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自分だけどオレじゃない

一人になりたくても一人にさせてくれない

独りになりたくないのに独りにさせられる

もう独りでも良いから天邪鬼なこの街から離れようか

どこでもいいから歩いて行こう、途中でくたばってもいいや

僕を知らない町を歩いたら閉館になった映画館に忍び込んで8mmフィルムを漁って埃被った映写機を一晩中回し続けよう

錆びついた線路の上を裸足で歩いていつか海へ辿り着くんだ

海に着いたらポッケの中にある100円玉を自販機に入れて缶コーヒーを買いたいな

みんなを起こさないように音も立てずに頭から海へ入ろうか

諦めがつくように岩にでも足を括り付けようか

そうでもしないとまたもがいて這い上がってしまいそうだから

静寂で厳かな海底に寝転がったら月明かりを眺めながらタバコを噛み締めて缶コーヒーの蓋を開けるんだ。

オニダルマオコゼを抱きしめてそのまま目を閉じて。


海ってやっぱり良いや

どんなに顔を歪めて涙を流しても乱反射した光が僕の表情を変えてくれる

どんな叫び声をあげても泡となって消える

僕の本当の表情は一緒に奥底まで沈んでる人間にしか見られる事は無い

湯を沸かすほど煮えたぎった心も冷ましてくれる

もういいや、もういいんだよ


紙一重の感情、表裏一体の世界

ずっと僕の中で矛盾し続ける正と負

いつかそんな物が無い世界で死ぬ為に生きてるのかもね

だから彷徨って、

まぁ良いや、いずれ誰かがね、、

おやすみ。

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