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【二日目】最悪のスタート【徳島-香川-愛媛今治】

 気持ちの良い朝だった。たっぷり7時間半は寝て、宿のおじさんに起こしてもらった。品数たっぷりの朝ごはんを食べ、さあ出発しようとバイクに荷物をくくろうとした。センタースタンドを起こし前輪を持ち上げると、プシューという音。まさかと思い親指で押すと、3センチくらい凹んだ。

保険屋さんのトラックに積まれるバイク

慌てて保険屋に電話をかける。150kmまでロードサービス無料は安心だ。バイク屋にも手当たり次第に連絡し、パンク修理してくれるところを探した。10kmも離れないところでやってもらえたのはラッキーだった。刺さっていたのはとても小さなネジだった。いつか経験することなのだし、まだ元気なうちで良かったと思った。


本当に小さなネジ

パンクのおかげで出発はもう12時になる頃だった。それでも瀬戸内海に面した半島のワインディングを一つ一つ楽しんでいるとあっという間に日が暮れてきた。

この日の目的地は一つしか決めておらず、それが父母ヶ浜だった。日本のウユニ塩湖とも呼ばれる美しい砂浜海岸らしい。ともかくここを目指してひた走り、ちょうど夕暮れ時にとうちゃく到着した。が、あまり大きな感動はなかった。確かに夕陽が海面に反射して綺麗だったが、想像を上回ることはなかった。そういえば、ゲストハウスのおじさんも、プロが撮るから綺麗なだけだよ。って言ってた。それに、人が多すぎた。ぼっちで来ているのは私くらいだっただろう。これではエモさも半減してしまう。

エモ海岸を楽しむ人たちと遠くから眺める僕

ここで日没を迎えた私は、次なるゲストハウスである「シクロの家」まで約90km、ひた走った。寒さと眠気と退屈で、正直ほとんど何も覚えてないが、ひたすら「組曲 ニコニコ動画」を熱唱していた気がする。バイクは時に人を狂わせる。
シクロの家は今治駅のすぐそばにある。付近を散歩して、今治名物のB級グルメである、「焼豚玉子飯」を食べ大満足。今治城も綺麗だった。


ゲストハウスで他の旅人と一緒になるのは初めてだった。共有スペースで様子を見ながらなんとなく話の輪に入っていくと、皆の旅経験の豊富さに驚かされた。特に、同い年ながらゲストハウスの運営のため、もう土地を見つけ建設業者と話までつけている人がいたのには感動した。彼とは仲良くなり連絡先も交換した。旅が一気に楽しくなった日だった。
 
二日目
走行距離 279km
食事代 2419円
ガソリン代 1776円
宿代 2900円
雑費 3465円(パンク修理など)
計 10560円

総走行距離 570km



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