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外所地震と一葉稲荷神社の白兔

令和5年(2023)の新年を迎え、メディアで話題になっているのが一葉稲荷神社(ひとつばいなりじんじゃ)であろう。地元テレビ局MRTの情報番組「check!」の「新春番組hop!step!check! 開運スペシャル2023」という特別番組でも生中継があり、一葉稲荷神社の石川浩宮司が境内を案内していた。

MRTは、TBSの系列番組である。現在、「THE TIME」という番組で、「毎朝7時にゲッターズ飯田からあなただけの占いがテレビに届くよ!という企画も続いている。その内容が今月のMRT広報誌に掲載されている。このゲーターズ飯田あたりが情報源かと思っていましたが、ラジオではすでに佐々木優太という人物が複数の番組で紹介されていました。

新春のラジオ番組では、まず1月2日16:21~、TOKYOFM「THE TRAD」にゲストで登場した佐々木優太が一葉稲荷神社を紹介し、更に翌日、3日20:30~の「モヤモヤ解決!ゲッターズ飯田 ラジオで占いまSHOW」でもゲストで登場し、同様にこの神社を紹介している。

この佐々木優太は神社ソムリエを自称し、2020年 9月19日(土)「神社ソムリエのあやかりチャンネル」を配信開始している。その中で一葉稲荷神社について番組を配信している。

【150 令和五年の開運神社はココ!】ただの兎年じゃない!60年に一度の癸卯にピッタリのあやかりが受けれてうさぎのご神徳だらけの一葉稲荷神社をご紹介!

いずれの番組でも今年令和5年が「癸卯(みずのとう)」であることから、水と兔の組み合わせから、一葉稲荷神社の彫刻に注目したようである。

このうさぎの伝説については、2013年のブログ記事に紹介されている。

一葉稲荷神社のうさぎ守

由緒書きによると「寛文二年(1662年)西海大地震の時、この地に大津波が押し寄せました。その時、突如白ウサギが現れ波を跳ねのけて、この地を災害よりまもったという伝説があります。御本殿の裏側には貴重な彫物としてその白ウサギが今も残されております。災難厄除開運の神卯の御守として身近にお持ちください。一葉稲荷神社」

この伝説は、寡聞にして知らず、文献にも登場していなかったため、約30年ぶりに一葉稲荷神社に参拝してきた。

作務衣を着た宮司の奥様という方に確認したところ、神社の建て替えをする際に以前からあったこの兔の彫刻を彩色して新しい神社に設置することになったとのこと。昭和43年に本殿が改修されているようなので、そのときから兔の彫刻が現在のように配置されたのであろうか?

外所(とんどころ)地震

外所地震とは、1662年10月31日(寛文2年9月20日)未明に日向灘沖で発生したマグニチュード7.6の地震である。この地震により外所村が水没しました。この時、一葉稲荷神社に被害が及ばなかった理由として兔が波をはねのけたエピソードが伝説となっています。その際の被害の様子について安井豊
田辺剛「日向灘の外所地震津波調査について」に地図があります


『験震時報26-1』気象庁、1961年

この地図では、ちょうど一葉稲荷神社辺りでその被害が止まっていることが解ります。

flood mapというサイトで海の水位を変えることができます

このサイトで海面が5m高くした場合の地図が下記の通りです。


一葉稲荷神社が周囲より比較的高い場所にあることが分かる。
こうしたことろから白兔伝説が生まれたのでしょうか?

今後も歴史資料、口承資料などありましたら追記していきます。

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