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あなたは誰かの「お見送り」していますか?

毎朝の日課

私は毎朝、高校生の次男を玄関先で見送るのが日課だ。
「高校生にもなって、まだそんな事やってるの?」
と娘に言われる。
マザコンと言わんばかりのまなざし…。

必ず同じ場所で2回振り返えって、手を振る息子。
たまに洗い物をしていて、その場で
「いってらっしゃい」という時もあるが、
必ず振り向く息子の事が頭をよぎる。
そして、やはり玄関先まで見送りに行ってしまう。

見送りにいかなくちゃ!」
冷ややかな目で私を見る娘。
なぜか「」をつける私。
普段は息子を雑に扱っているのだけれど…笑。
口論しても、反抗されても
もうこれが日課になっているから、
お見送りをしないと気持ち悪い。



お母さん1年生

いつからだろう。
私がお見送りをするようになったのは…。
おそらく、小学校入学時の頃からだ。
その頃私は仕事をしていて、朝は時間との戦い。
行き渋る息子を無理やり連れて行ったり、怒ったり。
担任の先生に聞いてもイジメとかではなさそう。
帰りには元気になっているので、何が原因か悩んでいた。

そんな時、職場の方から
「早めに学校へ登校させてみては?」
と提案された。
なんでもその方のお孫さんも同じような経験があったとか。
そして提案されたとおり早めに登校させると、
徐々に息子の行き渋りもなくなっていった。

入学したばかりで新しい友達ばかり。
先に登校した子がたくさんいる輪の中に入りづらい事もあるらしい。

そっか…。そんな事も気づけずにゴメンね。
上の二人では、そんな経験なかったからさ。
三人目だし。
どこかで子育ては慣れてると自負してる自分もいて…。
三人子供がいれば、性格も全然ちがう。
それぞれ違った悩みもあったな。

お母さんもその子にとっては、はじめてのお母さん1年生。
それぞれ三人ぶんの学びがあった。
そう思えるのも、子育てが落ち着いた今だから。
当時はそんな事、考える余裕なんてなかったよ。



広い背中

そんな息子も今年から高校生。
末っ子でみんなから可愛がられた息子。
おっとりして、優しい子。
そして自信なさげな猫背。

時々からかって、
「もうお見送りしなくてもいい?」と聞くと 
「誰も頼んでねーよ」
と反抗期っぽい事も言うようになった。
でも必ず同じ場所で2回振り返る笑。
やめられないよ。
本気で嫌だというまでは。
おそらくあと少しの期間限定。

ランドセルを背負って、時には荷物をいっぱい持ち、
自分よりも大きい傘をさしていた小さな背中。
そんな息子も今では家族の中で一番背が高くなった。
そんな広い猫背の背中を
ポン!と強めに叩いて正す。

いつか自信に満ち溢れた、
君の広い背中を見る日を夢見て。
母は今日もお見送りをするよ。






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