見出し画像

20130712ふかいメルマガ第7回  質問への回答です 値上げと姿勢

深井です。 
おはようございます!

先週の熱海の土石流、この週末も九州で大雨による被害が出ています。
土日は関東でも落雷に局地的な豪雨。
江東区のわが家では雹(ひょう)が降りました。
九州のみなさん、大丈夫でしたか?

皆さんのご自宅や親せき、ご友人など、被害に合われていませんでしょうか。
週間予報を見ると、来週には梅雨明けですかね。

さてメルマガに質問とご意見をいただきました。
ありがとうございます!

「価格で商品を選んでいる人が3割から4割だと聞いて、逆ではないかと思いました。安さで選んでいる人が6割から7割。もっと多いのではと。そういう(安さが選ばれる)流れなのかと思っていました。そうなるとエンジニアはいらなくなるなと」
という内容でした。
世の中は、低価格のものやサービスが受け入れられ、消費者も所得が上がらず、安いモノを選ぶ傾向がある。
そんな時代の流れは、実はありません。
自分がこの1年、半年に買った商品を思い出してください。
「どれも同じようなモノだから安いモノにした」
というものもあったと思いますが、
それはあまり関心のない商品、
もしくはどれも同じだということを知っている商品のはずです。
例えば服の好きな人は、
好きなブランド、好みの色、スタイル・・・きっと価格で選んでいないと思います。
バーゲンを狙って買いに行ったということはあるかもしれませんが、
それでも一番安いもの、という選び方ではないはずです。また家電製品。各メーカー、ブランド、機能もいろいろ。
選んだのは、その中で一番安いもの、でしたか?
ネットで調べて価格を比較したかもしれませんが、
それでも最安値の「商品」を選んだわけではないと思います。

趣味の世界になったら、こだわりまくっていると思います。
私は、カメラとレンズですね(カメラとレンズ合わせて安い車1台は買えます(^^;)。

ただ、「低価格化」への流れがあると思ってしまうのには理由があります。1つは「アンケート調査」のあるある問題です。

「その商品を何で選んだか?」というアンケート調査。
① 価格②CM③企業・ブランド④色⑤スタイル⑥売場で見て⑦店員に勧められて⑧友人に勧められてなど、設問を設定します。

そうすると、①の価格がトップボックス、つまり1位になるんです。だから、調査結果のプレスリリースなどで、消費者に選ばれる要因の1位は「安さ」!と出しちゃいます。
それを新聞などのメディアが取り上げるわけです。
この手の調査分析で大事なのは、「1位」という順位ではなくて、選ばれた項目の「数」「率」なんです。
1位は「安さ」でも、それが33%だとすると、
2位以下の項目が67%だということです。
これは、商品を選ぶ理由の多様性を意味しています。人はそれぞれいろいろな理由で商品やサービスを選んでいる、ということです。

2つ目の理由は、某大手経済系新聞を筆頭に報道メディアです。
原料の高騰、輸入であれば円高、天候不良による不作・不漁などの理由で、やむを得ず値上げにふみきるとします。
そうすると、報道各社は一斉に「●●会社のなになにが×月×日から値上げになります」と報じます。最近は価格を据え置くために内容量を減らすことを「ステルス値上げ」と報じています(苦笑)。

値上げ=悪いこと、というイメージを植え付けているのでは、と私は思っています(これ、反論ありますよね)。でも、値上げには必ず理由があります。

コストアップです。

コストは、これから間違いなく上がっていきます。
下がることはありません。 
人件費、燃料、天然資源、トレサビリティ(仕入れルートの情報開示)、様々な認証や規制、消費者の意識、コロナによる消毒やソーシャルディスタンス。
すべてコストです。

コストが上がっていけば、価格に反映させないと会社はつぶれます。
しかも、メーカーは価格を上げるという発表をしたからといって、店頭の小売価格にすぐ反映されるわけではありません。
まずは卸、そしてイオンやイトーヨーカドーといった大手流通各社、コンビニ各社、スーパーマーケット、ドラッグストアなど、それぞれに値上げをしたいという商談(交渉)をしなければなりません。

「そんな勝手な値上げ、うちは受け入れられない!」なんて恫喝商談でもされたら、値上げ報道だけされて、実は店頭価格はそのままという、
もうこれは風評被害!?じゃないかと思っています(^^;。

もう一つありました。
スーパーやドラッグストアが安さを強調した販売促進をやり過ぎることです。
特売チラシや「火曜得々市」など、よく見かけるアレです。
アレやると、確かに売り上げは伸びるんです。

なぜなら、普段来ない商圏外のお客様が来店してくれるからです。
安さで選ぶ30%の人たちです。
ただ売り上げは伸びますが、特売品だけしか買っていただけないので利益が伸びません。
本来は、いつも来てくださるお客様への感謝の販売促進なのですが、早々に品切れになってしまったりします。
そして、こうした価格訴求の販売促進の前後は買い控えが起こってしまい、売上が伸びなくなります。
冷凍食品の「4割引き」なんかそうではありませんか?
ふだん買わないで、待ちますよね? 買い控えです。

長々とまた書いちゃいましたが、エンジニアは必要です。
消費者の多様なニーズに応えるためのエンジニア。
DX化社会を推し進めるためのエンジニア。

そうそう!以前のメルマガで「優秀なエンジニアは必要です」と書いたら、
「優秀の定義はなんですか?」と聞かれました。

確かに、そうですよね。
面接なんかで、「今日面接した人どうだった?」と聞かれて、
「優秀でしたよ!」と答えれば、「どんなところが優秀だった?」
と聞き返しますよね。 

私が「優秀な」とつけたのは、
「姿勢」と「ことば」です。
これは、エンジニアに限ったことではなく、
仕事をするプロフェッショナルすべての人に共通します。

仕事への「姿勢」と「ことば」。
「姿勢」とは、
「なぜこの仕事をしているのか」
「誰のために、何のためにしているのか」
が明確かどうかです。

もう少し言えば、その視線がどこに向いているか。
視野・視界に何が入っているかです。
そして見えているものは、視座で決まるんですね。

「ことば」は、
社会や、業界、職種を超えた「ことば」が使えるかどうか。
相手が使っている「ことば」を理解できるか、翻訳できるか、ということです。
仕事をしていて、日本人同士なのに、
かみ合わない、理解できない、思い通りの仕事にならない、思っていた内容と違うアウトプットだった・・・
ということ、よくありますね。

これらはすべて、お互いが使っている「ことば」の問題です。
特に、これからの時代、「姿勢」と「ことば」が重要になると思っています。
次回、もう少し「姿勢」の話しを続けたいと思います。

深井賢一

いいなと思ったら応援しよう!