細めて微笑んでいる、そんな未来の自分の姿まで思い浮かんでしまう。オーマイガー。だから思うんです。書き留めておかなければ、と。

なぜ、箕面に居を移したの?
そんな些細な問いにさえも、ひょっとしたらもうちゃんと答えることができていない。正確ではない。そんな気がするんです。たったの1年前なのに。
2020年から21年、22年とほぼほぼ丸3年間、徹底した自宅自粛でコロナ禍を過ごした私は、そうするために、会社の仕組みやビジネスモデルを迅速かつ徹底的に、それはもう完膚なきまでにオンラインに移行。そしてそれがうまくいきました。キャリぷらをオンライン化することで大阪は本町、東京は新橋にあったオフィスを引きあげ、淀川(大阪を流れる大きな川)を渡った少しだけ郊外に住まいとオフィスを一体化した場所を借りて、私も社員も静かにそして心穏やかにコロナ禍の自宅自粛生活を過ごしながら働ける体制をつくった。そして、その期間いろいろ考えた。考えました。自分はこれからどうしたいのか?と。また、同じくらい考えた。社会はこれからどうなるのか?と。都会の街ナカにいる必要性が薄れた今、より豊かに幸せに日々を暮らす選択肢は、これまで以上に広がっているのではないか、と。これまでの常識や基準をベースにしてつくってきた「今」を、これからの常識や基準をベースにして、改めてつくりかえる時期ではないか、とそう思ったんですね。

で、大阪北端の能勢町や京都に近い島本町、はたまた海を渡った淡路島まで、50軒を超える物件を観て検討した。そして結局、最終的に箕面に決めて移り住みました。
箕面にした理由は大きく7つでした。
・都会の雑踏を離れて自然豊かで静かな環境に移りたかったから
私もそうですが、社員たちのことを考えてました。今より心にゆとりを持ち、健やかに働いてもらうためには、どのような環境がいいのかということを考えていました。コタロウ(愛犬の柴犬)が喜んで走り回れるようなところに行きたいってのもモチベーションとしてはありました。
・まずは都会にそう遠くないところで試してみたかったから
長年、街ナカの便利なところに住んでいたので「やっぱ無理だー」となっても、すぐ街に出ていける範囲で選びました。
・出身地である大阪の北摂エリアには愛着があり戻りたかったから
豊中出身で北摂には親しみを持っていましたね。良いとこだったな、いつか戻りたいな、という思いが、幼少期に離れて以来ずっとどこかにありました。
・常勤スタッフも無理なく一緒に行ける範囲にとどめたかったから
うちの会社、常勤で働く社員についてはほとんど家族だろうっていう関係性なので、彼女たちの今とこれからに支障のない場所はどこだろうっていうのはかなり考えましたね。
・新幹線停車駅と空港へのアクセスは確保しておきたかったから
日常業務はオンライン化、ほぼフルリモートでやれる体制でしたが、うちは全国の大学さんがお客さん。何かあったら日本各地への長距離移動はあり得ます。だから、大事なのは在来よりも新幹線と飛行機でした。近いところは車で行けますから。
・より良い社会を築く鍵は都会より地方にあるという予感があるから
今後ますます働き方が多様化することやサステナビリティーの重要性が高まるであろうことを考え、また資本主義の限界というかどうにも打開しようのないような気にさえなる社会の閉塞感をもう長いこと眺めていて、大きな、ほんとうに大雑把な方向性として地方への分散、自然への回帰?(自然との共生?)方面にヒントがある気がしたから。
・人生の終焉が近づく母の最期を私との同居で終えさせてやりたかった
大きな一軒家の広い部屋、すみっこには縁側があって、その先に庭がある環境。花を植えて庭をいじり、縁側に座ってそれを眺めたい。というおかんの長年の夢の通りの環境を見つけました。30数年1人暮らしをさせていたいろいろと問題の多い母を、引き取って同居できる場所を探してました。

いつか眺めて思い出す日が来るでしょう。ひょっとしたら、何かの役に立つかもしれない。とにかく、忘れるのなら忘れることを前提に、いろいろと書き残しておかなければ。毎日は書けないけれど、折に触れて書き留めるたなべあーの手記。今回は箕面に来た理由でした。はぁーすっきり。これでいつでも忘れられる。


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