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2024年6月 ハーバー研究所、ウェルス・マネジメント、日本ドライケミカル株主総会出席

 今週は株主総会ウィークですね。多くの株主総会の日程が重なっているのですが、その中でいくつか選んで総会に出席しています。

 23日(日)はハーバー研究所の総会で、新宿の京王プラザホテルで開催されました。昨年度までは即売会などもあったらしいのですが、今回はそうしたイベントやお土産など何もなく、大きな会場に人もまばらでした。
 同社は3期連続の最終赤字を計上、株価もピークから数分の一にまで下落し厳しい状況なのですが、その事態について株主に対して申し訳ない、といった思いが伝わらない総会でした。
 足元の事業については、コロナ禍で落ち込んだ化粧品は底ばった状況が継続、健康食品については少し改善の兆しが見えているようです。
 企業としての優先順位はとにかく黒字化を達成し、その後に成長戦略を考えていきたい、ということで再度登板した創業家出身の小柳社長がまず強力にコスト削減を進めていくようです。
 小柳社長は自らはほとんど説明をしないため、よくわからない部分もあるのですが、黒字化についてはかなり強い決意を持っておられるようなので、それは達成できるのでしょう。ただ、長期的な事業運営・成長戦略はまだ不透明な状況です。

 25日(火)は、ウェルス・マネジメントと日本ドライケミカルでした。
 
 ウェルス・マネジメントは、ホテルの開発・運営を手掛ける企業ですが、昨年の11月に大株主のサムティ社との提携解消を発表して以降、経営に不透明感がまし、業績の下方修正も相まって株価は大きく下落しました。また、今期の業績予想もまだ未発表となっています。
 今回の総会は、2時間の長丁場で、今後の事業展開についても社長からそれなりに話がなされました。課題のサムティ社との関係については、7月頃には何らかの形で発表がありそうな感じを受けました。
 同社のビジネスモデルは、ホテルの開発途中で外部投資家に持ち分の一部を売っていく形をとるので、業績がどうなるのかが読みにくいところがあります。最終の出口となるREIT組成・上場も上手くいっていないのですが、こちらはSTO化による個人投資家への販売実績がでており、出口の形が見えてきたことは安心材料です。
 社長は、なるべく個人投資家に株を持ってほしいという思いを重ねて強調しており、株主優待を含めた株主還元には注力していくとのことでした。
 ちなみに同社の株主優待は使い勝手がよく、私自身はアロフト大阪堂島とダーワ・悠洛 京都に宿泊しましたが、楽天トラベルでの予約と併用でき、かなりお得でした。

 日本ドライケミカルは、防災設備、消火器などを手掛ける企業で、業績は右肩上がりで成長しています。
 株価も上昇基調にはあるのですが、PERも7倍弱、PBR1倍割れとまだまだ割安な水準に留まっています。同社は配当性向が約10%と低いため、総会では還元の在り方について質問が多くなされましたが、増配などを意識したコメントは得られませんでした。
 2024年3月から亀井新社長が就任されていますが、今後の企業経営の在り方については、近々発表予定の中期経営計画をみてほしいとのコメントに留まりました。
 また、私自身は全然気づいていなかったのですが、他の株主からJuhwan Oh氏への貸付金33.8億円の背景について質問がありました。Oh氏は韓国の親密なビジネスパートナーであり、貸付にもそれなりに理由があるようでしたが、確かに金額も大きいし、あまりきれいな取引には見えないですね。よく見ておられる株主もいるんだな、と感心しました。
 同社の株価は、まだまだ評価不足だと思いますので、今後の中計などを楽しみに待ちたいと考えてます。

※上記情報はあくまで私自身の見方をコメントしたものであり、当該銘柄の購入等を推奨するものではありません。投資は自己の判断と責任に基づいてお願いいたします。

ハーバー研究所 総会案内看板(筆者撮影) 



 


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